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今年も素晴らしかった向源を終えて、違和感を持った一つの数字

向源

世界最大級の寺社フェス向源。今年も増上寺を会場にして大々的に行われていましたが、また遊びに行ってきました(プレスとして取材もさせて頂きましたが)。楽しかったです。本当に素晴らしいですね。向源。

私が特に注目していたのは仏前結婚式。自分も仏前で挙式し、お寺の結婚式を盛り上げるプロジェクトも行っている私としては、向源で多くの方に仏前結婚式を見て頂けるのは嬉しいところです。

仏前結婚式

この仏前結婚式はまた改めてレポートしますが、その他のイベント、ワークショップも大盛り上がりでした。

会場はこんな感じ。

京都丸ごとマルシェ

お坊さんと話そうのコーナーも、大盛況。

お坊さんと話そう

お化け屋敷は行列発生。待ち時間が長くて、入れなかったよ。

お化け屋敷の行列

極楽箸のワークショップでは、アクロバティックな技が生まれたり(見事、口の中に入っていました)。

極楽箸

仏教・神道体験も多くの方が参加されていました。

坐禅体験

声明公演も満員御礼です。

声明公演

2日間で目標を超える6000人の来場があり、また会場を走り回って取材させて頂きましたが、足を運ばれた方も様々な形でお寺や神社、日本文化にふれる機会となっていました。まさに源に向かう「向源」のテーマを実感するイベントになったのではないでしょうか。

おわり。

と、ここでレポート締めておくときれいにまとまるのですが、向源もここまでメジャーになると、単純に楽しかったですよ~と書いても似たようなことはもっと大手のメディアが伝えていますので、あえて感じたことをそのまま書いてみようと思います。いや、まあ。感じたことを書くのは、今回に限ったことではないですが。

向源のプレス腕章

今年の向源では一つだけ、がっかりしたことがありました。それは今回の宣伝文句にあった、およそ100のワークショップがあるという言葉。去年は50くらいでしたので、すげぇ、あれからさらに倍になったのかと、最初に聞いた時は期待が高まりました。

ですが実際にタイムテーブルが公開されて、ちょっとあれ? と肩すかしを食ったんですよね。100という数字は2日間開催になったためのもので、体験できる種類で言えば去年からそれほど増えてはいないのではないかと。

なので、ちょいと過去の向源パンフレットを漁って調べてみました。

2012年の体験  7種類
2013年の体験 14種類
2014年の体験 29種類
2015年の体験 34種類

となっています(同系統の体験は一つとして換算)。

まあ、数が増えればこれまでの倍々ゲームのような展開にならなくなるのは分かりますが、向源の向源たる魅力のひとつは、

やばい、またこんなにすごくなっている!

というラスボス的なパワーアップスケールにあると思っています。代表の友光雅臣さんもご自身の言葉で、「現在はまだ地区予選を戦っている段階。これから県予選を勝ち抜き、日本代表となり、世界を目指していく」と、あおっていますし。

icsm来場者5000人を目指す向源は、友光雅臣代表のビジョンではまだ地区予選レベル

もちろんこれは、あくまで私の感じたこと。初年度を除き、毎年参加しているヘビーリピーターの意見です。単純に考えれば向源には初めて来たという人の方が多いはずですし、2日間開催でより参加しやすくなった、しかもそれに見合うだけの来場者数を伸ばしているのは、とんでもないことです。

またサブ会場として芝大神宮が入り、クラウドファンディングによるお化け屋敷作りなど話題性ある企画にも取り組み、企業とのコラボなんかも着実に増えています。向源自体はエッジを効かせ、お寺・神社イベントのトップランナーとして、間違いなく大きな一歩を踏んでいました。その情熱、努力、そして結果にはすべて頭が下がります。

ただここから先は、向源に触発されたお坊さんや神主さんが、どこまで生まれていくのかなと言うのが、私の興味でありちょっとした懸念でもあるのです。

お坊さんの人形芝居

今回、お坊さん・神主さんの活動で新しく出てきたものと言えば、「お坊さんの人形芝居」「神主さんと読む火の鳥ヤマト編」「8時だヨ! 神様仏様」「グチコレ」あたりでしょうか。その他に物販ブースの腕輪念珠やだるま作りもありましたが、ここにもっともっと多くのお坊さんや神主さんがそれぞれの想いが詰まったものをゼロから作り上げて、向源がそれを集約することができたら、まさに寺社のオールスターみたいなとんでもないことになっていきます。

向源代表の友光さんだって、まずは個人の想いから生み出したのが寺社フェスという向源のコンセプトです。青江覚峰さんの暗闇ごはんや浦上哲也さんの死の体験旅行みたいな大ヒット企画もありますが、こうしたものもいろんなお坊さん・神主さんが、日常からどんどんモノ作りに挑戦しないと生まれません。

そしてここから先、さらにこうしたヒット企画が複数生まれていくことは、向源はもちろんお寺や神社が一般の人とより深く結びつくためにも大切です。そして先進的・前衛的なもので注目が増すほど、伝統に即した坐禅や写経、声明なども私たち一般の人間の目には輝いて見えていきます。

もちろん向源にかかる期待は半端なものではありません。完成度の高いものでなければ、なんでもかんでも出すわけにはいかないでしょう。私は今回初登場した「神主さんと読む火の鳥ヤマト編」のプレイベントにも参加させて頂きましたが、これは本番前にワークショップの改善を図るための感想を述べ合う会でした。このように向源はイベントの質を高めるために、あらゆる努力を続けています。

2020年にスポーツの祭典・オリンピックが行われる東京で、向源を文化の祭典にする。今年の向源最後の挨拶で、友光さんはそう仰っていました。現在の規模を維持するだけでも苦しいはずですが、向源をまだまだ何倍・何十倍にも拡大していくという宣言。はっきり言ってクレイジーです。しかしその狂気を支えていくのなら、裏方に回るたくさんの人間も必要ですが、前に出てソロで動ける人間も多数必要です。

友光雅臣さん

でないと、向源のここからの拡張性が異業種コラボのみに道を見出していきそうで、ちょっと先を危ぶんでしまうわけです。今年もクラウドファンディングという特性はありましたが、事前の目玉として扱われたのはお化け屋敷でしたし(異業種コラボも大切なので、それ自体が悪いわけではありませんが)。

向源が大きくなればなるほど参加した充足感で終わるのではなく、俺も何か生み出さないとという飢餓状態に陥るお坊さん・神主さんが増える必要があります。今は大仕事を終えた開放感で包まれているところでしょうが、来年の向源がどうなっていくか。このブログを見て下さる向源関係者もいるでしょうし、楽しみにしながら焚きつけておきたいと思います。

私も腹ペコになりました。

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