常連さんと向き合うことは初心者への対応よりも難しい

先日、『お寺葬』を手掛けるT-sousaiさんのオンラインセミナーで、『お寺を盛り上げる7つのアクション』を講演させて頂きました。こちらはお寺を中心にした新たなコミュニティ作りの方法を、7つに分けてまとめたものです。
その内容は電子書籍版の案内ページで詳しく紹介しているので、よろしければ以下のリンク先をご覧ください。
そして今回は講演後の質疑応答で、お寺によく出入りしている「常連さんとの付き合い方」が話題に上がりました。
ほーりーはこれまでいろんなサークルやコミュニティを作りましたが、常連さんは初めての方より接し方が難しいと考えています。これは私が主催するイベントでは、できるだけ初めての方が居心地良く過ごせることを心がけているためです。
つまり裏を返せば、常連さんの居心地を犠牲にしているということでもあります。時には口うるさいことも言いますし、初めての方への応対が忙しくて放置気味になることもあります。そしてそれだけに常連さんには気を使いますし、何度も来て頂ける方には最大限の感謝をします。
そこで今回はなぜ、常連さんとの付き合いが難しいのか、そしてほーりーがどのように対応しているかをまとめてみます。
常連さんとの付き合いはなぜ、難しいのか?
そもそもの話ですがコミュニティを主催されている方の中には、ほーりーとは逆に初めての方のほうが大変だし面倒くさいと思われる方もいるでしょう。
何度も足を運んでくださった顔なじみとは、お互いに人となりが分かっています。また主催者としては、説明せずとも場の流れを理解してくれているのは助かります。
ほーりーも寺社コンでは初めての方から、参加方法について細かな質問を受けることは多いです。お寺で言えばお布施はいくらなどと言わなくてもよい相手の方が、精神的な負担は減るでしょう。
また人間心理で言えば、単純接触効果というものがあります。何度も会えばそれだけで、相手への好感は増していきます。つまり基本的には常連さんの方が、初めての方を相手にするより楽な要素が多いわけです。
ただ一方でコミュニティの方向性として、主催者が何度も顔を合わせている方ばかり向くのは問題があります。
常連さんは自分自身で、コミュニティを居心地の良い場所にしようとするパワーがあります。何か不満や問題を感じれば、それを口に出して伝えてきます。しかし初めての方はただ黙って来なくなります。
そして往々にして両者の居心地の良さは、トレードオフになりがちです。その結果、常連さんの声ばかり聞いていると、初心者にはとても居心地の悪い場所になります。
上のリンク先記事は、そんな状況をまとめた話です。「どなたでも歓迎します」と言われていても、実際には居心地悪くてとてもいられないというお寺はたくさんあります。しかしそんなお寺こそ、長年足を運んでいる人には最高の居心地だったりするわけです。
ほーりー流のコミュニティ設計法
常連さんの応対が楽になるか難しくなるかの境目は、融通をどの程度利かせるか、あるいは常連さんのふるまいに目をつむるかによります。ほーりーは(右も左も分からぬ)初心者には融通を利かせても、常連さんにはルールをしっかり守ってもらうことを心がけています。
例えば時間厳守と定めていた時、初めての方は場所が分からなかったり、入ってよいかで悩むなど、来るだけでもいろいろなハードルがあります。また遅刻すれば本人も申し訳なさそうにしていることが多いので、「次からは気を付けてくださいね」で済ますことはよくあります。
ただこれが常連さんで「俺は何度も来ているのだから、遅れて来たってかまわない」という態度だったら、「それは違うでしょう」と注意します。常連さんはコミュニティにおいて最も大切な存在なので、その振る舞いが全体の空気につながるためです。
そしてこの時、単に注意やお願いをするだけでなく、「あなたの行動は全体に影響を及ぼす」ということをしっかり伝えれば、気持ちよく協力してくれやすくなります。
そこで講演でも、以下スライドを用いて話をしました。

またその次に、こんなスライドも出しています。

全体の場では初めての方に配慮を促しつつ、常連さんには特別行事や個別の相談などを行う形です。これであれば「来れば来るほど扱いが悪くなる」と思われることは少なくなるでしょう。
と、いうことで、、、
常連さんと接しているのは、気心が知れている分だけ楽しさもあります。またもし厳しいことを言って嫌われたとしたら、心のダメージも大きくなるものです。
ただ、コミュニティは一朝一夕でできるものではありません。常連さんだけ優先していると、初心者にはどんどん入りにくい場になっていきます。内輪だけで固まる場もあって構いませんが、それだけだとコミュニティはどんどん衰退していくでしょう。
ほーりーはお寺生まれでもなければ、育った家庭がどこかに所属していたわけでもありません。また大学を卒業するまで、お坊さんの知り合いも全くいませんでした。現在のようにお寺社会とがっつり関わるようになったのは、部外者としてあちこち入る経験を繰り返したためでもあります。
なのでお寺には、できるだけ多くの方に開かれた場であってほしいと願っています。初めての方が来るのは面倒くさい。そんな意見が少しでも少なくなればと、今回も『お寺を盛り上げる7つのアクション』をお話しさせて頂きました。
