子供がお寺に来ないので始めた東光寺の子供坐禅会が参加者1万人突破
先日、静岡県にある東光寺のブログに、子ども座禅会の参加者が1万人を突破しましたという記事が載っていました。
東光寺は毎年夏休み・冬休み・春休み期間に、子供坐禅会を開催しています。30年ほど前にも行われていたがしばらく中断されていたものを、現在の横山友宏副住職が2011年の夏休みに復活させました。
そして冬休みシーズンから記録を取り始め、7年で延べ1万人の参加者を突破したとのことです。年表グラフを作ってみたので、以下に貼っておきます。
すごいですね! 継続は力なりです。
東光寺・横山友宏副住職へのインタビュー
ということで、この坐禅会を開催する横山友宏副住職にお話を伺いました。
まず、そもそも始めたきっかけは、様々な法要を務めながら「子供がお寺に来ない」という現実を実感したためだったそうです。そこで少しでも子供にお寺に来て、多くのことが学べることを実感して欲しいと考え、開催を決められました。
また、小学生が1日かけて様々な体験をする「寺子屋体験」の時に取ったアンケートのため、坐禅会全体の状況を反映したものではありませんが、参加者は以下の情報を見て、お寺に来られています。
1位 友人・知人の紹介 61%
2位 ホームページ 25%
3位 東光寺からのお知らせ(配布物) 10%
4位 ブログ 9%
半数以上はクチコミからということで、人気の高さがうかがえますね。
子供たちの感想で一番多いのは「足が痛い」です。「警策で叩かれてうれしかった」という意見もよく出ています。しかし、いつも一生懸命に坐禅に取り組まれているそうで、成果を期待せずに何でも楽しむ姿には指導する側も感動があるとのこと。
そして保護者からも好評で、「子供の姿勢が良くなった」「姿勢が悪いこともあるが、子供が自分で姿勢を意識するようになった」などといった言葉をかけられています。
子供坐禅会を続けて起きた、お坊さんの変化
参加された方の反応だけではなく、ご自身の変化についても語って頂きました。一番の大きな変化は子供坐禅会を続ければ続けるほど、布教不足を痛感していくことだそうです。
こちらはご本人から頂いた言葉をそのまま載せますが、
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一番の大きな変化は子供坐禅会を続ければ続けるほど、自分自身の布教不足を痛感していくことです。
多くの子供達が坐禅会に来てくれますが、子供と話せば話すほど坐禅だけでなくお寺のこと供養のことなど、ご先祖様が守ってきた良い習慣が伝わっていないことを実感するためです。子供達と会話をしていても、古くからの習慣を「知っているけどやらない」ではなく「知らない」と答える子が多く、大切なことを伝えられていないことを実感しています。
子供達と会話をするとこで、何を知っていて 何を知らないのかを感じ取り 毎回の法話の材料にしているつもりです。このように子供達の知っていることを理解してから話すようになると、子供達が法話を聞いてくれるようなったように感じます。
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他にも海外で生活していて日本語があまり上手ではない男の子が、警策を「マッサージ!」と言ったことが印象に残っているそうです。警策は心のマッサージにもなると感じられたそうで、子供たちとのやり取りの中からいろいろな気付きや発見も生まれているのでしょうね。
さらに子供たちには楽しんで仏教に触れてもらえるように、自作した仏教豆知識シールも配布されています。
現在は300種類にもなり、シールを貼る「坐禅手帳」も作成して子供たちには坐禅会に参加する楽しみの一つにもなっています。坐禅和讃や禅宗の食事や葬儀、仏前結婚式など、テーマも多岐にわたっているそうです。
こうした工夫も子供たちの反応を見ながら始められたもので、大人に坐禅を指導するのとはまた違った変化が生まれているのでしょう。
ということで、、、
子供坐禅やお寺へのお泊り会は、日本各地のお寺で行われています。ですがこうした情報って、あまり共有されていないように思います。
東光寺で面白かったのは、やはり参加人数を記録して、1万人突破といった節目をお坊さんがしっかり把握できていることです。私も寺社コンが300回突破したとか公開したりしていますが、こうした数字は面倒くさがらずに残していくと、多くの方の入り口作りになっていきます。
ということで、東光寺の子供坐禅会。これからもますます良い場になっていくように、頑張ってくださいませ!