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住職の苦手はコミュニティ作りにおいて武器になる

膝を抱えた羅漢様

 先日、文化時報さんのオンラインセミナーで、『お寺を盛り上げる7つのアクション』をお話しさせて頂きました。こちらはこれまで1000人以上のお坊さんにお話ししてきたほーりーの定番タイトルです。

 その内容は、お寺を中心としたコミュニティ作りの方法を7つの項目にまとめたものです。そして今回のセミナーでは質疑応答が1時間近くも取られていたので、参加されたお坊さんやお寺で活動されている方とじっくりお話しすることができました。

 今回はその中から、私の中でも印象に残った質問とその答えをまとめて紹介いたします。

話すことが苦手というお坊さんにお伝えしたこと

 お寺を盛り上げる7つのアクション、その一つ目のアクションは「教会に行ってみる」です。清水寺とか金閣寺とか、観光で行くような場所であればともかく、一般的な街のお寺って馴染みのない人には行くのにとても敷居の高い場所です。

教会に行ってみる

 そこで私はお坊さんに、(知り合いも誰もいない)キリスト教の教会に行ってみることをお勧めしています。教会に行こうと思えば「部外者が勝手に入ってよいのだろうか」とか、「作法やマナーが分からず怒られるのでは」「強引な勧誘を受けてしまうのでは」など不安になるでしょう。

 実際に誰でもウエルカムな教会もあれば、関係者しか入れない教会もあります。なので自分で行ける教会を探して、実際に足を運んでみることは、一般の人がお寺に行く心理の疑似体験になります。そしてもしも教会に行ったらやることとして、「教会の方と話をしてみてください」ということをお伝えしました。

 すると質疑応答の時に、「私は人と話すことが苦手で、教会の方に自分から声をかけることができそうもないのですが、その場合にはどうしたらよいでしょうか?」とご質問を頂きました。

 これはコミュニティ作りにおいて、核にふれた質問と感じました。そもそもたいていの人間にとって、自分が部外者という立場で見知らぬ誰かに話しかけることは、ものすごく勇気のいることです。この「教会に行ってみる」というアクション自体、お坊さんにアウェイの怖さを知ってもらうことを目的にしたものですし。

 なので「いや~、私は誰とでも気軽に話すことができますよ」という方よりも、よっぽどお寺初心者に寄り添える可能性はあります。そこで「お寺に来る方と同じ怖さが感じられたなら、それを前提に境内を見渡してみてはいかがでしょうか?」とお答えしました。

 例えば一つの方法として仏様の説明やお参りの仕方などを、案内看板に書いておく方法があります。またお坊さんと話したい方は声をかけて下さいと掲示したり、イベントを開いて話し合う場を設けるのもよいでしょう。

苦手なことや短所、コンプレックスは武器になる

 これは少し話が飛びますが、ほーりーは長所だけでなく短所や欠点、苦手なことは武器になると考えています。

 そもそも私が宿坊研究会を開いていろんな方と交流を取り始めたのは、身近にいる人との話題についていけなかったためでした。周りの人が好きなカラオケとか遊園地とかラーメンとか芸能人とかは、どこか苦手意識がありました。それらも普通に楽しめる人間だったら、寺社巡りを仕事にする人生なんて歩まなかったでしょう。

 また寺社好き男女の縁結び企画『寺社コン』を開催したのも、恋愛に疎い自覚があったためです。高校は男子校、大学は機械工学科で過ごしていた私ですが、もしも人並みに恋愛経験値を積んでいたなら、800人以上が結婚する場など作れなかったと思います。

 今回のセミナーとは別ですが、以前にお坊さんの研修会で『法話で大切な7つの要素』という話をしたことがありました。これはいろんな法話を聞いてきたほーりーが心に響く話とは何か、その要素を抽出してまとめたものです。その中でコンプレックスを活用しようという話をしています。

法話には自己紹介が足りない

 頂いた質問の話に戻すと、初めての方にも物おじしない性格であれば、それはそれで大きな強みです。ただ話すのが苦手という性格も、うまく活かせば同じくらいに強みとなるでしょう。

ということで、、、

 苦手や欠点を武器にする。これは言うは易しと思われる方も多いと思います。実際に得意なことをそのまま活用するより工夫が必要ですし、どんな場面にも当てはまるとは限りません。

 ただそれでも世の中なんて、足りないものだらけです。「時間」と「お金」と「知識」と「経験」と「才能」と「情報」と「人脈」と「実行力」と「機運」がそろえば一番良いかもしれませんが、そんなにそろうことはまれでしょう。

 ほーりーの好きな仏教の話に、チューダパンタカの物語があります。ものすごく物覚えが悪かったため、お釈迦様にひたすら掃除をするように教えられ、悟りを開いたお弟子さんです。

お掃除小僧

 そこまで極端ではなくても、大抵の人間はあれが足りない、これができないと思いながら、それでも一歩ずつ進んでいます。欠点を活かすという考えは、その一つの方法になるのではないでしょうか。

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