美坊主コンテスト優勝者が髪を伸ばした理由が勇ましすぎる!
昨年、物議を醸した美坊主コンテスト。今年もエンディング産業展で行われました。
エントリーしたお坊さんは5名。そして当日の台風直撃により会場に到着できない人が出て、実際に出場したのは3名。天気はともかく、やっぱり去年よってたかって叩かれたせいかな~。だいぶ少なくなりました。
去年、美坊主コンテストを批判する人を批判したほーりーの記事はこちら。
やっぱり、こうなっちゃうんですよね。
それはともかく。
美坊主コンテスト優勝者が髪を伸ばした理由が勇ましい!
今回、面白かったのは、優勝した大澤香有さんのトークでした。私がいいなと思ったのは、8年前から剃髪していた髪を久しぶりに伸ばし始めたとのこと。
私は東京禅僧茶房で大澤さんをお見かけしたことがありましたが、そのときは確かに坊主頭でした。
エントリー者の顔写真でも、髪を剃っています。
しかし当日の大澤さんはこちらです。
短髪ですが、だいぶ印象は変わりますね~。そしてこの髪を伸ばした理由についても、壇上でお話がありました。
大澤さんはなぜ髪を伸ばし始めたのか? それは髪を剃っていると周りから特別扱いを受けすぎるため、伸ばした上で僧侶として何ができるか試してみたかったとのことです。
これは何となく分かります。単に髪が薄くなってきたので、面倒くさくなって丸刈りにした大ざっぱな私でさえも、「ありがたさが増した」と言われることがあります。中身は何も変わっちゃいないのに。
それが本当のお坊さんであり、かつ女性だったら、その姿だけで一般の人と線を引かれることは容易に想像つきます。
そう言えばいつだったか、尼僧落語家の露の団姫さんが、髪を剃ったら子供たちから憐れんだ目で見られるようになったと言っていた気がする。ちょっと正確な表現は覚えていませんが、これも似たようなものでしょう。
そうした特別扱いへの違和感が大きくなって、8年間続けた剃髪を今年からやめてみた。お坊さんとして新たなステージに入られたということですね。
ほーりーが考える、完成されたスタイルを壊す大切さ
大澤さんのお話を聞いた時、思い出したのはブラジル・リオデジャネイロのオリンピック卓球・女子団体で銅メダルを獲得した石川佳純選手のことです。なんかもう9年前の記事ですが、私はこの石川選手(当時、中学生)の事をブログに書いていました。
抜粋すると
特集では何度も「天真爛漫」という言葉で表現されていましたが、自分が興味を持った技をどんどん試して、取り入れてしまう。さらに難度の高い技も、大舞台でいともあっさり使ってしまう。
それは周りが見ていても冷や冷やするほどで、実際にミスにつながって負けることもあるそうですが、そんなことは本人はお構いなしに試していくそうです。
私はこのエピソードが大好きで、自分にもできる限り取り入れようとしています。宿坊研究会の評価が上がってきたときも、出会いのイベントなんて始めたらみんなにそっぽ向かれるよと言われながら、寺社コンをスタートさせました。そしてこの決断がなければ、きっと今のようにプロの寺社旅研究家として活動を始めることはできなかったでしょう。
先日書いたこの記事も、その現れのひとつかもしれません。
大ざっぱに言うと下降することを成長と捉えられるかどうかです。現状を維持すれば上手くいくものを、上手くいかなくなったとしても新しいやり方を選べるかどうかです。「自分を信じる」ってある意味、このことではないかと私は思っています。
大澤さんも剃髪していた方が、お坊さんとしては周りの期待に応えられる場面もあるでしょう。もしかしたら髪を伸ばしたことで出家者として意識が後退したとか、あからさまにがっかりしたとか、そうした目で見られたりするかもしれません。
ですが8年も続けたお坊さんとしての完璧なスタイルを崩すことができる。自分の中に湧きあがった課題に真正面から向き合うことができる。これはもしかしたら僧侶になって初めて髪を剃髪した時以上に、周りへの説明が難しい分勇気ある決断ではないでしょうか。
ということで、終わった後2ショット写真を撮って頂いちゃいました。
優勝、おめでとうございま~す!