弱点が多い仏前結婚式のデメリットをひっくり返すDIYの可能性
先日、神奈川県の高願寺で行われた『DIY仏前結婚式 ~一般寺院での仏前結婚式の可能性~』というシンポジウムに参加してきました。
このところ、宿坊や樹木葬にかまけてサボりがちだった『仏前結婚式盛り上げプロジェクト』ですが、ちょうどあるお寺(もう言っちゃって良いと思うので、私が結婚式を挙げた本光寺)と新しい仏前結婚式を作ろうと企画していたので、その勉強の一環として足を運んでみました。
企画されたのは、未来の住職塾の遠藤卓也さん。この方もお坊さんではないけど、お寺で結婚式を挙げ、その素晴らしさにほれ込んだ方です。
そして会場となった高願寺の宮本義宣住職から、息子さんの結婚式を事例にお寺での結婚式の可能性が述べられました。
高願寺のDIY仏前結婚式
今回のシンポジウムには、「DIY」という言葉が付いています。DIYは日曜大工などでよく使われる言葉ですが「Do It Yourself」の略で、プロに頼まず自分でやること、手作りすることなどを意味します。
そしてこの高願寺の仏前結婚式は、手作り要素が満載だったようです。スタッフは新郎新婦のご友人が引き受けて下さったとのこと。
写真撮影は新郎の友人にプロカメラマンがいたそうです。
そしてこれはお寺の方ならではですが、司婚者はお付き合いのあるお寺の住職に依頼されています。
DIY仏前結婚式の可能性
宮本住職の講演後、ブライダル業界で12年着付けの仕事をされている高橋範子さんから、現在の結婚式事情が紹介され、遠藤さんと立教大学社会デザイン研究所の星野哲さんも交えたパネルディスカッションが行われました。
この中で出てきた手作り結婚式の良さには、以下のものがありました。
○好きなように作れる自由度の高さ
○みんなで作ることで得られる充実感
○費用が安く済むこと
また、仏前結婚式を広める意義としては
○仏様の前で手を合わせる時間が持てる
○ご先祖様に想いを馳せることができる
○結婚式を挙げたお寺が特別な場所になる
などがあります。さらに4人の登壇者の中では一番お寺と離れた場所にいる高橋さんからも、「お寺での結婚式は精神性の高さが魅力」という言葉がありました。
ただ、手作り結婚式の注意点として、プロでない人間が作るからこそ発生するトラブルもあるという意見も出てきました。
たしかに人生一度きりの大切な場で、不慣れな人間が行うことで予期せぬ失敗が出ることはあるでしょう。写真撮影でピンボケが多かったとか、時間を大幅に超過して予定していたことが行えなくなるなど、それが後々の友人関係にまで響いてしまったとしたら残念です。
また、仏前結婚式を広める上で何が必要かという点では
○体験者のクチコミ
○かわいい、インスタ映え
○オリジナリティ
といった要素が出てきました。
会場にも意見を求められたので、ほーりーは「華やかさで既存の式と勝負するのは大変なので、結婚式を挙げない訳ありな方向けを用意してはどうか」という話をしてみました。
まあ、これこそ、本光寺と一緒に企画している方向性ではありますが、仏前結婚式は後発なので他との差別化をどうつけるかが重要かなと考えています。
ということで、、、
ほーりーも似たような勉強会を開催したり、月刊住職や南御堂新聞などに仏前結婚式を盛り上げる方策を書いてきました。
書いてある内容は、以下のリンク先にある様なことですので、よろしければご参考までにどうぞ。
仏前結婚式の弱点の一つは「パッケージ化されておらずに手間がかかること」ですが、その分手作りを楽しむことで、弱みを強みに変換できます。その意味ではDIYという言葉で打ち出していくのも良いですね。
ほーりーも結婚式を挙げた時、和装の衣装やカメラマン、動画撮影、披露宴の司会者、お寺から披露宴会場への移動バス、引き出物など、可能な限りネットで探して自分で手配しました。
それによってサンプル写真を見ながら、自分たちが一番かっこいいと思うカメラマンさんにお願いできたり、披露宴会場が提携していたドレスショップだと50万円くらいかかった白無垢と紋付き袴が、ネットでは7万円で済んだりしました。
他にも中間マージンはごっそりカットで来たので、その分披露宴の食事をランクアップさせてもいます。
今回は仏前結婚式を盛り上げたいというお坊さんや業界の方が集まっていましたが、こうした人達で情報共有したり、手を組んでいくのも有効ですね。
なかなか広がっていかない仏前結婚式ですが、ほーりーもまたちょいちょい活動していくつもりですよ。