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コロナ後の宿坊は、地方需要増大・宿泊費上昇・長期滞在化が進む

01.宿坊
 

おおま宿坊 普賢院の客室

 コロナウイルスによる混乱で、ほーりーの知り合いの宿坊にも影響が及んでいます。まあ、直近ではダメダメダメージですし、本当にシャレにならない状況ですが、それでもいずれ収束していくことは間違いないでしょう。

 問題はそれまでに経済がどれだけ被害を受けるかであり、収束後に少しでも早く回復していくことです。そしてそのためにも今から宿坊も、グランドデザインを描いていくことは大切です。

 コロナウイルス問題が過ぎ去った後(完全に消えることはないので、リスクが逓減していくという意味ですが)、ほーりーは社会の方向が大きく二つに分かれると考えています。

 ○コロナを経て変わるもの
 ○コロナを経ても変わらないもの

 前者の代表はテレワークです。今まで一つのオフィスに集まったり、遠くまで出張して会議に出ていたのが、在宅でも仕事可能と多くの人が認識しました。もちろん直接会わなければできないこともありますが、時間や交通費の削減などで利便性を感じた方は多いでしょう。
 
 これらはコロナが収束しても、一定の定着を見ると思います。しかし一方でコロナ問題が解決した後、元に戻ってくるものもあります。

 お寺で言えば、その一つは間違いなく宿坊です。Twitterでは現在、コロナ収束後にしたいことをまとめたイラストがバズっていますが、その中に「旅行」もきっちりエントリーしています。

 コロナ収束期を迎えた中国では、「リベンジ消費(報復性消費)」も始まっています。これは今までできなかったことへの需要集中ですが、その分野の一つとして旅行にも注目が集まっています。

 コロナ克服の中国、GW到来で爆買い、爆食、爆旅行

「爆旅行」に関しては、4月21日に中国最大の旅行代理店「携程」(シートリップ)が、「2020『五一』旅行消費新趨勢ビッグデータ予測報告」を発表した。そこには、「今回は私たちの今年初めての旅行なのだ」と感慨深げに銘打っていて、自由に旅行に行けるようになったGWを待ち望んでいた様子が、ひしひしと伝わって来る。

 つまり現地に行くことに価値があれば、コロナ後も戻ってくる。現地に行くことが義務的であったものは、コロナ後も遠隔で済む。もうちょっとシンプルに言えば、楽しければ行くし楽しくなければ行かない世界になるわけですね。

ウィズコロナ、アフターコロナの新たな旅行需要

 日本でもいずれ、大打撃を受けた観光業界への揺り戻しは来るでしょう。しかしその時、旅行需要は全体が一様に復活するものではなく、コロナ恐怖のマインドと混ざった上での回復となります。

 その意味で言えば、ウィズコロナ、アフターコロナの新たな旅行需要は、以下のものです。

 ○短期的には安心優先(3密回避)
 ○中期的には宿泊価格が上がる
 ○長期的には宿泊日数が延びる & 需要が分散される

 そしてこれらは全て、宿坊には有利に働くとほーりーは見ています。その理由を一つずつ述べていきます。

安心優先(3密回避)

 まず、言わずと知れた3密回避です。自粛期間が過ぎても、人々からすぐに恐怖心が消えるわけではありません。そこで3密(密閉・密集・密接)を回避した場所が、旅行先として選ばれます。

 具体的には東京や京都などの大都市より、人との接触が少ない地域が旅行の行き先に好まれるでしょう(離島などの医療体制が薄い地域は除く)。また宿泊施設としては、巨大なホテルより一日一組限定や数組程度の小規模な方が安心感は高まります。

 京都の各本山に併設された宿坊以外、都心部に宿坊が少ないことはこのブログでも何度か伝えてきましたが、むしろそれがこれからは強みになってしまうかもしれません。またビュッフェスタイルの食事や大浴場を備えた温泉施設が売りの宿坊もほとんどありませんし、宿坊の弱点は3密回避によって有利に働いていきます。

