御朱印で法話が聞ける『話朱印』の7つのメリット
先日、千葉県の円東寺さんと一緒に、御朱印をスマホで読むと住職が登場して法話をしてくれる『話朱印』を開発しました。
こちらの動きを簡単にまとめると、以下の形です。
(1)QRコードで専用のサイトにアクセスする
(2)カメラが起動するので御朱印に押してある『しゃべる御朱印』という文字を読む
(3)住職が登場して、お寺のご由緒を話してくれる(音声が流れる)
(4)住職をタップすると、お寺のウェブサイトに飛ぶ
ほーりーが半年くらい、水面下で実験していた秘蔵企画。先日もエンディング産業展に持ち込んだら、いろんな方に興味を持って頂けました。そして改善を重ねながら動作もスムーズになってきたので、これから少しずつ仲間を増やしていけたらと考えています。
ということで今回はこの話朱印の導入メリット(自画自賛?)を、まとめて紹介します。
話朱印が持つ7つのメリット
(1)お坊さんや神主さんの顔が見えて親しみがわく
まずは何より、お坊さんや神主さんの顔が見られる点です。やはりこれがあるのとないのとでは、お寺や神社への想いが異なってきます。
もちろん直接会って話ができれば一番です。ですが現実的に参拝者一人一人と話すことは、難しいと思います。またウェブサイトやSNSに住職の顔写真やメッセージを載せておく方法もありますが、わざわざそれを丁寧に見る方は少数です。
(ちなみにだいぶ前ですが、ほーりーは様々な寺社のウェブサイトを見て、そこにお坊さんや神主さんの顔写真や名前が載っているかを調査したことがあります。今はもう少し増えていると思いますが、調査した時は1割くらいでした)
なのでこの話朱印を入り口にして、お坊さんや神主さんの顔を見て頂く。そして声を聞いてもらう。これがあれば単にお参りするだけより、格段に親しみを持って頂きやすくなるでしょう。さらに今度は直接会える日に行こうという動機作りになるかもしれません。
(2)仏教や神道にふれる入り口になる
御朱印は人気が過熱化し、集めるだけで満足される方も増えています。ですがそうした方をけしからんと非難するより、御朱印を楽しみながらお寺や神社全般へと興味が広がる入り口にしていく方がほーりーの好みです。
これはこのブログや月刊住職の連載、そして出版した本などでも主張してきた「小さな階段」という考えにつながるものですね。
堀内の企画術。仏教への道を階段状にすると、お寺とコラボできます。
せっかく御朱印好きな方が多いのであれば、その御朱印を楽しんでいるうちにいつの間にか寺社への理解が深まっていく。話朱印はそんなものにしていけたらと考えています。
なのでこの話朱印は、仏教や神道のことを伝えたいという熱い想いを持ったお坊さんや神主さんと、コラボしていきたいと思っています。
(3)ちょっと変わったオリジナル御朱印を作ることができる
御朱印は日々、様々なものが出ています。しかし全てとは言いませんが、現状では絵を描くことが得意な方が話題になることが多いです。なのでうちもオリジナル御朱印を作りたいな、だけど絵を描くことは苦手だからなという方も少なくないのではないでしょうか。
何を隠そう、ほーりーも絵心はありません。あまりに下手なため、絵が描けなくても漫画が描けるソフトを使って四コマ漫画を作っています。そして先日出たAIで絵が描けるサービスとかでも遊んでいました。
AIが絵を描くMidjourneyで仏教的なアートを作りました
そんなわけで、この話朱印も絵が描けないけど新たな御朱印を作るぞ! というお坊さんや神主さんに喜んで頂けたらと考えています(もちろん絵が得意な方も大歓迎ですが)。イラスト付き御朱印と比べて専用のハンコを押すだけなので、一枚一枚作るのもそれほど難しくありません。
(4)導入に手間やコストがそれほどかからない
ほーりーはこの話朱印を構想してから、様々な実験を繰り返してきました。
ですがその甲斐あって、ある程度形ができた今となっては寺社への導入にもそれほど時間はかかりません。円東寺さんに導入したのも、打ち合わせは2日&facebookのメッセージでちょこちょこやり取りしただけです。
また円東寺さんの場合、お寺にかかった費用は新しく作ったハンコ代(1411円)くらいです。圧倒的にリーズナブル! もちろん話朱印にどこまで求めるかによっても変わりますが、導入時も運用後も低コストなのがこの話朱印の強みです。
(5)コロナ禍の非接触時代にも向く
コロナの感染は拡大と収束を繰り返しています。そして対面での会話を遠慮したり、法話会などを中止したりすることもあるでしょう。そんな時にこの話朱印を用いれば、非接触でお坊さんや神主さんの話を伝えることができます。
法話やご由緒、お参り作法や境内の見どころ、さらにはお経を唱えたりご祈祷の音声などを聞いて頂くこともできます。そして使い方によっては月替わりで法話の内容を変えたり、特別な行事の日だけメッセージを入れ替えることも可能です。
これもまた、ほーりーが『お寺を盛り上げる7つのアクション』でお話ししている、お寺をホームテンプルと思って頂く仕組み作りです。
(6)書き置きに理由ができる
ひとつ上の項目にも通じますが、コロナの感染拡大を防止するため、御朱印を書き置きのみとされた寺社も増えています。ただこれは御朱印好きの中で、とてもがっかりされる方が少なくありません。
実際に書き置きしかない場合はパスするという方はたくさんいますし、住職が戻れば直に書けると聞いて、半日くらいお寺で待っていた方の話も聞きました。人によってはそのくらい、情熱を燃やす部分です。
ただこれだけだと、書き置きの御朱印があまりにかわいそうです。話朱印は直書き、書き置きどちらも対応可能ですが、書き置きに意味を持たせることも可能です。それはマーカーとなるハンコを押して、それをスマホで読むことで動作するためです。
小さなハンコなのでそんなに失敗することはありませんが、直書きの場合はハンコがかすれたり押すのに失敗すると、申し訳ないことになってしまいます。それを防ごうとすれば、書き置きの方が安全です。
円東寺さんの場合、これまでも住職が不在の時は書き置きの御朱印をお渡ししていた。ただそれだと参拝された方に申し訳ないため、これから書き置きの時だけ話朱印にしようと仰っていました。そして本当にわざわざ「直書きでなく、書き置きの御朱印をお願いします」と言う方も現れました。
(7)御朱印がどこの寺社か分かる
これはちょっと失礼な話かもしれませんが、御朱印帳を後日見返した時に「どこの寺社で頂いたんだっけ?」と思い出せなくなってしまうのは、御朱印あるあるです。これは達筆な方が書いた御朱印ほど、起こりがちなことでもあります。
ですが話朱印の場合、お寺や神社の説明を聞くことができるので、分からなくなることがありません。御朱印のどこだっけ問題を地味に解決できるのも、話朱印の良いところです。
ということで、、、
この話朱印。頂く側から見て便利な点を挙げると、特別なアプリを入れなくてもブラウザ上で動くことです。
iPhoneならSafari、AndroidはGoogle Chromeがあれば起動します。他のブラウザだと動かないこともありますし、他にも動作しないことがありますが、今のところ大抵の方はうまくいっています(一人だけ、なんで動かないか全くわからないけど、ダメだった方がいますが)。
そんなわけで、忙しいのにまた始めてしまった新プロジェクト。しかも完全にほーりーの持ち出しだぜという感じですが、人生は遊び倒した方が勝ちだと思っているので、よろしくお願いいたします。