テラハクから和空三井寺が誕生。宿泊価格は一棟貸し10万円から
民泊制度を活用して宿坊の開設・運営を支援するテラハク。先日、東京と滋賀県でプレス発表会が開催されたので、足を運んできました。
東京では八芳園で行われ、楽天グループの民泊事業会社・楽天LIFULL STAY株式会社とテラハクを手掛ける株式会社和空の業務提携が発表されました。
写真は左から楽天LIFULL STAYの太田宗克社長、和空の田代忍社長、ブッキング・ドットコム・ジャパンの高木浩子西日本地区統括部長です。
そして今回の業務提携の骨子はこちら。
和空が宿坊を開きたい寺社を探し、楽天LIFULL STAYが宿泊客を呼び込む。またその民泊運営ノウハウを生かして、宿坊を運用面でもサポートしていく。大ざっぱに言えばこのような役割分担となります。
さらにこの日は上の写真にもある通り、ブッキング・ドットコムの方も来られていました。こちらはもう世界最大の宿泊予約サイトですが、このネットワークにもテラハク登録寺院は掲載されていきますよ。
和空三井寺のプレス内覧会
そして滋賀県の三井寺で行われた和空三井寺のプレス内覧会にも、東京から始発電車に乗って行ってきました。テープカットが行われて、和空三井寺がオープン!
こちらは天台寺門宗の総本山・園城寺(三井寺)の境内にある僧房「妙厳院」をリノベーションした宿泊施設。内部はこんな感じです。
古建築のぬくもりと、快適な宿泊空間が見事にマッチ!
キッチンも広々としていて使いやすそうです。
そしてお寺体験も充実しています。三井寺の境内にある様々な施設で、坐禅(天台止観)や写経・写仏、精進料理、腕輪念珠づくりが行えます。
しかも通常は非公開の国宝・光浄院客殿をお坊さんにご案内頂くことも可能だったり。こちらは狩野山楽をはじめとした狩野派の障壁画で飾られた、ものすっごい豪華空間です。ご案内頂いたお坊さんも、三井寺に泊まられた方はこちらで何をするでもなくゆっくりと時間を過ごしてほしいとのこと。
和空三井寺の宿泊料金は、一泊10万円!
そして気になる宿泊料金。オープン時の価格は一泊10万円と発表されました。ただしこちらは一棟貸しで8名まで宿泊できます。MAX8名で宿泊すれば一人12500円。頑張れば手が出ない金額でもないですし、海外の方が家族で泊まりに来るなんてパターンも多そうですね。
仏間、寝室×2、居間×2、食堂、キッチン、トイレ×2、檜風呂、日本庭園と広い空間もありますし、テラハクがフラッグシップ施設として位置付ける全力の内装や設備も居心地抜群です。
それに何より、国宝や重要文化財クラスの建物が並ぶ三井寺の境内に宿泊できるという特別感もあります。ほーりーは人生で初めて泊まった宿坊は京都にある妙心寺の塔頭でしたが、そちらで夜の伽藍を見たことも宿坊にはまった理由の一つでした。
同じように昼には見られない三井寺の風景を楽しめるのも、この和空三井寺の大きな魅力になりそうです。
また、今後のテラハクの広がりに目を転じて述べるなら、この価格はお坊さんや神主さんに紹介するにあたって、ちょっと勇気づけられる価格です。
実際に私もテラハクについて聞かれたときに、宿泊料はいくらになるのかという質問はよく受けます。
民泊=安宿、お寺の宿泊=安宿もしくは無償奉仕? みたいなイメージもあるためか、宿坊なんて開いてもお寺を経済的には支えられないのではという疑問を持つ方は少なくありません。
もちろん和空三井寺は一宗派の総本山、1300年の歴史を持つ境内、宿坊の内装にも思いっきり力を入れた特別な場所です。同じように一泊10万円(今後はさらに金額が上がる可能性もありますが)に設定できる場所は多くはないでしょう。
しかし10万円の宿坊が生まれれば、3万円の宿坊が各地にできやすくなるというのは、ほーりーが以前から訴えている話です。実際にこの価格帯であれば2017年から少しずつ誕生していますし、一般的なお寺や神社も十分に参入できる料金設定になるでしょう。
ということで、、、
これからいよいよ始まってくテラハク。
宿坊について検討されている寺社の方が上の写真を見て、うちではこんなすごい部屋は用意できないよなんて思われてしまいそうですが、そこは心配ご無用です。何度も書きますが、この和空三井寺はある意味でとても特殊な空間なので。
むしろ民泊制度を活用した宿坊作りは初期投資をなるべく抑えて、既存にある部屋や設備をできる限り活かしていく方が王道です。いろんな方が泊まりにくる中で、軌道に乗って資金ができたら手を入れたり、不満の出やすい点を見つけたところで改善したら無駄なコストも減りますし。
ということで、引き続きこのテラハクに興味ある方には、ご連絡頂ければ私も細かく説明していきますよ。話を聞いてみたいという方は、お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。