 あとは換気や消毒など、感染防止に向けた対策が重要になっていきますが、これらは宿坊に限らずどの施設でも行われますし、ノウハウは世の中に共有されていくでしょう。

宿泊価格が上がる

 最初の3密回避にも通じますが、ゲストハウスやカプセルホテルはこれから苦境に陥ります。実際に全国にラグジュアリーなカプセルホテルを展開していた株式会社ファーストキャビンが破産申請したことは衝撃的でした。また、ほーりーが何度か泊まった京都のゲストハウスからも閉館の案内が来ています。

 そう考えるとこれからドミトリー(相部屋)形式は勢いを弱め、宿泊事業全体の平均単価が上がることが予想されます。

 そして先日の記事にも書きましたが、しばらくは海外旅行が手控えられる反面、国内旅行が活況となっていきます。それは単純に言って飛行機代を抑えた分、宿泊費に振り替えられるということでもあります。

 アフターコロナの宿坊が、希望に満ちている理由

 実際に中国で起きた「リベンジ爆旅行」も、高級ホテルから予約が始まっているようです。この辺は経済(今後のコロナ不況)との絡みもありますが、あまりダメージを受けなかった業種の人から旅行需要が回復していくでしょう。

 宿坊も急にガツンと宿泊費が上がることはないでしょうが、価格帯がじわじわ上がることは考えられます。

宿泊日数が延びる & 需要が分散される

 これは働き方の変革が必要になるため、もうちょっと先の話かもしれませんが、ほーりーは長期的に旅行の宿泊日数が伸びていく&需要が分散されると考えています。

 その根拠となるのはテレワークの普及です。これまでは会社に行くことが前提の働き方だったので、日曜日の夜には嫌でも家に帰らなければなりませんでした。

 このため日本の観光産業の弱点として、連休やお盆時期に極端に需要が集中する点は指摘され続けてきています。

 しかし三密回避で需要集中はこれまで以上に、敬遠されます。しかしテレワークが発達すると、どうしても抜けられない会議の数時間だけオンラインで出席し、後は旅行を続けるという選択肢も生まれます。

 これは旅行者から見れば長期で日程を組みやすくなりますし、それはちょっとアクセスの不便な地域に出かけてみようという動機付けになります。

 そして需要も分散されるので、宿泊施設側としても安定して収益を上げやすくなります。以前、以下の記事を書いたことがありますが、スキー場や海の家より温泉旅館の方が圧倒的にサービスレベルが高いのは、後者の方が需要分散されているためです。

 スキーや海水浴と異なり、宿坊は季節で需要が変動しにくい

 お寺も土日に法事が集中する問題が指摘されていましたが、宿坊はこれらを補完する方策にもなっていくでしょう。

 土日は法事で忙しいお寺の、平日稼働率を上げる方法

 土日は法事で忙しいお寺の、平日稼働率を上げる方法2

ということで、、、

 上記で挙げたほかにも、これからフードデリバリー業界がどんどん発達していくことが見込まれます。これは自前で食事を作ることが難しいお寺が、素泊まり宿坊を作る上でのハードルを下げてくれます。

 コロナ問題は本当に深刻ですし、このピンチをバネにしていくことは並大抵ではありません。実際にこれまでせっかく火が付いてきた宿坊の勢いもしぼむ可能性はありますし、潰れていく場所も出てくるでしょう。

 それでも宿坊は単なる宿ではなく、寺社の精神を誰もが身近に感じられる場所であり、平安時代から続く日本の旅行文化でもあり、もしかしたらこれから生き方に悩む人が増えた時の人生を変えてくれる場所になるかもしれません。

 そんな宿坊が次のステージに向けて歩みを進めていくことは、多くの方に勇気をもたらしてくれます。ほーりーもそんな未来を夢見て、動き続けるつもりです。

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