前作より踏み込み、お寺の奥さんの実態をまとめた『お寺のリアル2』
浄土真宗のお寺の奥さん(坊守さん・若坊守さんなど)が集まる、オンラインサロンのお寺マダム。こちらはお寺の女性が悩みを共有したり、情報や意見の交換を目的としたコミュニティです。参加には以下の条件が挙げられています。
○浄土真宗の方
○現在お寺の若坊守または坊守の方
○お寺に嫁ぐ予定(婚約中)の方
○年齢が20~50歳の方
詳細は以下のリンク先をご覧ください。
そしてこちらから以前、『お寺のリアル』という本が出版されました。
今回は新たに2冊目となる『お寺のリアル2』が発売されたということで、紹介させて頂きます。
孤独に奮闘しているお寺の奥さんの実態をまとめた『お寺のリアル2』
この本は前書き部分に、前作で「もっと生々しい話も知りたかった」という声があったことが記載されています。
もともとお寺の奥さんは黒子的な立場を担うことが多く、またそれぞれのお寺によってお坊さん以上に受け持つ役割が千差万別なため、「これがお寺の奥さん像です!」というものがとても見えにくい存在です。ですがその中でもお寺の奥さん50人からのご意見やアンケート結果などを元に、その実像に迫っていたのが前作です。
しかしそれを読まれた方の「もっと生々しい話」を求める意見は、お寺での生活に切実な悩みを持たれている方が、さらなる具体例を知りたいという部分もあったのかもしれません。そこで今作ではその期待に応えて「前作よりも踏み込んだ内容でお届けしたい」という書き出しから始まりました。
そして本章では実際にお寺の奥さんが奮闘する事例が挙げられていましたが、「うつを患ってしまった方」「先代からの法務引継ぎで苦労された方」「死産を経験された方」などが紹介されています。
またお寺の奥さんからのアンケートには「寺族間の関係は良好ですか」「待遇に納得していますか?」「今なら話せる失敗談は」など、なかなか日常的には聞きにくい項目が書かれていました。
もちろんお寺の奥さんが前向きに歩んでいけるよう、基本的には希望を持ってまとめられたものです。ただそれでも読んでみた感想としては単純に甘いことばかりではなく、厳しい部分や影の面についても前回以上に「踏み込んだ」印象です。
そんなわけで今回もまたお寺マダムの主催者であるリンゴさんに、この本を書かれた想いやメッセージをお聞きしたのでお知らせします。
お寺マダム・リンゴさんからのメッセージ
3年前に発売した書籍「お寺のリアル」ではお寺の坊守とは? という基礎情報や皆さんの生活の実態をアンケート結果を交えてお伝えしました。
その中でも5名の坊守さんにヒアリングしたインタビュー記事が個人的にとても面白かったのです。それぞれお寺の状況下は違えど、リアリティのあるお話に勇気を頂きました。それほどお寺の内部で起こっている事は世間に知られることは無く、その状況がますます井の中の蛙という環境を作ってしまうのだと痛感しました。「お寺の常識」と思っていたことが実は「自坊の勝手な常識だった」という事は往々にしてあるのです。
今回のシリーズ2作目「お寺のリアル2」では1作目より、さらにリアル度を追及しました。書籍を通して寺族の皆さんの頭をほぐしていただき、他のお寺の状況を知ることで現在地点を確かめ、今後のビジョンを考えていただきたいです。今回はグリーフケアや終活についても触れました。書籍全体を通して「お寺のやり方より、寺族のあり方が重要」だと感じて頂けると思います。
ということで、、、
ほーりーはこれまで北海道から九州まで、お寺の奥さん向け研修会で講師をさせて頂いたり、様々なお寺の奥さんを取材してきたりしました。そして来月にはまた、お坊さん&女性の婚活イベントも開催予定です。なのでこちらの本は勉強になる話が満載でした。
事例は全て浄土真宗の奥さんですが、他宗派の方も思いっきり参考になるものです。もしも似たような立場で悩まれている方や、お寺の女性がどんな想いを持っているか知りたいお坊さんがいたら、きっと大きなヒントになります。
Amazonのリンクも下に貼っておきますので、ご興味ある方いましたらぜひご覧くださいませ。