熊野なの(4)
熊野旅行4日目。3社を巡り終えたあと、最後は熊野市へ向かいました。
無人の有井駅からスタートし、熊野市歴史民俗資料館へ。
ここでたまたま出会った熊野古道のベテラン観光ガイドの方が、
この周辺を案内してあげるよと声をかけて下さったので、お願いすることにしました。
まずは産田神社へ。日本書紀にある伊弉冉尊(いざなみのみこと)が、
軻遇突智神(かぐつちのかみ)を産んだ場所と言われている神社です。
熊野市と言えば、この伊弉冉尊が埋葬されたと伝わり
世界遺産にも登録されている花窟(はなのいわや)神社が有名ですが、
伊弉冉尊は軻遇突智神を産んだことで死に、
(軻遇突智神は火之神であり、
この神を産んだ伊弉冉尊は陰部を焼かれて死んだと神話にはあります)
この二社の間を結ぶ黄泉平坂(よもつひらさか)を運ばれていったのだそうです。
さらにこの神社には石で囲んだ祭り場へ注連縄を張って神を招く、
「ひもろぎ」跡も残されています。
日本には二カ所しか残されていない貴重な遺構で、
そもそもこの神社の成り立ちは弥生時代にまで遡るというから驚きでした。
(しかもガイドブックには載ってない)
そして次は花窟(はなのいわや)神社へ。
ここは高さ70Mにも及ぶ岸壁を御神体とした珍しい神社で、
やはり古代の信仰形態が強く感じ取れる場所になっています。
ここでガイドの方とお別れし、今度は獅子岩、鬼ヶ城など熊野に続く奇岩の数々を見て回りました。
が、ここでスクランブル!
鬼ヶ城は海岸線に沿った遊歩道になっているのですが、
これが先日の大雨のため途中で通行止めに!!
しかも私はバスで駅と反対方向に回り込んで歩いて帰っていこうと
考えていたため、帰れなくなってしまいました。
仕方なく鬼ヶ城の入り口まで戻り、急遽山越えコースへ。
鬼ヶ城の入り口から松本峠という峠を越えて
熊野市の街へ向かう道(これも熊野古道)があるのですが、
そちらへと入っていくことにしました。
熊野市発名古屋行きの最終電車は、17時48分発。
これに間に合わないと、私は家に帰れません(泣)
なので峠道を危ないぐらいの猛ダッシュ!
どうにか電車に間に合ったモノの、最後はスリル満点の旅でした。
名古屋からは新幹線で東京へ。ゆったりと旅の余韻に浸った夜でした。