尼僧漫画家の悟東あすかさんが絵を封印して書いた本がためになる
先日、尼僧漫画家の悟東あすかさんから、『神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと』というご著書を頂きました。
悟東さんは集英社少年ジャンプ第30回赤塚賞に準入選し、仏像やお坊さん、お寺の生活など、仏教に関する様々なテーマで作品を描くプロの漫画家さんです。ほーりーがプロデュースしたお寺の漫画図書館でも、キャラクターのカノンちゃんをデザインされました。
そんな悟東あすかさんですが、今回の本は珍しく、絵が一切描かれていません。文章オンリーで、悟東さんの実体験を盛り込みながら神仏への向き合い方が書かれています。
そしてこれが、ほーりーの心にもビシビシ響いてきたので、紹介します。
神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと
上が本の表紙です。表紙すら描かれている仏さまは後ろ姿という徹底ぶり。中を開くとちょっとしたマークの様なものを除いて、ほぼ文字オンリーです。そしてぱらっと一読して感じたことは、悟東さんらしい、優しい本だな~ということでした。
例えばこの本では、「大好きな人と接するように神さま仏さまに呼びかけよう」と書かれています。
また、「仏さまにはグチや文句をぶつけても大丈夫」とも書かれていました。我慢できない時は、その感情を吐き出してもいいとのことです。
さらに「悩みが深い人ほど、ご神仏に愛される」とのこと。困難に直面した時、お手上げという時ほど神さまや仏さまに手助けしてもらう契機になると説かれていました。
神仏は敬うべき存在ではあるけれど、けっして遠くから眺めるものではないというメッセージ。行者として常に祈り続ける悟東さんだからこその言葉かもしれません。
そしてよい祈りとよくない祈りについて。当然と言えば当然でしょうが、人を傷つけたり貶めるお願いだけはしてはいけないとのことです。
「〇〇さんに悪いことがありますように」
「〇〇さんが失敗しますように」
というお願いを叶えるのは神仏ではなく魔物的な存在で、こうした願いは自分に返ってきてしまうと強調されていました。
これはきっと、誰でも最初からそんなことを祈りたい方はいないでしょうが、ついつい思いがちな話ですよね。
ほーりーも自分が順調な時は、世界中全ての人が幸せになれくらいの気持ちを持てますが、調子の悪い時は周りでうまくいっている方を見ると、なんでだ~と思ってしまいます。修行が足りぬ。
しかしこれからどんどん変化が速くなる時代、ミスなく無難に過ごす(=すでに確立されたことしかしない)人より、失敗を繰り返しても前に進む人は大切な存在になっていきます。
ただ、その生き方はとてもハードで、心もガリガリ削られやすい。そんな時に他人の失敗を祈らないとか、悩みの深い人ほど神仏が助けてくれるという話は、心の支えになる人も多くなっていくんじゃないかと思います。
と、いうかね。私が単にこれ読んでほっとしました。
神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと 悟東あすか 著 |
ということで、、、
私が悟東さんと最初にお会いしたのはいつだったろうというくらい、お付き合いさせて頂く時間も長くなりました。
それでも今回のような長い文章で悟東さんの考えに触れるのは初めてなので、新たな面をたくさん見させて頂いた気がします。
尼僧漫画家が、最大の武器とも言える絵を封印して書かれたこの本。神さま仏さまと向き合うお坊さんの生き方にふれる意味でも、いろいろ刺激になりますよ。
あ、ちなみにサインも書いて下さいましたが、こちらはかわいいお地蔵様のイラスト付きで~す。