お坊さんが作った『御朱印あつめ』に見る、ゲームと仏教の可能性
そう言えば、私は昔からゲームが好きでした。ファミコンやプレステなどもやりましたが、アナログゲームも子供の頃からいろいろたしなんでいます。
小学校時代はドンジャラやモノポリー、人生ゲームにはまり、高校になるとテーブルトークRPGを友人とやっていました。また、将棋は文化祭で将棋部員に勝利したら、部長につかまってコテンパンにのされてしまったほどの腕前です。囲碁はいつだったか、お寺でデビューしたな。
なんて、にわかなことを書いてみましたが、アナログゲームって実はめちゃくちゃ奥深いんですよ。本場と言われるドイツではゲームクリエイターが憧れの職業になっていて、現在もどんどん新ゲームが生まれています。
しかし、ここ日本でも、去年生まれたあるゲームが話題です。しかも作ったのはお坊さん。そんなわけで今回は新しいゲームまで作ってしまった陽岳寺・不二の会(お寺ゲーム部)に、遊びに行ってみました。
突撃! 陽岳寺・不二の会(お寺ゲーム部)
お寺に入ると、鐘を鳴らすようにと描かれています。ということで、早速「たのもー、たのもー」。誰がために鐘は鳴る。
そして、噂のゲーム『御朱印あつめ』を作った向井真人さんが、出迎えて下さいました~!
うん、すみません。私、何度も出会っている方なので、特に新鮮味はありませんが。むしろ、去年末にゲーム作りましたって聞いて、そんな隠れた技を持っていたんですかって驚いたくらい。
『御朱印あつめ』に挑戦、デュエルスタンバイ!
で、早速、『御朱印あつめ』にチャレンジさせて頂きましたよ。このゲーム、簡単に説明すると、お経を納経してお寺から御朱印を頂き、たくさん集めた人が勝ちというルールです。しかし一番長いお経を納めた人しか御朱印を頂くことができないので、毎回御朱印争奪戦が行われます。
さらに時々、プレミアムな御朱印やはずれ御朱印が出てきたり、麻雀のように集めた御朱印で役ができたりするので、戦略性も出てきます。いかに自分が狙っている御朱印の時に、長いお経を納めるか。そこが勝負の分かれ目です。
やばい。めちゃくちゃ、はずれ引いてます。頑張れ、ほーりー! しかし、なんと結果は2位でした! 阿弥陀・観音・勢至の「アミダサンゾン」が決まったのが勝因か。って、仏像好きじゃないと、こんなネタ分かりませんね。
そして第2戦目はかなりぶっちぎりで1位を取ってしまいました。「エンムスビ」「サンナラビ」「シャカサンゾン」が爆発! プレミアムな御朱印もゲットした上に観音様の得点が3倍になるおみくじまで引いて、高得点をたたき出してしまいました。私のゲームの才能が開花した日と言っても過言ではないかもしれない。
ついでに、向井マイスターの新ゲーム・檀家(試作品)もプレイ。こちらはプレイヤーが檀家さんを奪い合うという、これからのお寺戦国時代を象徴するかのような恐ろしいゲームでした。堀内寺は序盤、住職が修行しなくて檀家さんがどんどんいなくなり廃寺のピンチを迎えるも、大仏と五重塔が建って一気に盛り返していきます。
いーのか。そんな、盛り返し方で、、、。
後は向井さんが作ったわけではありませんが、アナログゲームを製作されている会社の方も来ていたり、たくさんのカードゲームがあったりして、めちゃくちゃ楽しんじゃいました☆
ゲーム×お寺の可能性
ということで、たくさん遊んできましたが、もちろんただ遊びに行ったわけでは(たぶん)ありません。ゲームとお寺の可能性について、考えてくるためです。
向井さんにお話伺うと、もともとキリスト教の牧師さんが作ったゲームを見て、お寺のゲーム制作を考えられたとのこと。
これですね。
御朱印あつめは子供や家族でも楽しめますし、楽しく気軽にお寺や仏教について学ぶこともできるわけです。この辺の発想は、私が発案した『お寺の漫画図書館』にも通じるものがありますね~。
また、ゲームと教育を組み合わせるということも、多方面で行われています。私の聞いた例だと、北海道江別市議会議員の堀直人さんが、地域の方から募集した素敵な景観をトレーディングカードゲームにして子どもたちと遊ぶ材料にされていました。
他にも有名なものでは防災カードゲーム「シャッフル」なんてものもありますね。
防災カードゲーム シャッフル |
『御朱印あつめ』もゲームマーケット2015秋に出展したり、様々なメディアで紹介されたりなど、いろんなところで話題になり始めています。これはファミリー層とお寺や仏教の接点を作るポイントになっていきそうですね。実際にお寺ゲーム部にも親子で一緒に来ていた方もいました。
はたしてお坊さんによるお寺ゲームが、これからどんな道をたどっていくか。大注目ですよ!
ちなみに最後は向井さん。本物の御朱印も書かれていました。