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エンディング産業で見つけたこれから広がりそうなテーマ5選

エンディング産業展

 先日、今年のエンディング産業展が、また新たな展開を模索してきたという記事を書きました。

 衰退の中に新たな芽が出た2021年エンディング産業展

 この中で述べた内容は以下の通りです。

 ○コロナやオリンピックの影響で、ブースは大幅に減っている
 ○既存のお墓や葬儀、終活関連の会社が少なくなる一方で、他業種からの参入が目立ってきた
 ○現在は新規参入者による、可能性模索の場と言えそう

 そんなわけで規模は縮小しましたが、ほーりーはいろいろと学びのあった面白い場と感じました。今回は3日間会場をうろうろ歩いてヒントを見つけたブースをまとめてみます。

 なお、ここで紹介するものは個別の商品やサービスのおススメということではなく、こうしたテーマがこれから広がっていくのではという事例紹介です。

エンディング産業でこれから広がっていきそうな注目テーマ

システム化・DX関連

 まずは最も分かりやすく確実なのは、システム化やDX(デジタルトランスフォーメーション)関連です。

 これらはどの業界でも、避けて通れないものになっています。そして他業種からの参入が目立っていたのもこの分野です。「スマート葬儀」「ネット墓」「DX仏壇」などは数年前から目にしますが、いろんな事業者が出ては消えつつその在り方を模索しています。

 お寺や葬祭業のバックエンドにシステムを導入することは、これからどんどん進んでいくでしょう。しかし消費者との接点で広まっていくかは分かりません。それは供養が効率化や利便性と逆相関となる部分も多いためです。少なくとも何か一つ、便利以外のコンセプトが出てくることが必要な気はしています。

 そんなわけで今回は東京藝術大学で社会人と藝大生が一緒に学ぶDOORプロジェクトを履修された方が創業したeach tone合同会社から、vizPRiZMAというサービスが紹介されていました。

each tone合同会社のvizPRiZMA

 こちらはネット上にお墓を作り、世界中どこからでもお参りできるサービスです。そして特徴的なことは、全て生前契約で自分のお墓をアーティストと一緒に創作するワークショップが行われるというものでした。

 まだ開発中でサンプルがないとのことだったので可能性は未知ですが、アート(個性の発揮)とお墓は親和性があります。

 あと、今回のエンディング産業展ではありませんが、以前に取材したゲームの中に生まれたお寺も似たような方向性があるかもしれません。ほーりーは任天堂がお墓事業に乗り出したとしても、そんなには驚きません(いや、驚くか)。

 あつまれ どうぶつの森(あつ森)にできたお寺が、ツイッターで話題

お坊さんと技術者のコラボレーション

 システム化やDXとも関連しますが他業界からの参入組は、効率化や便利さ優先で供養などの精神面が置き去りにされている部分も多いです。ただこの「精神面」は一朝一夕で作ることは難しいですし、そこにお坊さんの出番はあります。そしてフラットに両者の得意なものを組み合わせることで、新しく良いものは生まれていきます。

 そんなことを考えさせて頂けたのは、一般社団法人恩送りさんのブースです。様々な宗派のお坊さんや神主さんが集まっている団体で、各種専門家や事業者とも連携して無縁社会の解消を目指されています。

 そして今回展示していたのは、ソニーが開発した『窓』を用いた遠隔でのコミュニケーションサービスでした。

恩送り

 こちらはZoomなどのオンライン会議システムをパワーアップさせたようなものですが、画面が大きいこととクオリティが高いため、臨場感が全く異なります。本当に窓の向こうに人がいるような感覚で、日常的に孤立しがちな高齢者などの施設で活躍しそうです。また結婚式やお葬式などに出られない方とつなぐ使い方もあるでしょう。

 これは技術者と共にお坊さんが現場での意見や課題を引き上げたことで、生まれているのではないでしょうか。ブースに立っていたお坊さんともお話させて頂きましたが、そんなことを感じました。

SDGs

 SDGs(持続可能な開発目標)はあらゆる業界で推進されてきていますが、エンディング産業展ではまだそれほど目立っていません。

 ただ、その中でおなじみのアイコンを掲示していた会社に、株式会社萩原さんがありました。こちらは社内で勉強会を実施し、女性でも扱いやすい段ボール製の飾り壇や、健康を守るための抗菌商品などを開発されています。

SDGsのアイコン

 また、SDGsを特別に強調してはいませんでしたが、株式会社コーリングのご遺体保全装置も興味深かったです。現在はコロナのワクチンを保管するため、大量のドライアイスが必要になっています。そしてドライアイスは二酸化炭素を超低温で固体にしたものでもあります。このため品薄で価格が高騰している上、今後は使用が抑制されて出荷数も減少していくと予想されています。

 そこでこのドライアイスを使わないご遺体保全装置は、コスト削減と環境保全に役立つ商品として紹介されていました。

コーリングのご遺体保全装置

 他にもサンゴ礁は海洋生物全体の1/4を支えており、世界で5億人の食糧源と収入源になっているとも言われています。さらに暴風雨による洪水を防ぐ役割も果たしており、アジアや南米の国々(インドネシア、フィリピン、マレーシア、キューバ、メキシコなど)の災害を大きく減らしていることも指摘されています。

 そうした中で沖縄海洋墓標会さんは、サンゴの漆喰(消石灰)で製作した固形物にお骨を収めて海へ葬送するさんご葬を提案されていました。こちらではサンゴの再生技術を塗布することで、サンゴ育成にもつながるとのことです。またサンゴ礁の保全団体への寄付も行われています。

沖縄海洋墓標会さんのさんご葬

 SDGsに掲げられた目標はどれも大切なものですが、ほーりーはその中でも特に13番の「気候変動に具体的な対策を」に興味があります。それはこれこそ未来の人類にとって、最も大きな危機としてのしかかると考えているためです。

 気温の上昇や自然災害の増加は、これからさらに実感していくでしょう。そのような時に対策を練っているサービスはますます大切になりますし、注目も集めていくと考えられます。

高単価化

 コロナによって簡略化・小規模化した葬儀の価格を上げましょうと提案するブースも複数ありました。

 株式会社イガラシさんは、葬儀の販売や収益力強化を目的としたコンサルティング事業が紹介されていました。

株式会社イガラシ

 株式会社ジャパン唐和さんは、納棺できる高価格なメルシーフラワーという商品を展示しています。

ジャパン唐和のメルシーフラワー

新たな供養やお別れの場作り

 今回のエンディング産業展で、「こんなものがあるのか!」と純粋に驚いたのは、ご遺骨を混ぜて製作された供養絵画さくらさんです。画家の小林吉春さんが亡くなった父親と姉の手元供養として始めたところから生まれたものですが、ご家族からも賛否両論があったなど平坦な道ではなさそうです。ですがけっして量産できるものではないでしょうし、1000人に1人でも想いを持った方が依頼されるのであれば求められる気もします。

供養絵画さくら

ということで、、、

 ほーりーが顧問を務めるアンカレッジも2年ぶりにブースを出しましたが、そのおかげで今回はいろんな方とお話しすることができました。そしてそのアンカレッジも今年に入って樹木葬墓の累計販売数が3000件を突破するなど、好調が続いています。

アンカレッジの累積販売数

 それと全然関係ないですが、会場をうろうろしてたら、脳の健康チェックがありました。せっかくなので試してみたら、同年代では100人中2位という高順位となりました。すげぇ。ほーりーの脳みそはこんなにも活発に動いていたのか。

ほーりーの脳健康チェック

 まあ、そんな自慢はともかく、脳みその働かせがいのあるイベントになりました。

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