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他力本願ネットでお寺しかできないことを質問され、答えてきました

先日、京都・西本願寺から道路をはさんだビルにある浄土真宗本願寺派総合研究所さんで、ほーりーの活動について取材を受けてきました。

総合研究所さんと言えば、ほーりーがエンディング産業展でいつも疲れて来たときに立ち寄っていた心のオアシス。そして鋭く切り込んだアンケートを投げかけることでも話題になっています。

以下はそのアンケートについてまとめた記事です。

お坊さんの悪い印象を教えてくださいと聞く、西本願寺が攻めている!

一般の人よりも、お坊さんの方が僧侶に悪印象を持っている

お坊さんは僧侶を力量で判断し、一般の人はお布施の額で判断する

そんなわけでしょっちゅうお世話なっている組織なのですが、目の前を何度も通っていたのにここが拠点だったとは知りませんでした。

浄土真宗本願寺派総合研究所

そして今回は他力本願ネットの制作チームからの声がけです。この他力本願ネットとはお坊さん達が作っている情報サイトで、「人生100年時代の仏教ウェブメディア」という副タイトルが掲げられています。

この中に僧侶が見聞きした社会貢献活動『僧シャル見聞録』というコーナーがあり、今回はこちら用にインタビューを受けました。

まあ、ほーりーの活動が社会貢献活動かどうかは置いとくとして。話は宿坊を中心にしたもののあっちこっちに飛びまくりながら3時間近くに及んだので、果たしてどのようにまとまるか楽しみです。

内容はいずれ他力本願ネットに掲載されると思うので、ご興味ある方はそちらをお待ちください(私も楽しみに待っています)。

お寺から聖域は、どんどんなくなっていく

そんな中でせっかくなので、ブログのネタとしても一つピックアップ。今回受けた質問の一つに、「これからもお寺でしか行えないものは何か?」というものがありました。

そしてほーりーの答えは、「何もありません」というものです。インタビュー時はもうちょっとオブラートに包んだかもしれませんが、これからお寺でしか行えないものは、どんどんなくなっていくと考えています。

ただこれは、「これだけはお寺の聖域として残る」という考え方は、非常に危険という警報でもあります。

実際にお寺にはこれまで様々な聖域がありました。例えは「土地」はお寺にとって重要な柱でした。しかし戦後の農地改革やこれからの人口減少による土地余りを経て、地代収入的なもので成り立つお寺は減っていきます。

「檀家制度」も分かりやすい聖域のひとつです。既存のメンバーを囲い混むだけでは、これからますます縮小するでしょう。

「仏教」は聖域でしょうか? もしもより良く生きるための教えとして捉えるなら、自己啓発や生き方探しはちまたにあふれています。そんなものと仏教を一緒にするなという意見には同意しますが、それでも選ぶのはお坊さんではありません。

「信仰」も聖域とは言えなくなりつつあります。今は企業製品も、性能より理念で売れる時代です。アップル製品のファンは信者と言われるほど深く信望していますし、テスラのイーロン・マスクCEOが掲げる「人類を救う」という壮大なビジョンにも、多くの共感が集まっています。

フォーブス誌の『世界で最も革新的な企業2016』で1位に選ばれたテスラですが、この企業は人類を救済するというイーロンの個性がそのままブランド化されています。

イーロンによれば、地球人口はこのまま増え続けて環境破壊が進めば、人類は滅亡をまぬがれないとのこと。そこで2002年に人類の火星移住を目指して民間宇宙企業「スペースX」を設立しましたが、火星に行けるロケットの完成には時間がかかることから、地球滅亡までの時間を作るためにガソリン車に変わって電気自動車を普及させようとテスラに乗り出しました。

手段も論法も異なりますが、それでも下手な宗教よりよほど理念的で、現実的で、そして狂信的でもあります。電気自動車を普及させるためなら儲けさえ度外視なところもり、2014年にはテスラの全特許をオープンソース化するなど、お布施の精神もビッグスケールです。

これまで神様や仏様、イエス・キリストなどに祈りをささげていた人たちからも、こうした企業理念へと帰依する人は増えていくでしょう。

お寺と外の領域は溶けていく

以前、「それはお寺じゃなくてもできる」という、思考停止ワードという記事を書きました。

ここで紹介したのは、参入障壁が高くて合理性に欠けたものほど、社会の進展やテクノロジーの進歩によって急激に変化するという話です。

例えばこれまで国家資格が必要だった「士業」は、その典型と言えるものでした。AIの発達により機械に奪われる職業候補に、これらは真っ先に挙がっています。

羽田空港も象徴的です。以前は成田は国外、羽田は国内と仕切られていましたが、2001年に韓国の仁川(インチョン)空港ができると、日本人ですら羽田・成田間の移動を嫌い、両者をすっ飛ばして地方から仁川経由で海外旅行を始めます。

その後、どんなに要望が多くても拒否されていた羽田の国際空港化が、あっさりと実現してしまったのはご承知の通りです。

今後は公共・民間・宗教といったプレイヤーの壁も、どんどん垣根が崩れていくでしょう。

公共事業はもともと利益の取れないものを、みんなの負担(税金)で賄おうという発想でしたが、現在は赤字事業に厳しい目が向けられています。一方で利益よりも世の中をより良くすることを目指した社会起業も広がっています。

このブログでは産業・宗教・官公庁が手を組む、産宗官の連携加速も語ってきましたが、これもほーりーの予測よりダイナミックに動いてきました。

『産宗官』の重要性。これからの寺社が押さえるべきキーワード

本来的に人がより良い人生を送ることを羅針盤に据えれば、国も会社もお寺も同じです。ただしこれまでできることが限られていたので三者のテリトリーは不可侵化していましたが、今後はその境界もあいまいになっていきます。

ということで、、、

そう言えば取材受けている時の写真を撮るのを、忘れてしまった。ただ、窓から眺める西本願寺が今までに見たことがない角度からだったので、ちょっと載せときます。

西本願寺の眺め

それはともかく、他力本願ネットさんの取材でお話させて頂いたのは、お坊さんが新たな分野に積極チャレンジしていくことです。これまでお寺でしかできなかったことは、今後お寺以外でもできるようになっていきますが、お坊さんが新たに生み出していったことは、それが(しばらくは)お寺でしかできないことになっていきます。

宿坊はその大きな一つです。「旅館」や「ゲストハウス」はどこにでもありますが、お参りできる宿はお坊さんにしか作れません。

仏前結婚式や永代供養も、お坊さんが関わることで仏教が血液として流れます。お寺にしかできないことを探すのではなく、お寺以外でも行われていることをお寺だったらどのように行うか考えることが、これからの「お寺でしかできないこと」を作ります。

この日は他力本願ネットのスタッフさんに誘われて、夜にお坊さん達の電気会社TERA Energyさんのイベントにも参加してきました。お坊さんが電気を売るなんて全く必然性がなさそうですが、再生可能エネルギーを推進したり自死者対策の活動資金に寄付したりなど、仏教者として解決したい問題へのアプローチにもなっています。

TERA Energyのイベント

他力本願ネットさんもいろんな企画を作っているので、ぜひ新しい分野をどんどん開拓してほしい。そんな想いを今回はばりばり語らせて頂きました~。

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浄土真宗本願寺派総合研究所

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