観音の里の祈りとくらし展Ⅱは、仏像との距離が近い
先日、東京藝術大学大学美術館で行われる『観音の里の祈りとくらし展Ⅱ』記者内覧会に参加してきました。上の写真はその時の様子です。左から長浜市の藤井市長、モデルのはなさん、東京藝術大学の薩摩教授、長浜城歴史博物館の太田館長。はなさんはともかく、あとのお三方はだんだん顔なじみになってきたかも。
そして記者内覧会だけでは時間が足りなかったので、同じ日の夜に行われたブロガー内覧会にも行ってきました。
多分、両方通しで参加したの、私だけじゃないかな。美術館の方にも「なぜ、またいる?」と驚かれましたし(事前に両方参加しますと許可頂いていますが)。せっかくの機会なので、とことん見て回るのがほーりー流です。
観音の里の祈りと暮らし展Ⅱは、仏像との距離が近い
で、この企画展ですが、仏像の展示がものすごく攻めているんですよ。
なんと言っても、仏像との距離が近い。どの仏像も、すぐ間近で見ることができます。
(一部を除いて)ガラスケースに納められているものもありません。
柵の位置は、こんな感じ。ここまで近づけて良いかは悩んだそうですが、なるべく近くで見てもらおうと位置を決めたそうです。
そして順路も固定されていないので、自由に動きながら仏像と向き合えます。中央に置かれた仏像は、360度もぐるぐる。
長浜市による仏像を地元の信仰と共に伝える取り組み
この『観音の里の祈りとくらし展』、実は私はかなり注目しています。もっと言えば滋賀県長浜市に対しての注目でもありますが。この地域は無人のお寺や寄合所となっているお堂、公民館などに多くの仏像が安置されていて、それを地元の人たちが共同で守り続けています。
それこそ平安時代に作られた仏像とか、戦国時代に戦で焼かれそうになりながらも、土に埋めたり川に沈めたりして難を逃れた仏像とか。権力者の庇護ではなく普通の人たちによって守り継がれ、今もなおそのコミュニティが維持されているという日本を見渡してみても特殊な地域です。
なので仏像を単なる文化財、美術品としてではなく、仏像を中心にした地元の人たちの生活や信仰も含めてまるごと知ってほしい。企画している長浜市や東京藝術大学大学美術館の方はそんな想いを持たれています。
仏像を美術品として紹介するだけでなく、現地で生活に根付く様子もパネル展示されていますし。
この辺の詳しい話は、以下の記事をご参照ください。
ということで、企画展の情報はこちら。
観音の里の祈りとくらし展Ⅱ
日程 :2016年7月5日(火)- 8月7日(日)
会場 :東京藝術大学大学美術館(JR上野駅から徒歩10分)
観覧料:1200円
さらに、ちょっと足を運べば
そして今回はこの内覧会と共に、すぐ近くにある『びわ湖長浜KANNON HOUSE』も取材してきました。こちらは地方創生の交付金を活用し、博報堂と共同で作られた長浜の仏像情報発信基地です。
江戸時代に琵琶湖に見立てて作られた不忍池のすぐそばにあり、これはたまたまとのことですが時代のつながりを感じますね。
中に入ると2ヶ月に一度くらいのペースで、長浜の観音像が順番に展示されます。現在は尊住院の聖観音立像。
私も開設以来、仏像見に来たり、トークイベント聞きに来たりしてますが、無料で入ることができるので上野でちょっと時間ができた時にはおすすめの場所です。
ちょうど2016年7月17日(日)には、高月観音の里歴史民俗博物館の学芸員・佐々木悦也氏をお招きして、ざっくばらんなお話会も行われるそうですよ。
時間10:00~16:00(ただし12:00~13:00は除く)で、予約も不要です。これも面白そうです。