仏像をライトアップするケース。ゆらぎ(Yuragi)を見学してきました。
先日、仏像のライトアップケース・Yuragiを開発された
ブライトチップス株式会社にお邪魔してきました。
この『Yuragi』。独自開発によるライトアップ技術により、
ケースの中の仏像を闇の中で浮かび上がらせるというもの。
さらに長時間見続けても飽きないように、
コンピューター制御による明かりの変化で、
じわじわと光の加減が移ろっていきます。
社長の言葉を借りると「時の移ろいを表現した」とのこと。
いやいや。すごかったです。
真っ暗にした部屋の中でふんわりと輝く仏様。
なんかもう、これは仏像好きだったら大興奮ですね。
ちなみにこの仏像を覆うケースも特殊で、
一流の美術館などで採用される高透過ガラスが採用されています。
さらに特製品として外の景色をほとんど反射しない、
世界初の『見えないガラス』も展示されていました。
通常のガラスでは外からの光を約6~10%反射するところ、
この『見えないガラス』は0.2~0.6%程度しか反射せず、
まるでガラスがないかのように仏像を見ることができます。
このケースもなんだか魔法を見ているようでした。
↑ 上の3枚は私が撮影した写真です。
こうした暗い中で照らされた仏像の写真は、
プロでもなければかなり難しいですね。
実際に生で見た時と写真とでは、だいぶ臨場感が違います。
そしてブライトチップスの林社長にもインタビューしてきましたが、
林さんは光を知り尽くしたスペシャリストで、
このゆらぎも長年の研究や実験を重ねて完成されたそうです。
ちなみにお話を聞いていた時、明かりで最も良いのは14時の太陽の光で、
RA=100がうんぬんというお話など聞いてきましたが、
正直言ってさっぱりついていけずでした。
明かりの世界もめちゃくちゃ奥が深いですね~。
また林さん自体が大の仏像好きで日本各地の仏像を回られていたり、
このゆらぎの開発に当たっても単に仏像を光で照らすのではなく、
信仰の対象としていかに厳かに、そして人の心に響くように照らし出せるか、
それを考えながら生み出されていったとのこと。
私は趣味で夜の寺社写真も撮っていますが、
暗い中でのお寺や神社はまさに昼とは別世界!
この夜の風景をもっと寺社活性に生かせないかということも考えてたりしますが、
視覚情報がそぎ落とされる分、夜は昼とは違う形で心に訴えるものがあります。
そんな意味で私もこのゆらぎには激しく興味を持ったわけですが、
林さんによるともしも古くからある文化財クラスの仏像や
お堂のライトアップなどに呼んで頂ける寺社があれば、
ぜひ利益度外視でこの光の技術を活用していきたいとのこと。
林さんとしては以下のことを目的とされています。
1)個人的興味・希望
2)学術的な経験・証明(照明)
3)ライトアップに対するノウハウの蓄積
4)Yuragiの効果の実証
5)美しいモノをさらに美しく魅せたい
仏像ライトアップはゆらぎに入る数十センチレベルの仏像はもちろん、
丈六仏やそれ以上の大仏なども可能だそうで、
仏像以外でも境内やお堂などのライトアップも行えます。
またその際は必要なライトなどにかかる実費のみで良いとのことです。
ただライト自体が特殊な最高品質のLEDライトを用いるため
仏像の大きさにより機材だけでも数十万円かかることもあるそうです。
そんなわけで実費のみとしても
価格から言えば思い付きでというわけにはいかないかもしれませんが、
もしもこの光の技術でうちの仏像に手を合わせてくれる人が増えればと
考えられるお寺さんがいれば、
ぜひぜひブライトチップス社にお問い合わせしてみて下さい。
お問い合わせ先はこちらです。
shn1(a)bright-chips.com;
(a)を@ に変えてメールをお送りください。
なお、内容の確認や条件などの調整は、
各自のご責任にてブライトチップス社さんと
直接行って頂けるようにお願いいたします。