コンドームの達人や元AV女優がお寺に登場。超真面目なイベントです
去年、たくさん出かけたお寺イベントの中でも、一番衝撃的で学ぶことの多かった『イマドキ思春期の悩みとモヤモヤ』。
これは京都(西本願寺)と東京(築地本願寺)で行われた公開シンポジウムですが、登壇者を見ると「コンドームの達人」とか「元AV女優」なんて、「え! お寺で?」と、目を疑う肩書が書かれています。
なので私も好奇心を抑えきれず(あんまり抑えたことないけど)、築地本願寺に足を運んでしまいました。
当日は上の写真が、築地本願寺の本堂前に掲げられていました。ちゃんと「コンドームの達人」や「元AV女優」の文字があるでしょう。
(ちなみにキャッチーなコピーがないので、いつも話題に乗せられずで申し訳ないですが、精神科医の松本先生もすごい方でした)
これだけじゃわからーんという疑り深い方には、こちらの写真も合わせてどうぞ。これは築地本願寺の本堂内です。阿弥陀如来様の前でも、「元AV女優」の肩書はしっかりと書かれています。
ご本人たちも、華麗に登場。
お寺で語られたコンドームから学んだこと
私自身、このシンポジウムは若者の性問題に対して、めちゃくちゃ勉強になりました。
例えば、「明石家さんまさんは、悪いお兄ちゃんからコンドームを教わった」という話しが出てきました。しかし今はその悪いお兄ちゃんが社会からいなくなっています。
その結果、
しかも時代はさらに進み、コンドームを知らない若者ばかりなのに、人工中絶は激減。
もちろん、十代の人工妊娠中絶率が減ることは、数字だけ見れば良いことかもしれません。しかしその背景にあるのは人間関係の深刻な喪失。生理が止まっているのに知識がなく、妊娠に気がつかない女の子も増えているそうです。
また、これは松本先生の講演からですが、自傷についても恐ろしくなる数字です。
この写真は単なる振りで撮影したものでしょうが、これだけでも思わず目をそむけたくなります。
こうした現場にお坊さんが逃げずに向き合う胆力を示して頂けると、お寺は生きている人を救う場所なんだな、仏教は苦しみと向き合う教えなんだなと、ようやく思える気がします。
今年は札幌、名古屋、福岡で開催されますよ
そしてこのシンポジウム。これが大好評だったようで、今年は札幌、名古屋、福岡で開催されます。
お寺がこれだけエッジの効いたコピーを並べるって簡単じゃないんですよね。特に様々な宗派に顔を出し、いろんなお坊さんにお会いしている私の感覚だと、少なくとも浄土真宗は組織としてはトップクラスに固いです。
ですが、やってのける。これはとんでもなく画期的です。タイトルは『イマドキ思春期の悩みとモヤモヤ』ですが、思春期のモヤモヤに応えるために、受ける側はまったくモヤモヤしていない。
私もこの企画を作った「子ども・若者ご縁づくり推進室(キッズサンガさん)」に招かれ、京都・西本願寺で講演させて頂きましたが、このシンポジウムが持つエネルギーについては事例のひとつとして紹介させて頂きました(動画の一番最後の方です)。
若者の悩みや苦しみに関心のある方はもちろん、お寺がどのような場所なのか、お坊さんやお寺と関わりを持つ方も、多くを学べるイベントです。なのでお近くの方、お近くじゃないけど行ってみようという方。ぜひぜひ、足を運んでみてくださいね。
それにしてもこのところ西本願寺(浄土真宗本願寺派)、本気を出しまくっています。
これらとか。
西本願寺が断然、面白くなってきました。