体験を増やすことで笑顔が増えて仏教も伝わる、本光寺のお寺づくり
ほーりーが企画作りで関わっているお寺の一つに、千葉県・本光寺があります。こちらには定期的にお伺いしていますが、行くたびに境内に新しいものが増えているので、尾藤住職の熱心さにはいつも圧倒されます。
そもそもこのお寺は、「笑顔になれる場所」を目指して走り続けてこられました。お寺の前にはそんなキャッチコピーも掲示されています。

まただいぶ前ですが、2010年に公開されてバズったお寺動画で、住職が「元気をもらいにお寺に来てもらいたい」「公園みたいになればいい」ともお話しされていました。
そんなわけでずっとずっと「笑顔になれる場所」作りをしている本光寺ですが、その一環として境内には様々な体験コンテンツが作られています。そこで今回はこれらを一気に紹介します。
体験を増やすことで笑顔が増えて仏教も伝わる、本光寺のお寺づくり
縁切りダーツ

まずは縁切りダーツです。こちらは的に刺さった場所に書かれたものと縁が切れるというもので、弓矢で鵺(ヌエ)を退治した縁切りの神様・源頼政公にあやかって製作しました。
縁切りというと、ちょっと怖いイメージがあります。もちろんそれだけ真剣で深刻な話も多く、本光寺では相談を受け付けられています。しかし縁切りをもうちょっと親しみやすいものにもしたいと、この縁切りダーツを考案しました。
明るい縁切りを目指す、本光寺の縁切りダーツをプロデュースしたよ
スマホやゲームといった依存しがちなものだったり、上司や部下など人間関係だったり、怒りや悲しみなどの感情だったり、自分が思ってもいなかったものにダーツが刺さると、日常を見直す機会にもなります。
こちらは大人から子どもまで、お参りされている方がいつも楽しそうに遊んでいますし、昨年にはテレビ朝日『ナニコレ珍百景』でも取り上げられました。
縁結び輪投げ

縁切りダーツの対面には、対をなすように縁結び輪投げがあります。こちらは出会いや友情、家族や幸福など、上手く輪に入ると縁が結ばれるというものです。
住職とお話ししていた時も、縁は「円」にもつながるし、輪は「和」にも重なるので、遊ぶだけでポジティブで幸せになれるような縁結びの輪投げが良いのではと設置しています。
かわらけ割り

縁切りの神様が祀られているお堂の前では、悪縁切りのかわらけ割りを行うことができます。こちらは他のお寺や神社で人気になっていたので、住職との会議で提案させて頂きました。
戦国時代に武将が戦勝祈願に盃を地面に投げつけたことに起源を持ち、江戸時代には庶民に広がりました。災厄を移して割ることで厄祓いの意味もありますし、かわらけに切りたい縁や避けたいトラブルを書いて地面に叩きつけると爽快感があります。
縁切り破魔矢

縁切り系では自分の切りたい縁に矢を刺す縁切り破魔矢もあります。破魔矢自体、名前の通り悪いものを祓う力がありますし、弓矢の達人であった縁切りの神様・源頼政公にもあやかることができます。
縁切りダーツも最初は弓矢で考えていましたが、変なところに飛んだら危ないよねということでダーツになりました。しかし破魔矢であれば危険はないですし、こちらもたくさんの方が祈願されています。
幸せの導き祈願

本堂前には「みちびきの門」があります。こちらは花崗岩と砡(ぎょく)の彫刻で構成された「悪縁切り良縁結びの原点」という作品で、専用のお札に願い事を書いて門の中を通り抜けた後、札を張り付けて祈願します。そして最後に感謝の挨拶をして終了です。
ちなみにこちらは、京都の縁切り神社として有名な安井金比羅宮の「悪縁切り良縁結び(碑・札・動作)」を制作された方が作られています。
五行のパワースポット巡り

本光寺には五行のパワースポット巡りがあります。開山してから700年近くの間、水が湧き出る「きずな之湧水」。一度は伐採されたものの、切り株から新たに芽生えた「蘇りの御神木」。大地震などの被災者供養で江戸時代後期に建てられた「慈愛之塔」。そして本堂に安置された炎を背負った不動明王と、金色の大古久天。
こちらを「木火土金水」の順にお参りするパワースポット巡りは、本光寺の巡礼コースとして案内されています。
世界平和を祈る鐘

