果たして一般に言われる坊主丸儲けは本当か? 『「ぼうず丸もうけ」のカラクリ』
「ぼうず丸もうけ」のカラクリ ショ-エンK 著 |
『ぼうず丸儲け』、これはお寺を批判する時によく使われる言葉です。
しかし私がお坊さんとお話ししていると、
たいていはあまり景気の良い話は出てきません。
これはなぜか? 理由のひとつに本当に丸儲けしているお坊さんは、
私を必要としないからということが考えられます。
しかし果たしてそれだけか?
お寺にはお布施というシステムの分かりにくさや
一部の観光寺院のイメージなど、
丸儲けという言葉が先行する要素が山ほどあります。
さらに実際に丸儲けしているお寺もあります。
お寺ほど格差の大きな社会も、珍しいかもしれません。
そして宗教法人に対する課税免除。
お坊さんからはよく、いやいや非課税なのは一部で
税金は払っているんだよという言葉を聞きますが、
たとえ一般企業と同じように払っている部分があったにせよ、
大きな優遇があることは否定できません。
それらが虚実ないまぜになり、
ぼうず丸儲けという言葉は定着しているのかなと、
私は感じています。
しかし、ぼうず丸儲け。
お坊さんの知り合いが一般の人よりかなり多いと思われる私には、
今ひとつ実感のしづらい言葉です。
そんなわけでタイトル買いして、本書を読んでみました。
そして、全て読み終わってみて。いや〜、面白いです。
軽妙な、ある意味軽いノリで書かれて誇張された部分も多々ありそうですが、
それでもこれは確かにぼうず丸儲けだなと思う部分も山ほどありました。
そしてまたこのカラクリの崩壊が、
現状のお寺のピンチを表しているのかもしれません。
もやもやっとした「ぼうず丸儲け」という言葉に隠れた
お寺の背景を知りたい方は、本書を読まれてみてはいかがでしょうか?
丸儲けのカラクリが崩れ去ったとき、お寺は消えてしまうのか。
それともむしろ発展を遂げるのか、私はそこに興味が湧いてきました。
ただ、念のためですが、
すべてのお寺やお坊さんに当てはまるというよりは、
ごく一部の(それこそ丸儲けしている?)お寺に当てはまるという感じですので、
これを読んでお寺ってやっぱり丸儲けなんだとまでは、
思わない方が良いかもしれません。
「ぼうず丸もうけ」のカラクリ ショ-エンK 著 |