浄土真宗の良いところを聞かれたので、答えてきました
先日、大阪の南御堂さんで、浄土真宗(真宗大谷派)のお坊さん達を前に講演してきました。タイトルは『お寺は外からこう見える ~浄土真宗編~』です。
京都・東本願寺で最初に講演して以来、3回目のこのタイトル。西本願寺や鹿児島で行ったショートバージョンも含めれば、5回目となりました。
講演録は東本願寺のサイトからダウンロードできますので、ご興味ある方いましたらご覧下さい。
大まかに内容を説明すると、外から見た浄土真宗のお寺の入りやすいところ、入りにくいところを羅列し、新しい人を真宗の教え(の入り口)に導く方法として5つのステップにまとめたものです。
今回の大阪講演ももともとは上の講演録をご覧になったお坊さんから、うちにきて同じ話をしてほしいという依頼でしたし、質疑応答や懇親会での話を聞いても、それなりにご好評頂けたかなと思っています。
浄土真宗の良いところを聞かれたので、答えてきました
それでこの講演が終わった後ですが質疑応答の中で、「浄土真宗の良いところを教えてほしい」というものがありました。
講演内でもいろいろ話したり、家に帰ってから思いついたものもあったので、今回はそこから3つ挙げてみます。
なお、教えの良さは私が語っても釈迦に説法なので、あくまで外から見たお坊さんが語らなそうな魅力ポイントです。
外と交わるお坊さんが多い
浄土真宗のお坊さんは活発な方が多いというのが私の印象です。
これはお寺の外で独自の活動をしている方が多いという意味でもありますし、超宗派のお坊さんの集まりに対しての参加率が高い意味もあります。こうした方を講習の中では10人以上、紹介させて頂きました。
ほーりーは宗派問わずで様々なお坊さんの集まりに顔を出していますが、そこで浄土真宗のお坊さんに出会うことはよくあります。
もともと日本で一番お寺の多い宗派ということもあり、お坊さんの数自体も多いですが、それでも積極的に外に出る文化があるのかなと感じています。
仏前結婚式に有利
以前にブログでもまとめたのですが、浄土真宗は他宗と比べて仏前結婚式で一歩リードしています。
記事内ではその根拠として、以下の5つを挙げました。
1.そもそも宗祖が結婚している
2.東京でリードしている
3.地方でも仏前結婚式を行っている
4.お寺の外に伝える分かりやすいシンボルがない
5.そして、京都に帰結する
もちろんリードしていると言っても、日本の結婚式全体では1%未満しか仏前結婚式は行われていません。はっきり言えばどの宗派もどんぐりの背比べです。
が、もしも本気を出してプロモーションをかけていくなら、浄土真宗は真っ先に飛び出せるポジションに(今は)ついています。
浄土真宗の宿泊イベントが増えてきた
これは講演では話しませんでしたが、終わってからふと思いついたので、追加で挙げます。最近、浄土真宗の宿泊イベントが増えてきました。
もともとお坊さんや門徒さんが一緒に泊まり、座談を大切にする文化はありますが、一方で浄土真宗って他宗と比べて一般の人が泊まれる宿坊が極端に少なかったりします。
以下は以前に作った宗派別の宿坊数と全国の総寺院数当たりの宿坊率。
詳細は以下の記事をどうぞ。
上記のグラフのように、浄土真宗は宿坊数でも宿坊率でも寺院数の多い宗派の中では最下位です。
が、このところ一般の人を対象にした宿泊イベントが増えてきています。もともと最初に私が東本願寺さんに呼ばれた時も、関係者のみの研修施設だった同朋会館を外にも開きたいという相談を受けたことが始まりでした。
そして生まれたのが、『東本願寺に泊まって学ぶ親鸞講座』です。
また、今年に入って名古屋にある真宗大谷派・名古屋別院(東別院)さんでも、宿泊イベントが企画されました。こちらも企画された方からご連絡頂いたので、ブログで紹介しています。
後はこの前、大分に行った時に真宗大谷派四日市別院で、宿泊イベントのフライヤーを発見しました。
浄土真宗のお寺さんから宿坊を作りたいという相談もほーりーは複数頂いていますし、今回の講演会場となった南御堂さんでも山門一体型ホテルという新たな分野で事業計画が進んでいます。
法話や座談を初心者向けにアレンジすれば、宿坊は浄土真宗にとってキラーコンテンツとなる分野です。
ということで、、、
最近、浄土真宗のお坊さんが出てくる漫画が増えてきたとか、語ればまだまだ小ネタ的なものはありますが、とりあえずこんなところで。
これまで門徒さんの基盤ががっちり固まっていただけに、浄土真宗は世の中のダイナミックな動きに一番さらされていくのかもしれません。
ただ親鸞聖人はもともと「親が亡くなったからお寺を建てよう」ということができる人しか仏教に近づけなかった時代に、誰でもできる仏教を広めたからこそ多くの人に信仰されました。
であれば今の時代で一番入りやすい仏教を作ることは、その精神を受け継ぐことにもつながるのではと(これは、外部の人間の希望ですが)思っています。
最後に「お寺やお坊さんは皆さんが考えている以上に、多くの人から期待の目で見られています」というお話をして締めさせて頂きました。
後で聞いたらこの研修会で一つ前の会の講師だった方も、同じ言葉で終わったとのことです。
そしてこの写真(京都・東本願寺同朋会館のお風呂)を出したら、聴講者の大半の方が入ったことがあるとの答えでした。
無限大の形をしたお風呂。こんな何気ないものひとつとっても、ほーりーから見れば可能性の象徴です。
外からの期待と内からの想いがどのように結びついていくか。今後の浄土真宗に注目です。