梵鐘や半鐘があるお寺はよくありますが、本光寺はちょっと変わったスタイルです。その名も「世界平和を祈る鐘」と名付けられ、一人では鳴らすことができない高さに設置されています。
なのでこちらは2人で協力しながら、打ち鳴らします。まさに平和でないと鳴らせない鐘ですね!
願い事別にお金を入れるお賽銭箱

欲しいものや形にしたい夢を明確に意識することは、ものすごいパワーを持ちます。そんなわけでお賽銭も漫然と入れるだけでなく、願いと向き合う場にしてほしいとほーりーは考えています。
そんな想いを語りながら住職と一緒に考案したのが、願い事別にお金を入れるお賽銭箱です。縁結びや家内安全、厄除け、交通安全、先祖供養、ペットなど、木枠で区切ることでご利益別にお金を入れられるようにしました。
本光寺のお賽銭箱にはもともとお参りの作法やお願い事の仕方を説明する案内板がついていましたが、これによってさらに心を込めて祈れるのではと思います。
浄土ポスト

本光寺には亡くなった方に手紙を送る、浄土ポストがあります。こちらは水子さんや小さなお子さん、そしてペットたちと本光寺のキャラクター・木魚のぽっくんが描かれています。
悲しい気持ちを文章にすることで癒されることもありますし、またそれがお寺や仏様を通じて大切な相手に届けば、それが救いにもなるでしょう。
ちなみにこちらには「普通の郵便物は入れないでください」と注意書きも書かれています。
お百度参りの石

これまでちょっと奇抜なものや新しいお参りポイントを紹介してきましたが、本光寺では伝統的にお寺で行われてきた体験も用意されています。その一つがお百度参りです。
本堂で南無妙法蓮華経と唱えて願い事を口にして、石を使って回数をカウントします。そしてこれを繰り返すことで願いが叶うと云われています。
百回も続けるのは大変ですが、それだけ口に出して心にも刻み付ければ、願いもばっちり叶いそうですね。
本堂の数珠

本光寺では本堂に入ってお参りする時は、数珠を持つことが必須とされています。しかも数珠を持っていない方には、500円でレンタルもされています。
ほーりーはこれまで1000カ寺を超えるお寺に出かけていますが、ここまでしっかり要求されているお寺は他に見たことがありません。ただそれだけに、お参りさせて頂くときはいつも背筋が伸びます。
住職とのお話し

ここまでは基本的に、住職やお寺の方がいなくてもできるものばかり紹介してきました。本光寺はお参りされる方も多いので、人手をかけずにお寺で楽しんでもらったり、お願い事をして頂くことは、お寺を運営する観点からも重要です。
しかしそれとは別に、誰でも住職とお話しできる仕組みも設けています。上の写真は玄関に置かれているものですが、ちょっとした相談や質問などは話がしやすくなりますし、5分と区切ることで長話で時間が過ぎることも防げます。
またもっと時間を取って本格的な相談が必要な場合は、予約制でも受け付けられています。
と、いうことで、、、
本光寺に関してはこのブログでも様々な取り組みを紹介していますが、2019年には以下の記事を書いていました。
せまいと思われた本光寺の境内が、参拝者に広いと喜ばれだした理由
本来は町の小さなお寺ですが、境内にいろんなものを用意しているうちに、広いお寺ですねと言われるようなったという話です。そこで「情報量」や「滞在時間」が増えると、参拝者の満足度が上がるという心理を紹介させて頂きました。
そして滞在時間が延びれば、仏教についてもふれる機会が増えますし、人生について振り返る機会にもなっていくでしょう。また楽しかったという想いがあれば、繰り返しお参りして頂くきっかけにもなります。
2019年の時点でも境内にいろんなものがありましたが、それから5年以上経って本光寺はさらに進化を遂げました。これからまたどんなものが出てくるか楽しみですし、ほーりーもアイディアを絞りながら提案していけたらと思っています(ちょうど先日のミーティングでも、ある仕掛けについて話したら、早速取り入れたいと仰られていましたし)。
