Amazonお坊さん便で話題のみんれびが、10億円の資金を調達したよ
ビッグニュースが出ましたね~。Amazonで注文し、定額でお坊さんが派遣されるサービス『お坊さん便』を手掛け、僧侶の皆さんをいつもざわつかせている株式会社みんれびが、総額10億円の資金調達をしたとプレスリリースされました。
「シンプルなお葬式」や「お坊さん便」をはじめとする葬儀関連事業の拡大にあたり、グロービス・キャピタル・パートナーズ、Spiral Ventures Japan、みずほキャピタルを新規引受先として迎えるとともに、既存投資家であるグローバル・ブレイン、三井住友海上キャピタル、SMBCベンチャーキャピタルを追加の引受先として第三者割当増資を実施いたしました。あわせて、日本政策金融公庫より資本性ローン及び新株予約権付融資を組み合わせた借入を実施し、総額で10億円の資金調達を実施いたしました。
まあ、葬儀市場は旅行市場と並んで成長著しい産業なので、金融界のアクセルも力強く踏まれるようです。以下は以前にまとめた葬儀業界全体の売上高と取扱件数の推移についてのグラフです。
このグラフの詳細は、以下をご参照ください。
10年で2倍以上に拡大している葬儀という成長産業。そして右肩下がりの結婚式市場。
大資本によるパッケージ化が広がる中で
葬儀の規模縮小や直葬の増加は、檀家さんからのお布施が経済的柱のお寺社会にとって、大きな関心ごとになっています。そしてこれからますます市場拡大と、一件当たりの小規模化は進んでいきます。
つまり大きな資本を投入し、効率的にパッケージ化されたサービスがますます幅を利かせるということです。みんれびの事例一つ取っても、この流れは避けられないでしょう。
まあ、それに対するカウンターを作るとしたら、こんなことしたらいいんじゃないかと言うのは以前にブログに書きましたが。
Amazonの僧侶派遣に対抗したければ、死を細分化すればいい
そしてほーりー自身は直葬の増加やお坊さん便自体は反対ではないですが、個々人がお金や心の問題と向き合う中で、自分にとって最適な選択肢が見つからないことは問題だと考えています。
具体的に言えば、お寺とお付き合いのない人が、お布施の理念だけ突き付けられても戸惑ってしまいます。一方でそこから逃げたら、とにかく安くて手間のない葬儀だけになるのも釈然としません。
従来のお寺との関係を維持したい方は、檀家として付き合っていけばよい。忙しくて景気もけっして良くない世の中、時間とお金をかけずに済ませたい(または済ませざるを得ない)方はそれでもいい。しかし従来のお寺との関係もなく、手早いだけでも心の収まりがつかないという方は、また違った模索が必要です。
そこで私は第三局として「人とお寺をつなぐお墓」を提唱し、女性目線でお参りしやすいお墓を開発する株式会社アンカレッジの顧問を務めています。
こちらは女性目線でこだわりのお墓を作ることで価格帯を上げ、お金をかけてでも故人と向き合いたい人が集まるお寺を生み出しています。そして高額な分、お坊さんも購入者とコミュニケーションを取ることが求められ、それが宗旨不問で販売しても7~8割以上もの方がそのお寺で法要を挙げる実績につながっています。
このアンカレッジの樹木葬は、以下に詳しくまとめているのでご興味あればご覧になってみてください。
駐車場3台分の土地で1億円以上の大ヒット。お寺の樹木葬を改めて紹介
葬儀の直葬やお墓の機械式納骨堂のように、安さを売りにしたものはこれからどんどん広がっていくでしょう。一方で規模としては小さいですが、アンカレッジの樹木葬のような個人の心にカスタマイズされたものも増えていきます。
そして古くからの檀家制度による葬儀も、一定の規模は保つはずです。この三者はどれが良いというわけではなく、どれを選んでも上手くいくところといかないところの差は激しくなっていきます。
みんれびの資金調達はそんな新しい時代の号砲を鳴らす、分岐のニュースになっていくと感じました。