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高市早苗氏が首相になると訪日旅行者が増え、宿坊にも波及する

インバウンド観光

 先日、投開票された自民党の総裁選で、高市早苗氏が新総裁に選出されました。この結果を見てSNSでは喜んでいる方と不安を覚えている方と、両方いるようでした。

 高市氏と言えば、自民党の中でも右派の政治家として知られています。特徴はいくつかありますが、不法滞在や土地取得など外国人対策の強化について大きく言及している部分は、一つの転換点になりそうです。また程度は異なりますが、先の選挙で日本人ファーストを掲げた参政党が躍進するなど、この分野は世間で注目(あるいは不安・不満)が高まってきたイシューでもあるでしょう。

 一言で言えば、これからは外国人に厳しめの軌道修正が行われることになりそうです。ただほーりーの予想としては、それでも日本を訪れる海外からの旅行者は増えていく、むしろ高市早苗氏が首相になることで加速していくと考えています。

 そこで今回は総裁選の結果を受けて、これから日本がどのように変わっていくか。特にほーりーのメインテーマ、宿坊にどう影響するかを考察してみます。

高市氏の経済対策は、円安に向かいやすいものが多い

 外国人に厳しい対策を取りそうなのに、これから訪日旅行者が増えていく。一見矛盾しそうな話ですが、その根拠は2つあります。一つは高市氏の主張する政策は、円安に向かいやすいものが多いこと。そしてもうひとつは海外からの旅行者に対する施策はあまり述べていないことです。

 まず一つ目の円安ですが、高市氏は赤字国債の発行もいとわず、総裁選を争った他の候補者より積極的な財政出動を主張されていました。また巨額の税収減を伴う減税策や、日銀の利上げに否定的見解を述べるなど、円安に向かいやすい方針を多数並べています。

 このため実際に総裁選が終了した後、1ドル=147円台だったものがあっという間に152円を超えました。また対ドル以外でもほぼ全ての他国通貨と比べて、円安フィーバーになっています。

 ほーりーは優勢が伝えられていた小泉さんが勝っても市場に織り込まれていてそれほど為替は動かないけど、もし高市さんが総裁になったら円安にぶっ飛びそうだなと思っていました。なので小さなリスクに比べて大きなリターンが見込めたこの時期、総裁選前に3桁万円をドルに変えていました(結果的にそこそこプラスになりました)。

 そして円安が進めば、インバウンドは盛り上がります。それ自体は一長一短あるものの、宿坊にも波及していくと考えられます。

高市氏は海外からの旅行者を、大きくは制限しない(と思う)

 外国人に厳しい態度を示しそうな高市氏ですが、それは不法滞在や外国人による土地取得などへの対策強化、あるいはスパイ防止法といった国防上の施策が中心です。現時点では訪日旅行の観光施策について、それほど目立った発言はしていません。

 「インバウンド観光客の入国を禁止すると述べた」という話が広がったことはありますが、これは様々なメディアがデマだったと報じていました。また奈良公園のシカを外国人が蹴ったという話を取り上げたことはありますが、これは(元の話が真偽不明な上に)感情への訴えという面が強く、具体的な方策につながるかは未知数です。

 もちろん政治姿勢的にこれから何がしかの動きが出ないとは限りませんが、今のところ訪日旅行者を大きく減らす方向は目指していないと思われます。そしてそう考えると円安が長期に渡って続いていけば、「2030年までに外国人旅行客数6000万人を目指す」と述べていた小泉氏より、結果的には訪日旅行者が増える可能性もあるでしょう。

 ほーりーはオーバーツーリズム自体は問題と考えているので、出国税や宿泊税の強化などで負担を強いられる地域に還元しつつ、地方や過疎地へ旅行者を分散させる方策が重要と考えています。

 そうした地域は檀家さんも減っていますし、宿坊はお寺を次世代につなげる支えにもなります。企画作りでご一緒している山口県の二尊院さんとか、日本人ですら行くのを躊躇しそうな秘境ですが、海外の方が泊まりに来られていますしね。他にも日本人より外国人の方が泊まっているよという宿坊はいくつかありますが、そんな形も一つの方向性です。

ということで、、、

 ほーりーの率直な意見としては高市氏は小泉氏より、先の予測がつきにくい政治家だなと考えています。これはどちらが良かったということではなく(高市氏に関しては支持する部分もあれば、これはやめてという部分もあるので)、周辺環境も含めてふり幅が大きいという話です。

 前総裁の石破氏もそうでしたが、自民党の中で極端な意見を掲げる方もトップに立つと、その主張を引っ込める傾向が見て取れます。トランプ大統領のようにやりたい放題できないのは、強みでもあり弱みでもあるでしょう。

 実際に副総裁に据えられた麻生氏は積極財政派というわけでもなく、高市氏の方向性とは幾つかの違いが見受けられます。また少数与党となっている自民党が、これからどの党と組むかでも変わってくるはずです。他には政策金利を上げるかどうか、日銀との綱引きもありますね。

 後は可能性としてはほんのわずかですが、野党が結束して別の方を総理にするとか。

 なので変数が多すぎて読みづらい部分はありますが、高市色がある程度発揮されるなら円安は今後も進んでいくでしょう。このため宿坊も、これからますます外国人対応を考えないといけない時代に入っていくと思われます。

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