民泊新法が施行間近。宿坊を作りたい方は寺社Now必見です!
昨年、公布された民泊新法(住宅宿泊事業法)。2018年6月にいよいよ施行されます。
宿坊にとって強力な追い風となりそうなこの法律にほーりーは大注目しているわけですが、全国寺社観光協会が発行する『寺社Now』の vol.17 でも、特集が組まれていました。
この民泊新法が成立した背景には、昨今の観光・ビジネスなどの活発化による、宿泊需要の増加があります。観光庁が発表した宿泊旅行統計調査(2017年10月)の客室稼働率によれば、
大阪府 84.4%
東京都 82.7%
愛知県 74.1%
福岡県 72.7%
京都府 71.3%
となっています。
ちなみに大阪のシティホテルに限って言えば、91.6%もの稼働率があったりします。そりゃー、価格高騰して宿泊難民が生まれたり、受験生が宿を取れなくて右往左往したり、毎月一度は関西に出かけるほーりーがじゃらんとにらめっこしたりするわけですよ。
そこに世界で広まりつつあるシェアリングエコノミーが到来し、民泊が一気に普及し始めます。民泊とは通常の旅館業許可を取得せず、個人宅やマンションの一室などに有料で人を泊める行為です。
日本ではこの形態は(農家民宿などの特例や国家戦略特区を除き)違法であったものの、先に述べたホテルが足りないよ問題の解消や、人口減少社会の中で成長産業となり得る観光への後押し、さらにはそもそも施行から70年も経った旅館業法では現状に追い付かないのではという指摘もあり、今回の法律改正となりました。
まあ、ホテルや旅館団体などとの綱引きもあったわけですし、こうした方々は多額の設備投資をして宿泊業を営んできたわけで、そこに対する配慮もいろいろ見られるわけですが。
ただ民泊は禁止したままにしても、地下に潜った人が増える一方ですし。夜中まで騒いだりゴミが散らかったり、あとは脱税の温床にもなるなどブラックになっていくだけなので、ここでひとつの線が引かれたのは様々な関係者にとっても良いことではないかなと思います。
宿泊料を10倍くらいにはね上げていた、濡れ手にあわ~な方々を除けばですが。
宿坊を作りたい寺社の方。今号の寺社Nowは注目ですよ!
それで今回の『寺社Now』。全国寺社観光協会が発行して初期のころはほーりーも宿坊をテーマにコラム連載していた情報冊子ですが、2018年注目ニュースとして民泊新法施行が取り上げられています。
こちらに書かれていた民泊新法の要点をまとめると
○旅館業は許可が必要だが、民泊新法は届出制
○営業上限日数は年間180日まで(自治体の条例により、変更あり)
○消防用設備は民泊使用部分が建物の半分以下、かつ50平方メートル以下であれば不要
○1人当たり3.3平方メートル以上の床面積が確保されれば、宿泊者数の制限なし
○フロント設置は必要なし
○最低宿泊日数の制限なし
○住宅専用地域での営業は可(自治体の条例により、変更あり)
というものです。
内容はある程度去年から出ていた通りで驚きはありませんが、やはりほっとしたのは「最低宿泊日数の制限なし」という項目ですね。
いや、2年前の議論では「7日以上宿泊する人のみ受け入れ可能にすべき」という、なんかすごい骨抜き案もあったので(去年の時点でも2泊縛りは話題に上がっていました)。
大田区の民泊解禁報道に浮かれたけど、よく読むと絶望的にナンセンスな件
あとは「営業上限日数は年間180日まで」という部分も、寺社には有利な部分です。マンションをどんと買い占めて闇民泊ビジネスに手を染める人たち(そういう方は、ちゃんと旅館業法に則ったホテルを経営すべき)を排除できる一方、普段使っているけど空いた部屋をちょっと貸すような民泊の理念に沿った方は乗り出しやすくなります。
お寺や神社って、そういう部屋が多いですしね。仏事や神事が忙しい日はこれまで通りの活動で、空いている日は宿坊という二毛作にもマッチしますし。
ほーりーが提唱する兼務住職の宿坊プランなんかも、現実味を帯びていきそうと感じております。
ということで、、、
寺社Nowの記事では、お寺の民泊をサポートする『テラハク』サービスも紹介されていました。
こちらは「お寺による民泊をサポートし、お寺と宿泊客をマッチングするサービス」です。
以前にテラハク保険も紹介させて頂きましたが、こうしたサポートもますます盛んになっていきそうですね。
宿坊で宿泊者が壊した物を保障する「テラハク保険」がプレスリリース!
もちろんまだまだ分からないことも多数ありますし、宗教法人だからこその課題も出てくるでしょう。ですが今年も宿坊の世界からは、目が離せない一年になりますよ。
寺社Nowの記事は、Web上でも読むことができますのでよろしければぜひどうぞ。