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Amazonで派遣僧侶になるなら、地域おこし協力隊と組めばいいじゃない

01.宿坊
 

先日、東京・浜松町で行われた『平成27年度 地域おこし協力隊起業化・事業化に向けた研修会』に、講師として参加させて頂きました。

「地域おこし協力隊」とは、3年限定で過疎地域に移住する公務員のような制度。2009年に総務省によって制度化されたものです。

これ、すごいんですよね。地域の再生は現在の日本の課題にもなっていますが、そこに切れ込んで一定の成果を残していますし、移住したい方にとっては生活費を頂き、地域に貢献しながら、定住の足掛かりにしていけるわけです。

地域おこし協力隊

そして隊員数や受け入れる自治体は、開始以来ぐんぐんと伸びています。総務省の発表を私がグラフ化したものが以下の図です。

地域おこし協力隊の推移グラフ

さらに安倍総理も、3年間で今の1000人を3倍の3000人にすることを総務大臣に指示を出したいと発言されていたり。

地域おこし応援隊の若い皆さん、彼らが本当に地域で知恵を出して、そして、汗を流して、地域の皆さんと一緒になって地域の活性化に大きな役割を果たしていることを知りました。そこで、3年間で今の1000人を3倍の3000人にすることを総務大臣に指示を出したいと思います。

首相官邸

しかし、とは言え、縁もゆかりもない地域に飛び込み、3年という任期の中で定住の土台を作っていくことは簡単ではありません。今回の講習会でも冒頭で、地域おこし協力隊の任期後定住率は6割というお話がありました。

そんな中で私のミッションは、日本全国どこにでもあるお寺や神社と地域おこし協力隊が組み、事業を起こす可能性を提示すること。

地域おこし協力隊はもともと情熱あふれるメンバーが揃っていますが、ゲストハウスを作りたい、観光案内で起業したい、レストランやカフェをオープンさせたいというエネルギーに、「お寺や神社と組めばこれまでと違った町作りができるよ」というアイディアを吹き込めないかというのが発案でした。

そして私が示させて頂いたのが、以下の図です。

地域おこし協力隊と兼務住職

お寺A,Bを兼務している住職に、新たにお寺Cも管理してほしいという話が来た。しかし、そんなにたくさんのお寺を管理しきれないという話しはちょこちょこ聞きます。

そんなときに地域おこし協力隊が、お寺Cに入って宿坊として運営する。住職は(年に数回だけある)お寺の法事や、宿坊で宗教対応が必要な時にのみ顔を出し、施設管理は地域おこし協力隊に任せる。

これは住職にとっても、お寺Cの檀家さんにとっても、そして地域おこし協力隊に取っても良い関係が築けるのではないでしょうか?

また、もう一つのパターンとしては、すでに廃寺化しているお寺を地域おこし協力隊が宿坊にして、都心でお寺を持つことができずにマンションに住まれている僧侶が地方移住して住職になるという手もあります。

さらにこの2つの形を、組み合わせることもできます。お寺を持たない僧侶がお寺Cに入り、いきなり地域に溶け込むのは難しいので、お寺Aの住職と協力しながらお寺Cの宿坊にがっつり関わる。朝のお勤めや座禅、写経指導、法話などが定常的に行えれば、お寺Cの宿坊運営も軌道に乗りやすくなるでしょう。

先日、Amazonで注文できる派遣僧侶が、話題に上がっていました(それこそ、お坊さん世界ではとんでもない大騒ぎになっていました)。

「読経をしてもらいたいものの、お寺との付き合いがない」「お布施をいくら包めばいいのか相場が分からず不安」といった利用者がネットを介し、全国一律定額・追加料金なしで僧侶派遣を頼めるサービス。Amazon.co.jp上では「法事法要手配チケット(移動なし)」として、3万5000円で取り扱う。

その是非はここでは置いておくとして、私が面白なと思ったのは、facebook上のお坊さん達の賛成派 VS 反対派 の図式です。

特に賛成派は自分のお寺を持たない僧侶や、ご自身が派遣僧侶を行っている or 行っていた方が多くいました(当たり前と言えば、当たり前ですが)。

そしてそんな方の意見を拾い上げると、「読経の派遣サービスでも布教につながる」「そもそも世襲でお寺を持っている方は派遣僧侶を足元に見ている」「お寺を持たない僧侶は仏事に関わってはいけないのか」と、派遣僧侶とならざるを得ない状況が見えてきます。

もちろん派遣されてお葬式で読経されるお坊さんも、プライドを持って行ってはいるのでしょう。ですがもしも自分のお寺があり、お葬式や法要の依頼がたくさん入る状況であったなら、それを蹴ってまで派遣僧侶になる方は、ほとんどいないのではないでしょうか。

これはそうした方たちを揶揄するわけではなく、もうそろそろお葬式とは別の収入の道を作らないと、日本にはお坊さんは多すぎる時期に来ているのだと私は考えています。

たしかに入れるお寺があるからと言って、それが縁もゆかりもない地方の過疎寺院でも良いかとなると話は別です。ですがそれでもそこに食べていける手段があるなら、じっくり法を説ける土台ができるのならばと考える人もいるでしょう。

むしろこれから世界的に観光需要が激しくなることを考えれば、都会で毎日お葬式をするより、田舎で宿坊の住職になった方が、長期で見ればよっぽど経済的に安定したり、力強く仏教と人をつなげる可能性だって見えてきます。

地域おこし協力隊と宿坊創生プロジェクト。私も講師を依頼されるまで気づきませんでしたが、この組み合わせは実はとんでもない鉱脈なのではないでしょうか?

地域おこし協力隊の皆様

地域おこし協力隊の皆様には、『宗教とビジネスの可能性』というタイトルで30分ほど講演させて頂いた後、5時間くらいほぼぶっ続けで、マンツーマンで起業計画をお聞きしながら相談役を務めていました(ほぼ、乱取り状態)。

それぞれに赴任された地域を良くしたい、そして自分の夢も叶えたいという目標を持っており、大変な道でありながらも力強く歩まれている方ばかりです。

宗教とビジネスの可能性

私も話をしながらどんどん自分の中にアイディアが湧き出てきて、充実した講習会になりました。ちょうど別件ですが山陰のある地方で、お寺の方から地域おこし協力隊と組んでイベントを手掛けてほしいという依頼もあったばかりでしたが、寺社界もどんどんと手を結んでいけば面白いことになりそうですよ。

宿坊創生プロジェクトでも、ガンガン提案していきたいです。

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