檀家以外に関心を払わないことが仏教疲弊の原因『葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦』
葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 (新潮新書) 秋田 光彦 著 |
先日、著者の秋田さんと一緒に講演をする機会があったので、
その前にと思い読んでみました。
『葬式をしない寺』大阪・應典院の挑戦を綴った本です。
私も訪れたことがありますが、
應典院は大阪の繁華街・ミナミから徒歩10分とは思えないような、
ずらりとお寺が並んだ寺院街の一角にあります。
こちらは大蓮寺というお寺の塔頭であり、
廃寺同然であったものを1997年に再建。
劇場やオープンギャラリーを備え、
演劇関係の若者など年間三万人が集まる
開かれたお寺の代名詞とも言える場所になりました。
お寺は檀家以外に関心を払わない。
それが今日の日本仏教が疲弊していく原因であり、
葬式仏教がお寺本来の持つ可能性を阻んでいると、
著者の秋田さんは指摘されています。
劇場ではあるがお寺でもある。
単なる貸館スタイルではなく、
利用者との協働スタイルを取ることにより
新たなお寺を作り上げていく。
多様な人が足を運ぶことで生まれるお寺の新たな役割。
開かれたお寺に興味のある方は、学べることの多い本ではないかと思います。
葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 (新潮新書) 秋田 光彦 著 |