宿坊オンラインサミット開催。コロナの中で、希望の見える一日でした
コロナによって宿坊からも、「お客さんがいなくなった」「キャンセルが相次ぐ」という声はあちこちでお聞きしていました。一方で緊急事態宣言が解除され、これから宿坊はどのように歩むべきか。そうした悩みも上がっていました。
そこで今回はほーりーが声かけ役となり、Zoomを活用した『宿坊オンラインサミット』を開催することになりました。
コロナの現状と未来を語る『宿坊オンラインサミット』開催します
上記はその告知記事ですが、無事に行われましたのでレポートとしてまとめます。
宿坊オンラインサミットレポート
今回は北は青森から南は熊本まで、11軒の宿坊の方がご参加くださいました。善光寺や大山、高野山といった昔から続く宿坊の方や、自分で宿坊を開かれたご住職、さらには現在開設準備中の方など、様々な顔ぶれです。
いやー。地域も宗派もバラバラで、宿坊の方だけでこんな風に集まるのも珍しいと思います。だいぶ前にリアルで集まる宿坊サミットを行ったこともありますが、それ以来かもしれませんね。
そしてその肝心な中身ですが、今回はほーりーの『コロナの現状と宿坊の未来』という話からさせて頂きました。
そもそもコロナ感染による死者数は欧米と比べて日本を含む東アジア地域では極端に少なくなっています。
この理由はまだ分からずで「ファクターX」などと呼ばれていますが、日本では5月28日時点で死者数が858人となっています。一方で自粛による不況では、数万人レベルの自死自殺者増加も予想されます。緊急事態宣言も前倒しで解除されましたが、副作用だけで日本が潰れかねず、自粛の繰り返しはそう簡単に行えないのではと思います。
すると、宿坊として特に気になるのは、観光業界全体がどのように回復していくかです。これは参加された宿坊の方同士でもほぼ一致した意見でしたが、インバウンドはしばらくかかる(あるいは、もう元には戻らない)、一方で国内旅行は近県からスタートして早めに動いていくという予測になりました。
それをイメージしたものが、以下の図です。
また、観光庁の資料によれば、国内旅行の消費額は旅行全体の6割を超えます。一方で訪日外国人旅行分は大きく削られていきますが、その分日本人も海外に出ることが難しくなり、海外旅行の消費分が国内に振り向けられます。
そう考えると、旅行消費額全体は比較的戻りが早く、あとは国内向けの企画をどのように充実させていくかが重要テーマになっていくのが、大筋となっていくわけです。
ということで、、、
そんなわけで今回は、ここからほーりーの未来予測を短期・中期・長期に分けて紹介しながら、全員でディスカッションを行っていきました。
海外よりも国内の人が宿坊に来やすくなる分、宿坊と永代供養という組み合わせが作りやすくなったり、テレワークにより長期滞在や平日宿泊がしやすくなったり、プレミアムな宿泊プランも作っていけたり。東京や京都などの(三密になりやすい)定番観光地を避け、地方へと人が移動する流れが始まったり。
今回参加された宿坊の方も、休業期間に客室のリノベーションを行い、宿泊料の価格アップを計画したり、SNSやクラウドファンディングの充実に努めたり、境内に納骨壇や樹木葬墓地を開設したりと、様々な取り組みを行われていました。それらもまた、少しずつ紹介していけたらと思います。
前途多難な中ではありますが、それでもコロナ禍は大きな変化と挑戦するステージを与えてくれています。宿坊に新たな希望が見えて、胸がちょっとすっきりした一日になりました。