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御朱印のマナー違反が多発するのは、悪いことではない

御朱印比べ

 先日、以下の記事を書いたら、拡散されました。

御朱印のマナーと人間性のマナーとは、今一度分けるべき

 内容を簡単にまとめると

 ○最近、御朱印のマナー違反を指摘する声が増えてきた
 ○待ち時間が長くて神主さんを恫喝するような人は批判されるべき
 ○御朱印の知識がないために起こるマナー違反を叩く風潮は良くない

 という内容です。

 誰だって最初は初心者です。にわかファンが増えなければ、コアな人も生まれません。なのでスタンプラリー感覚で来るなとか、御朱印自体をやめちまえみたいな論調は、沈静化してもらえたらという期待をほーりーは持っています。

御朱印のマナー違反が多発するのは、悪いことではない

 そしてこれはほーりーの持論ですが、トラブルが多発することは、決して悪いことではないと考えています。というよりも、何かが人々に理解され、浸透していく上でトラブルは避けられないプロセスです。

 ちょうどこの前、テレビで鉄道が普及した時期のエピソードが紹介されていました。電車が初めて街を走り始めた頃、一番多かった忘れ物は靴や下駄だったそうです。

 これは室内に入る時は靴を脱ぐのが当たり前だったため、みんな電車に乗る時も同じ感覚で靴を脱いだとのこと。そして電車が走り去った後の駅には、靴だけがたくさん残されていたという話でした。

 現代の感覚からすれば、相当にシュールです。靴を駅に置いていったらどうなるかなんて、ちょっと考えればわかります。しかし電車というものをそれまで見たことなかった人間であれば、普段の感覚で思わず靴を脱いでしまったというのは納得できる話です。

マラソンの競技人口

 上記はほーりーが講演でよく使う、マラソンの競技者構成図です。一番上が、オリンピックで金メダルを目指すような、トップアスリートたち。一番下はお腹周りが気になってきたから、ちょっと走るかという人です。

 もしも麓にいる人たちが「42.195kmで記録を出すつもりがないなら、シューズなんて買ってはいけない」と言われたとしたら、きっとトップアスリートが生まれる環境も消えていくでしょう。

 御朱印も同じです。テレビや雑誌などを見て「御朱印というものがある」「私もやってみたい」と興味を持った人が叩かれ続けたら、そのうちお寺や神社自体が見向きもされなくなります。

 電車に乗る時に靴を脱いだ人たちがいたように、寺社に精通した人から見て初心者がとんでもない行動を平気で行っていたとしても、それは仕方のないことです。ただその大半は神様や仏様を侮辱してやろうとか、悪意のあるものではありません。

 作法やマナーは、一朝一夕で身に付くものでもありません。20年以上も寺社巡りを続けるほーりーだって、知らないことは山ほどあります。たぶん、お寺や神社の作法・マナーなんて一生かけてもすべてが身に付くものではないでしょう。

 なのでそれらを一つ一つあれはダメだ、これは違うと叩き続けてしまうと、最初は寺社に好意を持っていた人も委縮して離れていきます。

ということで、、、

 ここまで語ったことは、初心者は何も知らなくてもいいよという話でもありません。ただ言いたいことは、一気に全てを直そうとしたり、知らないこと自体を悪とはしないでほしいということです。

 何も知らない人に、少しずつ知ってもらうことは、お坊さんや神主さんの役割でもあります。御朱印ブームはまだまだ始まったばかりです。そしてきっとしばらくして飽きる人と、ずっとはまっていく人とに分かれていくでしょう。

 そのずっとはまる人の御朱印帳が一冊増えるごとに、寺社への理解も少しずつ深まっていくステップが踏めれば、それはとても素敵なことだとほーりーは考えます。

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