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和空法隆寺の誕生を、奈良県知事が熱く応援!

01.宿坊
 

和空法隆寺

先日、奈良県斑鳩町にある法隆寺すぐそばに建てられた、門前宿・和空法隆寺の開業記念レセプション&プレス内覧会に参加してきました。

大阪の和空下寺町、滋賀の和空三井寺に続き、和空シリーズは3軒目。このコンセプトなどは、以下の記事にまとめていますので、ご参照ください。

ディープに奈良が味わえる『門前宿 和空法隆寺』がオープンします!

簡単にまとめると、「門前宿」の名が示す通り、門前活性化を目的とした宿です。伊勢神宮のおかげ横丁や浅草の仲見世など、大きな寺社のそばには賑わいある街がありますが、法隆寺の門前にも宿泊できる場所が生まれれば、必然的に参拝や観光の滞在時間は伸びていきます。

さらに法隆寺は広大な敷地を持ち、日本のお寺の中でも国宝所持数がナンバーワン! 五重塔と金堂が並び建つ美しい建築の数々や、飛鳥彫刻を代表する百済観音など、建築や仏像ファンの心を捉えて離しません。ほーりーにとっても、境内に立つだけでワクワクが止まらない場所です。

でもそんな法隆寺だからこそ、日帰りツアーで2~3時間回るだけなんて、もったいなさすぎます。だって建物だけで国宝が17軒もあるんですよ。東京は都内全てで国宝建築が1軒(東村山市にある正福寺地蔵堂)しかないのに、法隆寺は国宝だらけで感覚がマヒしちゃうのか、みんな素通りしていきます。

なので法隆寺を味わいつくそうと思ったら、やっぱり近くに泊まって時間をたっぷり使わないと無理なわけです。そこで門前を盛り上げながら、お寺と人をつなぐ宿にもしていこうというのが、この和空法隆寺です。

和空法隆寺の誕生を、奈良県知事が熱く応援!

そして今回の開業記念レセプション。登壇者には元地方創生担当大臣の山本幸三議員や、全⽇本料理師協会名誉会⻑の神⽥川俊郎さん(和空法隆寺の料理監修)など、すごい方が並んでいました。ただその中でも熱いメッセージを語られていたのが、奈良県知事の荒井正吾さんでした。

荒井正吾・奈良県知事

もともと奈良は宿泊施設やナイトスポットが少なく、旅行者が日帰りで帰ってしまうことが観光課題として挙げられていました。

去年の朝日新聞の記事ですが、

奈良県にはのべ4万8千人が訪れ、伸び率では大阪府(3・0倍)や京都府(2・6倍)、兵庫県(2・5倍)を抑えて最高だった。

 一方、滞在時間は大阪府が61・4時間で1位。京都府(30・2時間)、滋賀県(10・5時間)と続き、奈良県は4・6時間で最短だった。奈良市を訪れた旅行者の7割弱が大阪府、2割強が京都府に宿泊しているのが理由とみられる。

と、あります。

せっかく大勢の方が奈良まで来ても、滞在時間が4.6時間では大仏を見るのが精一杯です。

しかし奈良には魅力的なお寺や神社が京都に負けないくらいたくさんありますし、奈良県としても特色ある宿泊施設は願ってやまないことなのでしょう。

和空法隆寺の客室

荒井県知事も社寺観光というコンセプトができてきたことに対して、感激していると述べられていました。また奈良県ではこの社寺観光への考え方を変えているところであり、神社やお寺に人が来て門前が流行るのではなく、門前を活性させてそれがお参りにつながるように仕掛けているそうです。

お坊さんの法話で大人気の薬師寺や、最近はインスタグラムで話題になっている長谷寺のような、精力的な奈良のお寺の活動ももちろんあります。しかし県としては門前こそ主体的に関われる舞台であり、入り口に賑わいを作って社寺と共創していくことが、ひとつの大きな戦略ということかもしれません。

和空法隆寺は用途制限の緩和によって生まれた宿

そしてその考えを象徴していたのが、今回の和空法隆寺が生まれた背景として2014年に斑鳩町の条例が変わり、⽤途制限が緩和されたことでした。

和空法隆寺はこの条例改正で生まれた第一号ホテルですが、ここからも地元に宿泊施設を呼び込みたいという熱い想いを感じ取ることができます。

荒井県知事に続いて、中⻄和⼈・斑鳩町⻑や坂⼝徹・斑鳩町議会議⻑、浦⼝隆・斑鳩町観光協会会⻑が、同じくこの法隆寺周辺の通過型観光の流れを変えて、足を止めて頂く場所となることに期待を述べられていました。

日帰りと宿泊では、その地域への文化伝達度が異なります。館内には法隆寺を建立した聖徳太子に関する書籍や漫画も置かれています。以前、全国寺社観光協会の会報誌・寺社Nowにほーりーがプロデュースした「お寺の漫画図書館」を応用したら面白いという話を書いたことがあるのですが、もしかしたらそれがここに採用されたのかもしれません。

聖徳太子関連の書籍や漫画

またスタッフの方に話を聞くと、宿泊者には夜に法隆寺の見どころを紹介する時間を設けて、翌日の参拝につなげたいという構想を語られていました。ギャラリーバーも開かれるそうですし、法隆寺や仏教について学べる様々なイベントも企画されると思います。

和空法隆寺のギャラリーバー

さらに述べれば、日帰りと宿泊では地元への経済効果にも大きな差が出ます。これは感覚的にも納得の話でしょうが、観光庁の旅行・観光消費動向調査の平成29年年間値(確報)によると、日本人国内旅行の一人1回当たりの旅行単価は、宿泊旅行が49,732円、日帰り旅行が15,526円とのことです。

つまり日帰りが宿泊に変わると、平均的に3.2倍は消費額が上がるということですね。また和空プロジェクトの熊澤克己社長の話によると、この和空法隆寺のスタッフは30名いて、ほぼ奈良県の方を採用されています。

食事にも大和牛などのブランド食材や、地元の野菜がふんだんに使われるそうですし、奈良県の経済にも寄与していきそうです。

和空法隆寺の料理

ということで、、、

当日はこれ以上ないくらいの青空の中、晴れやかにテープカットも行われました。

和空法隆寺のテープカット

その後はプレス内覧会が行われ、ほーりーもせっかくなのでお香作りの体験をさせて頂きましたよ。

和空法隆寺のお香づくり体験

そして終わった後はもちろん、法隆寺をお参りさせて頂きました。あ~、この美しい建築は染み渡ります。

法隆寺の金堂と五重塔

大宝蔵院では法隆寺に伝わる仏像や文化財も多数拝観。特に印象的なのは、やはり百済観音ですね。写実的な近世の仏像とは異なり、人体とは明らかに異なる身体つきなのに神々しさが際立つお姿。久しぶりに拝ませて頂きましたが、いつ来ても特別な仏様でした。

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荒井正吾・奈良県知事

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