1. TOP
  2. 01.ほーりーの活動記
  3. 01.宿坊
  4. 福井県のお城×宿坊プロジェクト。ほーりーも講演してきました

福井県のお城×宿坊プロジェクト。ほーりーも講演してきました

01.宿坊
 

 先日、福井県坂井市で、宿坊開設をテーマに講演させて頂きました。今回は『丸岡城天守を国宝にする市民の会』さんのお招きによるものです。

 丸岡城は日本に現存する12の天守閣で、最も古い建築様式を持つお城です。そしてその城下町にもお寺はたくさんあるのですが、福井県が企画された『新幹線開業アイデアコンテスト』に同会が「城下町に素泊まりホテル(宿坊)をつくる」を応募したところ、入賞を果たしました。

 さらに現在、丸岡城のすぐ近くにある妙光寺さんと一緒に、宿坊作りのプロジェクトを進めています。そんなわけで宿坊とは何か? その可能性とはどんなものかを知るためにと、ほーりーが呼ばれました。

 ちなみに講演前にお参りさせて頂きましたが、こちらがその妙光寺です。

福井県妙光寺

 丸岡城も行ってきました。素晴らしいお城でしたよ。

丸岡城とほーりー

丸岡城天守を国宝にする市民の会のプロジェクト

 そんなわけで、まずはこの『丸岡城天守を国宝にする市民の会』さんによる、プロジェクト説明から。

『丸岡城天守を国宝にする市民の会』の説明"

 まちづくりの理念と基本方針として、以下の項目が掲げられています。

(1)食の開発
(2)公民学のまちづくり機能
(3)お城ファンが集まる城小屋
(4)素泊まりホテルと滞在拠点
(5)アクティビティと人づくり
(6)散策・周遊性向上の仕掛け
(7)空き家や空き地によるビジネス創出
(8)マーケティング・PR
(9)お城周辺の環境整備

 そしてこの4つ目として、お城周辺にあるお寺に目を付け、宿坊が議題に上がってきました。

丸岡城下町宿坊プロジェクト

 そんな時に出てきたのが、新幹線開業に合わせて福井県を活性させるための企画コンテストです。こちらはアイデアを競う“ワクワク”部門と民間が自ら行う“ドキドキ”部門がありますが、今回は後者で受賞しています。

 つまり、これから自分たちで仕掛けていく必要があるわけですね。

新幹線開業アイデアコンテスト丸岡城の宿坊企画

 そして実際に受賞したので、現在は以下の予定でプロジェクトが進められています。

丸岡城下町宿坊プロジェクト

 初めにほーりーを呼ぶとなっていますが、すでに妙光寺さんとの話も進んでいるので、最初の順番は前後しています。一番肝心な手を上げるお寺さんが早く見つかったのは、嬉しい前倒しと言えるでしょう。

ほーりーによる宿坊講演

 そして実際のほーりーの講演ですが、これはこのブログでも何度も書いた『宿坊の現状と未来予測』を、現在のコロナ禍に合わせてバージョンアップさせたものです。

ほーりーの『宿坊の現状と未来予測』

 宿坊は平安時代には起源となるものが生まれた歴史の古いものであること。寺社が宿坊を開く3つのメリットや、そのサクセスストーリー。これから日本で宿坊が活躍すると予想される領域などなど。

 特に今回は「まちづくり」から生まれたプロジェクトでもあるため、宿坊が地域活性や経済視点からのみ見られてしまうと、その本質を見失ってしまうこともお伝えさせて頂きました。

宿坊の役割

 宿坊にとって収益や地域への波及はとても大切です。私の講演でもそれは様々な角度から述べています。

 しかし一方で各地に多数あるホテルや旅館、ペンションやゲストハウスではなく、なぜお寺や神社への宿泊を選ぶのか。それはそこに流れる精神性こそ求められているものだからです。

 宿坊は多額の資金を投じて、温泉を掘る必要はありません。代わりに必要なのは土台にある仏教や神道であり、その上に位置する心の揺れ動きです。

 わざわざ早起きして、眠い目をこすりながらも朝のお勤めに参列するのは、そこに流れる静謐な空気に身を置きたいためです。ホテルマンに人生相談をする方はいないでしょうが、お坊さんに悩みを打ち明ける人も大勢います。

 お寺は地域の歴史とも切り離せないものです。日帰りであれば見逃してしまうものも、一昼夜かけて時間の足跡にふれることで、肌で感じ取られていきます。

 今回のプロジェクトでは、福井県から複数展開も期待されています。そこで多数の寺社と手を組んでいく上で重要なのも、この仏教や神道と宿泊者がつながるロジックとなるでしょう。

 そんな話を、今回はさせて頂きました。

ということで、、、

 今回の講演レポート、ちょっと説教臭くなってしまった気もしますが、実際にはすでにお寺の住職と一緒に動いているので、そこまで心配することはないと思います。

 丸岡城をシンボルに地域活性に意欲的な方々と、人を受け入れる精神が旺盛なお坊さんと。福井県からの協力も得られていますし、様々な立場の方が力を合わせて進んでいって下さったなら、嬉しい限りです。

 そして現在は観光庁が宿坊開設の支援事業に乗り出したり、ほーりーも各地で宿坊を開きたいと考えている寺社さんが集まるfacebookグループを作ったりと、トップダウンやボトムアップで動きがあることも紹介しました。

 宿坊を作るには乗り越えなければならないハードルもたくさんありますが、いろんな人をめちゃくちゃ巻き込みながら歩んでいければ面白いことになりそうです。

 ほーりーはこの講演が終わった後に、永平寺の門前に建てられた、柏樹關(はくじゅかん)にも宿泊してきましたが、北陸の宿坊旅行がこれからどんどん活発になることを夢見つつ。

 これからもプロジェクトを、ウォッチしていきたいと思います。

\ SNSでシェアしよう! /

ほーりーの旅ブログの注目記事を受け取ろう

ほーりーの『宿坊の現状と未来予測』

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ほーりーの旅ブログの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • 寺社Nowオンラインは、宿坊の経営事例が豊富にあってためになる

  • 2020年の宿坊で起きた出来事を振り返ってみました

  • 宿坊研究会英語化

  • 山陰宿坊ネットワークに、お寺の奥さん全員参加が素晴らしい!

  • コロナで大ダメージ受けたのに、予約が前年比1.5倍の宿坊普賢院

  • 観光庁の事業で宿坊に最大800万円の補助金が支給されます