東京藝術大学大学美術館『観音の里の祈りとくらし展』ブロガー内覧会に参加しました
いつものようにフェイスブックで寺社旅情報を収集していると、ひとつ飛び込んできた面白い企画。
東京藝術大学大学美術館で行われる『観音の里の祈りとくらし展-びわ湖・長浜のホトケたち-』。一般公開の前にブロガーを対象に内覧会が行われるというので、出かけてきました。
会場に入ると資料がどっさり配られました。しかも図録まで! これ、全部無料。むむぅ、なんて素敵! やばいです。これ見るだけで長浜行きたくなります。
しかも長浜城歴史博物館の副館長、太田浩司氏による解説付き! これもうれしい特典です。
お話によると今回の仏像展は、18体すべて平安時代の仏様。重要文化財は3体。そしてこの地域は仏像を地域の人が協力して守っていることが多く、今回の仏像を所蔵するお寺も住職がいるのは2~3ヶ字くらいだそうです。
このためそれぞれの説明版にも美術的要素だけではなく、どうやってこの仏様が守り伝えられてきたか、それを説明に加えたとのことでした。
私も滋賀県の仏像は何度か巡ったことがありますが、この地域は京都や奈良と比べると、お坊さんではなく地域の人が力を合わせてお寺やお堂を管理しているところが多くあります。
それが滋賀の仏像の(事前予約や期間限定などで)拝観難易度を上げているところでもありますが、人と人とのふれあいなど、ぎっしりと詰まった魅力でもあります。
また滋賀県は交通の要所として戦も多かった地域。戦火の中、時には土に埋め、時には川に沈め、仏様を失うわけにはいかないと、その時その時の人が命を賭けて守り続けてきた。そんな強い祈りが込められています。中には身体が擦り切れてぼろぼろの仏様もいますが、それは単純な美しさよりも心に迫るものがありました。
それと解説の中で面白かったのが、腹帯観音と呼ばれる観音様。名前の通りお腹にサラシを巻いていますが、子宝や安産のご利益があります。
しかもこの仏像は過去に一度盗まれて懸賞金をかけて探したところ、発見者を装った犯人から連絡があり、無事に取り返すことができたそうです。今の時代でもやはり仏さまは必死に守られているんですね。
解説が終わると後は自由に観覧開始。しかも写真撮影OK。人も少なくじっくりと見られますし、こんな機会はめったにないので、めちゃくちゃ楽しんできちゃいました。
ということでなかなか見ることのできない滋賀・長浜の仏像にお会いしたい方。ぜひぜひ、東京藝術大学大学美術館に足を運んでみて下さい。
この仏像展を見ると同時開催の「藝大コレクション展 ―春の名品選―」も無料で観覧できます。展示内容は絵画が中心でしたが、国宝の絵因果経や尾形光琳の槇楓図屏風、それに狩野山雪や私の大好きな曽我蕭白(そがしょうはく)など、思いっきり充実してました。こちらもおすすめです。
観音の里の祈りとくらし展-びわ湖・長浜のホトケたち-
会期: 2014年3月21日(金・祝)- 4月13日(日)
午前10時 – 午後5時 (入館は午後4時30分まで)
ただし、4月11日(金)は午後8時まで開館(入館は午後7時30分まで)
休館日: 毎週月曜日
ちなみにこちらのイベントは寺社好き男女の縁結び企画『寺社コン』でみんなで行くことも計画しています。参加希望者の締め切りは間近(3/22)ですが、ご興味ある方は 寺社コンサイト をご覧になってみて下さいね。