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他人を傷つける練習は、小さく小さく繰り返した方が良い

あっかんべーする鬼

昨日書いた身延山のブログ記事。キーボードが以下の分をつらつらっと弾いてくれました。

間違った行動を取らず、論理的にすべて正しく、誰も傷つけないなんて人の方が警戒に値します。こういう人は論争だけは絶対優位なので、前線に立つ人はそれだけ不利なわけです。

なにかこれって、私の心の中にもやもやとあった問題意識です。なので今回はお寺や神社に限らずほーりーの人生論として、ちょっと考えてみます。

間違った行動を取らない人は、消費しかしない人

間違った行動を取らない人とは、正解の行動からはみ出ない人です。それはどういうポジションかと言えば、他人がいろんな問題を潰した後でしか行動しない人です。

これはゲームで考えてみればよく分かります。

ゲームを作る過程は、シナリオ作って音楽作ってキャラクター作って、それらをプログラミングして実装していきます。そして実際にゲームを動かし、ちゃんと動作するかをテストします。

ここで行われる「テスト」とは、操作して動けるパターンをすべて試す網羅テストです。普通にプレイしていれば10人中8人が使うことのない機能まで(そして、そんな機能は全体の8割くらいあったりします)一つずつちゃんと動くか確かめます。

ポケモンで言えば、誰も使わないようなコイキング(最弱キャラ)のすべての必殺技を試してみるようなものです。コイキングが終わったらポッポを、ポッポが終わったらコラッタを試します。おおぅ。考えるだけでうんざり(実際のテストは、そんな生ぬるいものじゃないですが)。

そしてこうしたテストをしてみると、あちこちで間違った動きが見つかります。それを見つけては記録し、ひとつひとつ修正してはリトライしていきます。

間違った行動を取らない人は、こうしたテストはすでに先人が済ませてくれたパッケージに乗っかっている人です。

先人の足跡は偉大です。ですがそれに乗っかり過ぎて、次世代のために自分でものを作らない人は、先人の足跡を消費しているだけとも言えます。

参考:前例がないと挑戦できない方。不安こそ、前に進むためのシグナルですよ

論理的に正しい人は、試行錯誤のない人

前人未踏で挑戦していれば、試行錯誤が必要です。これをやったらうまくいかなかった。こっちに行ったら失敗した。進んでは戻り、戻っては進む。前言だって撤回するし、ポリシーだって変えていきます。

一方、論理的に正しい人は、こうした手順を踏んでいません。教科書に書かれたことをなぞっていれば、そこに矛盾はないからです。

自分の言葉がないから責任もなく、論理的に正しいから自分の否も疑いません。そして「お前は以前、こう言っていただろ」とか、「だから俺はやめとけって言ったんだ」などと悦に浸ります。

こうした人は、物事をゼロか百かだけで考えがちです。「論理的に正しい人はダメだ」と言われると、「論理的に正しい人がダメなはずはない」とか、「論理的に間違っている人こそ良いんだ」と極端に走ります。

なので一応細かく補足しておくと、「論理的に(いつも)正しい人は、試行錯誤のない人」です。

参考:洞察力のない人は、他人の失敗を予言する

他人を傷つけることのない人は、変化を起こせない人

人に取りなすことを最優先にする人は、結局困っている誰かを見捨てる人にしかなれません。世の中は勧善懲悪ではないですし、誰かに手を差し伸べることは、誰かの手を振り払うことでもあります。誰の手も振り払わない唯一の方法は、誰とも手をつながないことです。

なんてことはどこでも言われる陳腐な話ですが、私は他人を傷つける練習を、小さく小さく繰り返した方が良いと考えています。

もちろん、他人を傷つけること自体が目的ではありません。それは結果です。他人を傷つけることのない人は、恋愛で言えば誰に告白するかを選べない人に似ています。

(余談ですが私は寺社コンに参加した人から、「○○さんと××さんと△△さんで迷っている」と、○○さんに告白しながら言ったという話を聞いたことがあります。近くにいたくない修羅場です)

他人を傷つける練習とは、自分の責任において選択するということです。誠意を持って選択しても相手は分かってくれませんが、前に進む方法はそれしかありません。

参考:あなたのファンじゃなくなりましたと言う、最高のほめ言葉

ということで、、、

最前線で身体を張る人は間違った行動取るし、論理的に矛盾するし、いろんな人を傷つけます。でも、そういう人が大切だし、多くの人の道を作るし、問題だらけの世の中を変えていけます。

しかし最前線に立つ人というのは、丸腰で猛獣に向かうようなものです。猛獣とは上に書いた「間違った行動を取らず、論理的にすべて正しく、誰も傷つけない人」のことです。

「ほらみろ、失敗したじゃないか」
「前に言ったことと違うよね」
「あなたの言葉に傷つく人の気持ちを考えてください」

こういう人は論争だけは絶対優位なので、前線に立つ人はとても不利です。あえて不利な立場に身を置きたがる人なんて少ないので、みんな猛獣になりたがります(私だって、そうした気持ちはあります)。

あなたは鍋になりたいですか。チョコレートになりたいですか。

間違いも、矛盾も、人を傷つけることも悪くはない。こうした魔法の言葉を覚えておくと、良いのではないでしょうか。

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