宿坊で宿泊者が壊した物を保障する「テラハク保険」がプレスリリース!
ほーりーが顧問として関わっている『宿坊創生プロジェクト』。
この取り組みは『全国寺社観光協会』が監修し、宿坊の設計や運営を『株式会社和空プロジェクト』が、企画やプロモーションを『株式会社和空』が担っています。
去年の宿坊スタートアップミーティングで出された説明図を見ると、こんな感じです。
そして今回は図の右側。株式会社和空より、面白い発表があったので紹介します。
株式会社和空より、「テラハク保険」がプレスリリース!
先日、全国寺社観光協会のサイトで、「新サービス「テラハク」のプレスリリースを発表いたしました」という、記事が上がりました。
こちらをざっと紹介すると、
○株式会社和空と東京海上日動火災保険株式会社が提携
○全国各地の宿泊できるお寺をWebやスマホで検索・宿泊予約できる新サービス『テラハク』(terahaku.jp )の公開に向けて本格始動
○宿泊者があやまってお寺の財物や設備什器を壊してしまった場合に保険金をお支払いする「テラハク保険」を予定
というものです。
なぬー! 「テラハク保険」。これは宿坊が広まる上で、期待の持てるシステムではないでしょうか。
実際にほーりーも宿坊を開きたいというお寺から相談を頂くときに、
「部屋や建物が傷つくのではないか」
「火事が起きたら大変なことになる」
「文化財が壊れたら取り返しがつかない」
といった言葉を聞くことがあります。こうした心配に応える上でも保険は役に立ちます。
宿坊の保険で考える要素は2つあります。
○ひとつは「文化財」としてかける保険
○もうひとつは「宿泊施設」としてかける保険
です。
「文化財」は壊れたり失われたりすれば、金額的にも大きな損失となります。このため現在でもお寺の本堂などにかける保険はありますが、一般的にはかなり高価です。
そしてもう一つ。「宿泊施設」の損害保険には、旅館やゲストハウスにかける保険があります。これは宿泊者がモノを壊した時の保障もありますし、逆に宿泊者に怪我を負わせた時や預かった荷物を紛失した時などにも適用されます。
宿坊の場合は、文化財クラスの部屋に泊まるケースはまれでしょう。ただし宿泊施設のそばに貴重な建物があるとか、朝のお勤めに参加したりなどで、文化財にふれる機会は少なくありません。このため画一的なホテルと違って、総合的にリスクが判定される保険にはなっていきそうです。
保険で見落とされがちな、リスクを判定する要素
保険には引き受けた物件のリスクがどの程度あるか、判定する要素があります。生命保険に加入されている方であれば年齢や健康調査の結果、過去の疾病状況など、身体的な状況を保険会社に提出した覚えがあると思います。アレです。
一般的な住宅の火災保険や地震保険であれば、木造・鉄筋などの造りや築年数などにより、ある程度の見積もりは出てしまいます。
が、お寺や神社の損害保険となると、一件一件がカスタマイズです。専門家が詳細な調査をした上で保険料が決まっていくことが普通です。なので調査費用がかかることはもちろん、契約締結までにも時間がかかることは往々にしてあります。
しかし今回、提携が発表された東京海上日動火災では『伝送鑑定』というものが行われています。これは聞き取り調査と物件の写真で鑑定を行い、その結果を元にスピーディーに建物の損害保険契料を算出するものです。
その意味では寺社建築の損害保険についても先進的な手法を用いている会社であり、こうした技術も場合によっては「テラハク保険」に使われるかもしれません。
ということで、、、
今回は『テラハク保険』について、考えたことをまとめてみました。
はっきり言って「テラハク保険やるよー!」というだけの情報しかないので、内容は大きく的を外しているかもしれません。
が、私はお寺や神社での宿泊にこうした保険によるサポートがあれば、宿坊をやってみたくなる寺社も増えてくるのではと予想しています。
あとついでに東京海上日動火災保険と言えば、最近はプロ野球やJリーグで獲得した選手がけがなどで長期離脱した場合に対応した「選手不稼働対応保険」が話題になりました。
この保険は、東京海上日動火災保険が2月に販売を始めた「選手不稼働対応保険」。チームが加入すると、対象の選手がけがや病気で長期離脱した場合、離脱期間の年俸と代替選手の獲得に要する費用を年俸の8割を上限に支払う。保険料は年俸の数%程度で、選手の年齢やポジション、過去の負傷歴などをもとに算出する。
保険って細かく見ると、実はすごくいろんな分野に及んでいます。その波が宿坊にも来たかという感じですね。
上記の保険も
保険を契約したある球団は「保険でリスクをカバーすれば、失敗を恐れずに積極的な補強ができる」と説明。東京海上は「人気選手の離脱はリーグ全体の衰退にもつながる。保険によってスポーツ産業の活性化に貢献したい」としている。
という、双方のコメントが出ていました。リスクの適切なコントロールが業界全体を活発にしたものは世の中にたくさんあるのです。
ということでまだまだ謎の『テラハク保険』ですが、今後の展開にはアンテナ張っておきたいです。