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檀家という言葉のイメージは悪いけど、檀家になりたい人は多くいる

築地本願寺での永代供養墓講演

少し前ですが、東京・築地本願寺で行われた『宗門の未来を考える会』の集まりで、お墓をテーマに講演させて頂きました。

その時のレポート記事は、こちらです。

永代墓、合同墓はお寺の破壊者か? という質問に答えてみた

築地本願寺のような都心部ど真ん中にある大寺院が30万円で入れる合同墓を作ってしまうと、町の小さなお寺は成り立たなくなるのではないか。そんな疑問にお答えして、

○巨大寺院が合同墓を作らないと、他の巨大企業や公営墓地が代わりに進出する
○中小寺院は小規模・高価格が生き残る戦略なので、築地本願寺とはターゲットが異なる
○ほーりー視点から見れば、築地本願寺の合同墓はお寺社会全体にとってもプラス

という話をさせて頂きました。

そしてこうした中で出したのが、「檀家」という言葉が独り歩きしていてイメージが悪くなっているのではという提起です。檀家数減少はお寺にとって重要なトピックで、ほーりーも何度かこの内容で講演を依頼されました。

しかし檀家になるのは嫌だけど、檀家的なお寺との付き合いを求めている方は、少数派ではないというのがほーりー(あるいは、顧問を務めるアンカレッジ)の意見です。

今回はそんな話をまとめてみます。

2つのお墓アンケートから見えること

まずは、以下の図をご覧ください。こちらは横浜市の墓地に関する市民アンケート調査(pdf)をもとに、ほーりーがグラフ化させて頂いたものです。

取得したい墓地の種類

取得したい墓地についての質問ですが、注目は「宗教法人墓地」と答えた方が2%しかいないことです。つまりお寺のお墓は、ほとんどの方が敬遠していることが分かります。

一方でこれと正反対の結論が導き出されるのは、以下の図です。こちらは株式会社第一生命経済研究所の調査(pdf)を引用させて頂き、これまたほーりーがグラフ化しました。

お墓の管理に望む方法

調査主体や対象が異なるため、一概に比較できるわけではありません。ただこちらの質問では「承継者がいない場合のお墓の管理に望む方法」をお聞きし、33%もの方が「お寺や教会などが管理する」ことを希望されています。まあ、教会を想定する方は少数でしょうし、ほぼお寺と思って良いでしょう。

つまり「購入時点」に焦点を当てると、ほとんどの方が市営墓地が良いと言っているのに、「自分が管理できなくなった後」について聞くと、市営墓地よりお寺が良いという方が3倍も多くなっています。

檀家は面倒くさそうという人は、お寺とつながりたい人

これをお寺の外にいる人間の立場から解釈すると、

【お墓購入前】
○お寺のお墓は道理よりも慣習が優先するし、付き合いが面倒くさそう
○市営墓地は理不尽な付き合いがないので、明瞭で安心

【お墓購入後】
○お墓を誰にも引き継げなくなったら、役人の事務的な管理は寂しい
○血の通ったお寺が永代に渡って供養してくれるなら、ありがたい

という風になるのではないでしょうか。

お寺側の立場で見ると「勝手なこと言うなよ」という意見であるとは思いますが、だいたいこんな感じと思います。

そしてこれを「勝手なこと言うな」で済ませるか、それとも「面倒くさそう」という不安を解消すればお寺と人がつながる機会になると捉えるかは、大きな分かれ目です。

西勝寺のお寺の樹木葬

もともと従来の先祖代々のお墓も、檀家という枠組みの中にいた人には、慣習が優先するからこそ居心地の良い仕組みでした。しかし人間が住む場所を変える移動型社会になった時、檀家でいるメリットが消え去り負担だけが残り続け(るどころか、距離が遠くなる分増し)たと感じる人は増えています。

そこが近年、永代供養墓が急激に伸びた背景です。お墓を子々孫々に渡って継承することは不可能だけど、温かみのある供養はしてほしい。

この温かみのある供養がお願いできるのであれば、お寺とつながりたい方はたくさんいるのに、旧来の制度が障壁となってお寺に近づけない方が、「檀家」という言葉をイメージ悪いものとしてみています。

ほーりーの見立てでは、そもそも供養なんて必要ないという方は、檀家をイメージ悪いものとは見ません。愛情の反対は無関心とは言いますが、そうした方はお寺自体に関心がありません。その意味で言えば「檀家って面倒くさそう」と敬遠する人の方がまだ、お寺とつながりたい心は残っています。

檀家ではないけど、ほぼ檀家という論法

そこでほーりーが顧問を務める霊園会社・アンカレッジが導き出しているのも「ほぼ檀家」という言葉です。従来の檀家とは枠組みが異なるものの、実質的にお寺を支えるサポーター的な役割としては檀家とほとんど変わりがありません。

それを示しているのが、以下のグラフです。

道往寺樹木葬の法要割合

アンカレッジはお寺と人をつなぐお墓をコンセプトにして、樹木葬墓地を展開しています。そしてお墓購入を布教の入り口と位置づけ、お墓購入者にはお坊さんから積極的なコミュニケーションを取って頂いています。

そしてそれが宗旨不問でお墓を販売しても、購入者の8割がそのお寺で葬儀法要を依頼される結果となって表れています。

先日、お寺の樹木葬をオープンさせた横浜市の西勝寺住職が「お寺離れ、お墓離れは外の人間が離れたのではなく、お寺から離れていっている」と仰られていました。

お寺の樹木葬が拡大中。3月に2軒のお寺で新規オープン!

ほーりーもこれには同感です。人間が住む場所を変えるのは、大半が仕事を求めてです。近所のお寺が嫌だから、遠くへ引っ越したという方はほとんどいません。

それを信仰心の欠如や伝統の崩壊と捉えるのは、少し筋が違います。檀家という枠組みも現代社会に合わせて定義しなおせば、お寺と一緒に歩む生活を送りたい方は、少なくはないのです。

ということで、、、

アンカレッジはお墓の契約整備も大切にしています。これも今までの慣習だけでは通じないことが多いため、お寺を守る意味でも、お墓購入者に安心して頂くためにも、しっかりと取り組んでいます。

先日はお寺のコンプライアンスセミナーも開催しましたが、これもまたその一環です。お寺に限りませんが現代社会はこれまでなあなあで済まされていた差別やハラスメントが、どんどんアウトになってきています。

アンカレッジのコンプライアンスセミナー

ということで、ほーりーはこのアンカレッジの『お寺の樹木葬』を中心に、お寺と人をつなぐお墓をあれこれと模索しています。

もしも樹木葬や永代供養墓の導入を考えられているお寺があれば、ぜひ一緒に活動していきましょう。樹木葬の詳細は、こちらの記事をご覧ください。

駐車場3台分の土地で1億円以上の大ヒット。お寺の樹木葬を改めて紹介

また、アンカレッジの樹木葬墓地の見学や社長への紹介も行っています。ご興味ある方いましたら、以下のフォームからご連絡くださいませ。

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西勝寺のお寺の樹木葬

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