エンディング産業展レポ。実用的なアイディアや技術が増えていました
ほーりーが第一回から毎年足を運んでいるエンディング産業展。お墓や葬儀、終活関連の企業が集まるイベントですが、今年(第10回)もはりきって出かけてきました。
それでここ数年、エンディング産業展はつまらなくなったよね、マンネリ化してきたよねという話をよく聞きます。
このブログでも2019年には『エンディング産業展は、良くも悪くも限界が近づいている』という記事を書きました。
しかし2020年は『今年のエンディング産業展は、業界変化をめちゃくちゃ感じられた件』とまとめています。
さらに2021年は『衰退の中に新たな芽が出た2021年エンディング産業展』です。
そしてエンディング産業展自体も、毎年3日間開催だったのが今年は2日間になりました。それだけ規模縮小してきたとも言えますが、出かけてみるとやはり発見の多い産業展です。
特に実用的なアイディアや、発展に期待が持てる分野が増えてきた気がしますね。そんなわけで今回、会場を回って私が面白いと感じたものを紹介します。
2024年のエンディング産業展で、ほーりーが見つけたもの
お坊さんが目立っていた
まず良いなと思ったことの一つが、いつもよりお坊さんが目立っていたことです。開始から『9宗派による合同供養』が行われていました。
実はこの時、入場受付が大混雑で20分くらい並んでいたので、ちょこっとしか見ることができませんでしたが。会場の外にまで音が聞こえていたので、インパクトはあったと思います。
そしてセミナー会場では、『宗教メディアサミット 仏教×カトリック×プロテスタント』も行われています。こちらは葬儀に関する情報誌『凛咲(りんしょう)』の編集者としてですが、お坊さんの佐山拓郎さんも登壇されています。
(あと、お坊さんではありませんが、ほーりーが連載を続けている月刊住職編集部の上野ちひろさんも参加されていました)
他にもお坊さんが講師を務めるセミナーや、僧侶対象イベントも行われていました。
古墳のお墓に注目が集まる
今年の会場で目立っていたものの一つは、前方後円墳の形を模したお墓です。こちらはインターネットで話題になっていたので、行く前から見るのを楽しみにしていました。
上の写真は模型ですが、こんな形の合葬墓となるイメージです。今までにないコンセプトですし、これからどのようになっていくか注目したいです。
段ボールでできた棺桶
今回、少し変わっていて興味を惹かれたのが、段ボールでできた棺桶です。
オリンピックの選手村で段ボールベッドが注目を集めていましたが、棺桶にも使われていたのは意外でした。
強化ダンボールは木材と比べて非常に軽くてローコストであり、保管時にはたたんでおけるなど収納性も抜群です。さらに環境保護の観点でも優れており、長期で使うのでなければメリットだらけです。
そして棺桶はもちろん、繰り返しの使用は想定されていません。ただ段ボール棺桶は(火葬場は通常の棺桶用に設定されているため)急に温度が上がりすぎてしまうことが難点で、できるだけ燃えにくい段ボールを組み合わせるなど調節されているとのことでした。
AIを活用した監視カメラ
前からどんどん進化しているなと思った監視カメラですが、AIを活用して動体検知がものすごく便利になっていました。
一昔前だと風が吹いて草木が揺れたり、動物が横切ってもスマホに通知が飛ばされたものです。それがAIによって人間が指定された場所に入った時だけとか、お賽銭箱に手を伸ばした時のみ連絡が来るといった感じに、誤検知を抑える技術が上がっていました。
また録画した映像をチェックする時も、人間が画面に映っているときだけ再生して後は飛ばしたりということが容易になっているようです。
机やいすを引きずっても傷つかない畳
お寺に導入するとすごく便利そうと思ったのが、丈夫でお手入れが簡単な畳です。
こちらは椅子や机、キャリーバッグなどを引きずっても傷がつきにくく、製品によっては防炎、耐水、耐薬品機能もあります。
また畳や床面に敷き詰めて使うことができますし、実際に歩いてみるとふかふかして足触りも悪くありませんでした。
価格も半畳で1.5~2万円くらいと比較的手ごろです。本堂はもちろん、多くの方が出入りする部屋や廊下などで活躍しそうですね。
他にも花瓶に入れておくだけで水が腐らなくなる防腐剤や、ろうそくのリサイクルなど、ちょっとしたアイディア商品や、導入したら着実に便利そうなものが、いくつかのブースで見つかりました。
他にもいろいろ
会場を回っていると、目につくものは他にもたくさんあります。これらの写真に関する分野は、以前にもブログに考察記事を書いています。
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火葬待ち長期化の社会問題5つと、対応するご遺体の保存技術革新レポ
ほーりーとしては、今後も継続して見ていきたい領域です。
と、いうことで、、、
他に気が付いたことを箇条書きすると、以下の通りです。
○石材業界の方が一気に減った
○VRやメタバースも減った
○手元供養は多様な種類が出ている
○DXは突飛なものが減って、こなれてきた
○相続・遺品整理は変わらず多い
○海外から来ている方はコロナ前よりは少なそう
○エンディング産業展のイメージカラーがオレンジに変わった
そんなわけで、楽しく学べたエンディング産業展。ついでですがほーりーが顧問を務めるアンカレッジはブース出展はしませんでしたが、パンフレットを配っていました。
アンカレッジの『お寺の樹木葬』については、よろしければこちらもご覧ください。
行く前は台風が直撃するんじゃないかとドキドキでしたが、進路が大きくずれたので当日は良い天気でしたし。会場でもいろんな方にお会いできたので、楽しかったです。
皆様、お疲れさまでした~。