お寺の外にいる人たちが、お寺を巻き込むヒント満載の仏教井戸端トーク
先日、東京の圓融寺で開催された仏教井戸端トークをお聞きしてきました。
登壇者は圓融寺住職の阿純章住職、龍雲寺の細川晋輔住職、そして飛び入り? で登場したフリースタイルな僧侶たち代表で、龍岸寺の池口龍法住職。奇しくもここ1年でそれぞれのお寺の住職に就任されたという、ビッグウェーブを生みだしていきそうなお三方です(いや、住職になる前から、すでにいろんな波を起こしている豪華メンバーですが)。
そして今回のテーマは「お寺と地域のコミュニケーション」。話の軸は圓融寺と龍雲寺がどのように地域と関わってきたかということでした。
うん、これは私も気になるテーマです。特に面白かったのは2点。ひとつはそれぞれのお寺が外部の人たちからお寺でこんなことやらせてよと声をかけられた時の受け入れ基準。
龍雲寺さんの受け入れ基準は
・お金は取らない
・座禅か法話は入れる
・集客は責任持たない
圓融寺さんの受け入れ基準は
・営利目的にならないようにする
・(阿さんが)ワクワクするもの
だ、そうです。私は営利・非営利、あれこれとお寺でイベントを行っていますが、もしもお寺で何かをしたいという方がいれば、仏教的に意味があること、お金に絡む部分は慎重にということが窺えるお話ですね。今回は2つのお寺のお話でしたが、これは私の経験上でも、他のお寺にも共通して言える話です。
2点目の面白かったお話は、お寺にとって地域と関わる目的は何かということ。檀家さんとそれ以外の人をイベントの中で区別しているのかという質問が挙がっていましたが、両寺とも区別はしていないとのことでした。
阿さんのお話しではイベントでお寺に地域の人を呼び込むことは、新しくその地域に住み始めた方も入りやすくなり、つながりを再構築してくれるとのこと。細川さんは人が出入りすることで、何かあった時のかかりつけのお寺になればよいというお話でした。
最後に人は「場」に集まるのではなく「人」に集まるというご意見も出ていましたが、こうして地域やそこに住む人たちが、より良い生活となるように働きかけ続けている両寺だからこそ、多くの方が足を運ぶお寺になっていくのだと思います。
また、龍雲寺さんと圓融寺さんはgoogleマップが車で10分かからずに着くと太鼓判を押すほど近くにあるお寺同士ですが、池口さんのお話では京都はまた事情も異なってくるとのこと。
お寺と一緒に何かを行いたいという方は、こうしたお坊さん達のご意見に耳を向けておくと、話が進みやすくなるかもしれませんよ。