次代を担うお坊さんに、僧侶のお金遣いは雑過ぎると話してみた
先日、講師をさせて頂いた日蓮宗の『次世代育成講習会』。仲間を作らない大切さを話したとブログに書きましたが、もう一つお伝えしたことがありました。
それはお坊さんは、お金の使い方が雑すぎるという話です。
派手な外車を乗り回したり、毎晩お姉さんのいる店で飲み歩いたりの、お金の使い方が「荒い」という話ではないですよ。使わなくて良いところにも使ってしまうという意味で、雑ではないかという話です。
仲間と動くとコスト意識が鈍くなる
ドラクエ3では勇者、戦士、僧侶、魔法使いとバランス良くパーティを組めるけど、現実のお坊さんが仲間を集めると僧侶、僧侶、僧侶、僧侶となってしまいがち。
なのでドラクエ2のように最初は一人で活動して、必要に応じて仲間を集めるといいのではと言うのが、前回書いたブログの趣旨です。
仲間を作りたがるお坊さんに、ドラクエに例えて孤独を勧めてみました
なんかいろんな方からドラクエの例えは分かりやすかったとか、FFでも例えてくれとか言われました。みんなゲーム好きだな~と思いましたが、それは置いといて。
今回はもう一つ。最初から仲間と動く弊害に、コスト意識が鈍くなるのもあると、ほーりーは考えています。
コスト意識が鈍くなる3つの要因
仲間と動くと、なぜコスト意識が鈍くなるのか。それは以下の3点が理由です。
○予算が自分の懐以外から出る
○責任の所在があいまいになる
○見栄を張りやすくなる
1人で活動を始めると、まずは何をやっても持ち出しになります。すると少しでも安く抑えるために、試行錯誤を始めます。ほーりーも寺社コンを300回以上繰り返して、だいぶコストを抑える技が増えました。
しかしこれを下りてきた予算でやろうとなると、そもそも出費を抑えるインセンティブが働きにくくなります。そして変に手作りして仲間に笑われるくらいなら、プロに任せちゃえという力学も生まれます。
例えば今回の研修会で面白かったのは、『チラシ作成講座』と言うものでした。
この講座、テーマ設定したお坊さんの話では、毎回青年会のイベントでチラシ作りをプロに発注していたら、多額のお金がかかってしまった。そして予算がなくなったので自作したら、90万円も費用が浮いた。
そこでこれはいいと、研修会を作ってノウハウ共有することにしたそうです。
そして、ほーりーは思いました。え? チラシ作りで何十万円もかける発想自体が、お金に対して雑すぎるのではと。
ほーりーもたまにチラシは作りますが、だいたいはネットでテンプレートを探してダウンロードし、そこに文字と写真を埋め込んで、レイアウトは無料で完成です。そこから格安の印刷サービスにちょちょいと発注してしまえば、5000円もかからずできあがります。
上記の研修でも90分のワークショップでチラシ作りが行われましたが、ほーりーもちょちょいと作ってイベントの告知案内ができました。
もちろん大掛かりなイベントや、販売費用が100万円もするお墓の広告などであれば、プロに頼むことも必要でしょう。ですがちょっとした行事まで毎回外部に頼んでいたら、お金はいくらあっても足りません。
特に多額の費用が掛かり、繰り返し必要になるものについては、スキルを習得して内製化できないかと、考えてみた方が良いでしょう。
ということで、、、
ほーりーが最初はソロ活動をと勧めるのは、自分にできることとできないことを明確にするためでもあります。
すぐにできないことでも、調べればなんとかなることはあります。そしてそれでもできなければ、そこから初めて仲間を探すなり、お金を出してプロに頼めば良いわけです。
ほーりーの周りを見ても、お金のないお坊さんほど、スキルが高かったりします。
熊本県の了廣寺住職を見ていると、むしろ私自身がお金の使い方雑すぎてすみませんと謝りたくなるくらいですし。
熊本地震で半壊した庫裏を宿坊によみがえらせた、了廣寺の奮闘記
詳しくは上の記事に書いていますが、宿坊を作ろうとしたら地震で建物が壊れたため、
○建物の図面作成
○大工・左官仕事
○旅館業の簡易宿所営業許可を取るための行政への書類申請
○宿坊で出すパン作り
○畑仕事
○もちろん、お坊さんとしての様々な仕事
などなど、多彩なスキルをフル稼働させて宿坊を運営されています。
最初から予算が下りる環境に身を置きすぎると、自分でやってみるというプロセスを飛び越しがちです。プロに頼むことが大切な場面もたくさんありますが、依頼をする前に立ち止まってみるのも大事なプロセスです。