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100年後はご先祖様と向き合う人が増えるけど、お寺が笑えない理由

卒塔婆

日本人がご先祖様を大切にしなくなってきたという批判をよく目にします。しかし、昔の人は偉かった。現代人はなってない的な論調は、私は本質的ではないと考えています。

それは単純に近代社会がご先祖様を敬う理由を減らす方向で、価値観を変化させたからです。つまり「人間は生まれながらにして、皆平等」という考えが、ご先祖様を敬う心を消しました。

念のため言っておくと、私は平等という考えには賛成です。日本国憲法の第十四条にも「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とありますし、よっぽどの人でなければ(建前上であっても)この平等は認めるところでしょう。

が、ご先祖様への畏敬は、血筋、家柄といった思想と一部つながっています。これはいわゆる名家やお金持ちに限らず、士農工商時代から脈々と受け継がれてきたものです。

職業や移動の自由が制限されていた時代、ご先祖様は自分の人生に多大な影響を及ぼしていました。それがなくなればどうしたってご先祖様を日常的に感じる場面は少なくなります。

この辺は未だ世襲が大半のお坊さんとサラリーマン家庭では、意識の異なるところです。

うん。お坊さん達の会議に参加していて、「君のおじさんはこれこれこういう人だったよ」という発言が出た時、私は恐ろしい血縁社会だと一人で衝撃を受けていましたし。親や祖父より、「おじさん」まで知られているというのがなんかリアルで。

将来の日本は、ご先祖様を敬う社会になっている

一方で私は、現在のご先祖様を感じにくい世の中は、過渡期ではないかとも考えています。少なくとも100年後、200年後、数世代前を遡るのは容易になります。その理由はSNSの出現です。

これからますます人類が世界規模で移動していく時代、代々に渡ってお墓を継承していくことは無理ゲーです。

ですが、データは残ります。私たちが日々せっせとTwitterやfacebookに載せているコメントや写真は、年月を経ても簡単に見ることができます。

100年前の今日、ひいおじいちゃんが何していたかを調べることは当たり前のようにできるでしょうし、「あなたのご先祖様はこんな人たちでした」と、ハイライトで教えてくれるアプリも登場が予想されます。

もちろん、従来の檀家さんによるご供養がゼロになるわけではありません。それは引き続き大切なものですし、お墓の前で手を合わせる時間を心の支えにする方もある程度は残るはずです。

が、ご先祖様を身近に感じる場所としては、お墓や仏壇よりもSNSが主流になるでしょう。そこにお寺が積極的な役割を果たせるかどうかは未知数です。

ということで、、、

こんなSNSを通したご先祖様の感じ方なんて、けしからん。認めないというお坊さんも多いと思います。

もちろん、私たちが淡白になり過ぎていると言えば、その側面はあります。が、これはもはや社会環境に起因しているので、個人の倫理や価値観に訴えても解決はしません。

例えば私が仏前結婚式を良いなと思った理由の一つに、「ご先祖様への報告」という意味合いがありました。

こうしたつながりをクリエイティブに作っていかないと、「離檀」「墓じまい」なんてキーワードが踊る昨今、受け継ぐ負担の増しているお墓の悪者化は止まらないというのがほーりーの予想です。

「10代前までさかのぼったら、ご先祖様は何人いると思いますか?」という法話は、私はいろんなお坊さんから聞きました。もはや鉄板のネタなのだと思います(ちなみに、1024人です)が、そんな数字だけで命のつながりを感じさせるのも限界が来ています。

今だったら「ミトコンドリア・イブ(現生人類の最も近い共通女系祖先)」についてめちゃくちゃ調べて語るお坊さんとかいた方が、よっぽどご先祖様について感じられるかもしれません(イブはキリスト教由来ですが)。

下の本とかも、ヒットしていますし。



 サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

 ユヴァル・ノア・ハラリ(著)・柴田裕之 (翻訳)

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このままお坊さんが個人の価値観ばかり批判していると、ご先祖様という専売特許もSNSにさらわれていきますよ。

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