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インターネット寺院・彼岸寺が語る、仏教界のインキュベーター(孵化器)





 お坊さんはなぜ夜お寺を抜け出すのか?

 虚空山彼岸寺 著

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インターネット寺院・彼岸寺のお坊さんたちが書かれた書籍です。

ちょっと前に書かれた本で、彼岸寺のお坊さん達も
この本を執筆された4人(松本さん、青江さん、松下さん、樋口さん)から
だいぶ構成が変わりましたが、久しぶりに読み返してみました。

実は私もこの本が製作されるにあたり、
インタビュー取材をお受けしたご縁があり
(結構なページに渡り紹介して頂きました)、
それが本書を手に取った最初のいきさつです。

そして最初に読んでまず感じたことは、
お坊さん達ももがき苦しんでいるんだな〜ということでした。
(いや、別に悪い意味ではなく)

彼岸寺を本書に書かれた言葉で紹介すれば、
「長い年月をかけて凝り固まった仏教を解きほぐし、
再定義していく」ことを目指した、
超宗派(宗派を超えて結成された)のお坊さん団体です。

それだけに本書を執筆された4名のみならず、
彼岸寺には仏教に新しい風を起こそうというお坊さん達が集まっています。

その最先端のお坊さん達が集まる中で、
きっと議論され考察されてきた仏教界の問題や自己矛盾が、
本書執筆のひとつの動機だったのではないか
と私は勝手に想像しています。

そして本書はある種の思考実験ではないかと思うほど、
彼岸寺のお坊さんが入れ替わり立ち替わり、
それぞれの考えを記述しています。

本書が書かれて数年の後、彼岸寺には多くのお坊さんが集いましたし、
また未来の住職塾といった新しい取り組みも生まれています。
きっとそれは宗派や立場を超えて思考実験を繰り返した
結果のひとつなのかもしれません。

彼岸寺は日本仏教界の中でインキュベーター(孵化器)の役割を担っている。
本書のプロローグにはそのように書かれていますが、
まさにそれが今どんどんと殻を破って生み出されているのでしょう。

ちなみに私にとっては本書の中で、
樋口さんの永平寺での修業生活から学んだことが一番面白い記事
でした。

(四人の中で唯一会ったことのない方なので、
他のお坊さんに「あれ? 俺のは」って言われちゃうかもしれませんが)

永平寺で学んだ二つのこと。年功序列と非能力主義。
本人も記していますが現代の潮流とは
相反するようなこの考えが組織全体に活気をもたらす。
お坊さんでなければ語れない、思わず唸る視点です。

他にも今のお坊さんが何を考え、どうもがいて人生を歩んでいるのか。
そして仏教をどう捉え、どんな風に世間との共有を模索しているのか。

時間が経った分情報としては少し古くなったところもありますが、
本書はお寺とは無関係な人間にお坊さんが何を考えいてるかを感じる上で、
役立つように思います。

あ、ちなみにタイトルはちょっと釣りに近く、
その辺は少し損した評価を受けた本な気がします。





 お坊さんはなぜ夜お寺を抜け出すのか?

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