高野山・金剛三昧院の経蔵(重要文化財)の屋根に穴が空きました
和歌山県の高野山は真言宗の開祖・弘法大師空海が開かれた一大聖地であり、宿坊好きにとっては街中にたくさんの宿坊が並ぶ夢の国です。ほーりーもいろんな宿坊に泊まらせて頂きましたが、それぞれに魅力ある場所ばかりでした。
そしてその中でも金剛三昧院は、国宝の多宝塔や重文指定の建築物が並ぶ圧巻の境内が魅力です。高野山の宿坊の中では唯一、世界遺産の構成要素にも名を連ねています。
なのですが、その貴重な建築の一つである経蔵の屋根に、2020年9月の台風で穴があいてしまいました。それも10cm四方というかなり大きな被害です。
下の写真は、その破損した屋根を撮影したものです。
だいぶ、ひどいことになっていますね。
そういえば私もこの台風が過ぎた後にちょうど金剛三昧院さんに宿泊させて頂いたのですが、屋根の上だったので気が付きませんでした。しかし先日、久利住職とお話しして状況を伺い、旅行した時の写真を見返してみたら、確かに応急処置の施されている跡がありました。
そんなわけで今回は微力ながら、こちらの修復支援の紹介をさせて頂きます。
高野山・金剛三昧院とは
金剛三昧院は高野山の大通りから脇道に入り、奥へ奥へと進んでいった静かな場所にあります。入り口にはこんな案内板が置かれていました。
そして境内に入ると、貴重な建築を目にすることができます。下の写真は国宝の多宝塔です。
さらに本堂には源頼朝公の念持仏・愛染明王像が安置されています。こちらは北条政子が運慶に彫らせたと伝わる仏像ですが、ものすごい迫力です。朝のお勤め後に間近で拝観させて頂きましたが、力がみなぎってくるようでしたよ。
そんなわけで金剛三昧院の宿坊レポートは、以下のリンク先に詳しくまとめているのでご覧ください。
今回、破損してしまった経蔵とクラウドファンディング
そしていよいよ本題ですが、境内には重要文化財に指定された経蔵があります。
こちらは名前の通り、お経の版木が納められている蔵です。他にも重要文化財の愛染明王図や釈迦涅槃図、伊藤若冲の絵画など、大切な宝物を守ってきました。建築的には校倉造りで、鎌倉時代に作られた例は少ないことから貴重な存在です。
そして屋根自体も桧皮葺という、檜(ひのき)の樹皮を重ねて葺いた古来からの伝統的な様式で造られています。これは穴があいた場所だけ塞げばよいと言うわけにはいかず、全体を修復しなければなりません。さらにこうした破損は建物全体にもダメージを及ぼすため、なるべく早く直していく必要があります。
しかし、その必要金額は総額で約2000万円。補助金などもあるものの半額程度は自己資金で賄わなければならず、さらにここ2年近くはコロナによって宿泊者や拝観料なども減っています。
そんなハードな状況でもあるため、今回は多くの方からお力をお借りしつつ、高野山とのご縁を結ぶ機会にもなればとクラウドファンディングが企画されました。
以下はこのプロジェクトを推進されている、金剛三昧院 久利康暢住職からのメッセージです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この度、クラウドファンディングに挑戦しようと思った理由は、もちろん重要文化財の経蔵の屋根の修復の資金を集めるためでもありますが、第一は金剛三昧院の名前を世間に広めるためです。
ここ2年はコロナで参考になりませんが、高野山は年間100万人を越える観光客が来山します。そのほとんどの方は金剛峯寺、奥の院、壇上伽藍にお参りに行きます。そして、宿泊の方は宿坊寺院に泊まられますが、日帰りの方はおみやげを購入して帰られます。つまり、117件もの寺院がありながら、全くその寺院の存在を知ることもないまま下山するんです。
117件の寺院のうち一件くらい、先の三ヶ所以外にもっと気軽に立ち寄れる寺院があってもいいんじゃないかと思い、クラウドファンディングを行い名前を知ってもらいたいと思ったんです。
皆様からの支援をきっかけに、高野山に来た際は是非立ち寄りたくなる寺院造りを行いたいと思います。是非ともご支援をよろしくお願いいたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ということで、、、
高野山に何度もお参りされている方はもちろん、以前に行ったことがある方や、訪れたことがないけど足を運んでみたい方など、ぜひこれを機会に金剛三昧院さんとご縁を結んでみてはいかがでしょうか?
なお、クラウドファンディングの詳細と、実際のお申し込みは以下のリンク先をご参照ください。
世界遺産登録寺院高野山金剛三昧院の重要文化財 経蔵の修復にご支援を
ほーりーも少しお金を出させて頂きましたが、ご協力いただける方がいましたら、よろしければぜひぜひご支援お願いいたします。