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コロナ差別に禅やマインドフルネスが有効ではというZen2.0の話

ZEN2.0のバナー

 以前、顧問を務めていたインナーコーリング社がエン・ジャパンの再編によって終了して以降、マインドフルネス分野からは少し遠ざかっていたほーりーです。

 なのですが、今回は知人から『Zen2.0』を取材しないかと連絡が来たので、久しぶりに知識を最新化させておこうと乗っからせて頂きました。

 こちらは禅やマインドフルネスに関する様々な講師が集まり、講演やワークショップを行う人気イベントです。過去にも取材したことがありますが、その時の記事はこちらです。

健康に寄与することは、これからお寺が生き残る一つの道

 毎年、鎌倉・建長寺で行われていましたが、今年はコロナの影響もあり、全てZoomによるオンライン配信で開催されました。

建長寺・長尾宗務総長によるZen2.0の意義

 そんなわけで当日、我が家のパソコン前で待機していると、鎌倉との中継がつながります。まずは建長寺・長尾宗務総長からご挨拶と法要、そして坐禅会が行われました。

建長寺・長尾宗務総長

 今回は建長寺にとってもありがたい機会だったそうです。社会がこれまでと同じ生活が行えずに疲弊する中で、心について発信する場はお寺としても何か作れないかと考えていたとのことでした。

 建長寺は鎌倉時代の創建時にも流行り病が蔓延しており、世の中が平穏になるようにと建てられました。そんなお寺での今回のZen2.0開催には大きく期待されているようで、その熱い想いが伝わるご挨拶でしたよ。

 そしてそこからはいろんな講師が入れ代わり立ち代わり、お話しされていきます。

コロナによって、マインドフルネスはどう変わるか

 その中でもほーりーが特に興味を持ったのは、初日に行われた『Withコロナ時代のマインドフルネス~共生社会の実現に向けて~』という講演でした。関西学院大学人間福祉学部の池埜聡(いけのさとし)教授と、マインドフルネスファシリテーターの内田範子氏が講師です。

 ここでテーマとなったのは、コロナ差別でした。ニュースでも様々なものが報じられましたが、新型コロナウイルスの流行により、県外から訪れた人への嫌がらせが行われたり、一部の職業に対する中傷が相次いだりなど、差別的な行為はあちこちで報道されました。また海外に目を向ければ、アジア人に対する偏見なども広がっています。

 この大まかな原因は、「本能的な防衛反応」と「社会的な判断」によるものだと、今回は述べられていました。

コロナ差別のメカニズム

 つまり「コロナが怖い」という想いが、自己内での社会規範を生み出し、そこからそれている人に嫌悪感を抱いたり、攻撃的に振る舞ってしまうとのことでした。

 例えば最近だと、『Go To トラベル キャンペーン』は分かりやすい事例かもしれません。こんな時期に旅行促進なんて日本を亡ぼすつもりかという人もいれば、経済を止め続ける方が人が死ぬという方もいます。

 ちなみにほーりーは4月の時点で、自粛によって自死自殺する人はコロナで亡くなる人よりはるかに多くなると危惧しているので、『Go To トラベル』も賛成派です。

これから自死自殺者が3万人に戻るので、お坊さんにお願いしたいこと

 実際にここにきて、亡くなる方が増えてきていますしね。経済死は遅行的なものなので、こんなに早く始まるとは予想以上にまずい気がしますが。

 まあ、そんなわけで世の中にはいろんな観点があるわけですが、それにもかかわらず一方的な感情だけで旅行する人に罵詈雑言を浴びせる行為は、コロナ差別の典型と言えるでしょう(あんまり聞きませんが、家に閉じこもる方に経済を潰す気かとなじる人がいれば、そちらにも同じことが当てはまります)。

 そして講演の話に戻りますが、マインドフルネスによる瞑想は、こうした差別的な感情を抑える上で有意に働くそうです。

マインドフルネス瞑想の効果

 コロナ差別に限定したものではありませんが、人種や年齢、ジェンダーなどに人間がどのような反応を示すかを調べる潜在連合テストによって、瞑想後は差別的な感情が出にくくなることが実験によって示されています。

 この『潜在連行テスト』とは例えばパソコン上に出てくる人間の肌の色の違いと良い・悪いなどの言葉の組み合わせを選ぶものです。もちろん肌の色が異なっていたとしてもあからさまに悪い言葉を選択する人は少なくなってきていると思いますが、このテストでは特に反応速度を計測するため、自分の意志だけではコントロールできない無意識化でのイメージもあぶりだされます。

 そしてこのテストを行う前に10分のマインドフルネス瞑想を行った人と行わなかった人とで比較すると、前者の方が偏見のレベルが低く抑えられたそうです。

 これはまだ仮説ではあるものの、過剰な内省や過去の経験から切り離されることによって、とらわれや偏見から解放されているのではと紹介されました。
 

ということで、、、

 今回はオンラインイベントということで、その他にも身体能力の拡張について述べられた講座もありました。

 人間は道具を持つことで、感覚が広がっていきます。例えば原始時代に棒を持って獲物を追った人は、握りしめた手のひらまでではなく、棒の先まで意識が向いていたでしょう。

 現代では車を運転すれば、車幅まで感覚が広がります。そしてオンラインではこれまで気が向かなかった領域にまた意識が届くというようなお話でした。

 今はまだ、あたふたしていて慣れないオンラインによるコミュニケーションですが、こうした禅やマインドフルネス、そして今後の技術発展なども巻き込みながら、これからどんどん進化していくように思います。

 私自身もコロナを機にオンライン恋愛相談を開催したりもしましたが、これまでできなかったこと、やらなかったことへのアプローチも確実に変わっています。

 今回はたくさんの講座があって、なかなか一口にはまとめられない2日間でしたが、そんなことを感じさせてくれるイベントでした。

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建長寺・長尾宗務総長

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