お寺や神社で使えそうな変わった畳製品7選
お寺や神社で使えそうな製品や技術情報を共有しているfacebookグループ『テクノロ寺(神社)』を主宰しているほーりーですが、このところ立て続けに変わった畳を見る機会がありました。
そこで今回はこんな畳がお寺や神社に使われたら面白そう&便利そうというものを、ピックアップしてみました。
お寺や神社で使えそうな変わった畳7選
音が鳴る『畳スピーカー』
まずは先日、原宿にあるハラカドで見てきた『畳スピーカー』です。こちらは名前の通りスピーカーが仕込まれていて、音が出る畳です。今回はこれを活用して瞑想体験が行われていました。
畳から音と振動が伝わってきて、それに合わせて呼吸をする仕組みです。呼吸の専門家が監修されていて、3秒ほど息を吸い、6~10秒くらい息を吐いてからしばらく止める瞑想を行いました。また終わった後に後ろのスクリーンで、自分の呼吸リズムを確認することもできます。
そして畳スピーカーで寝転がって音を聞く体験もしてみました。個人的にはこちらの方が、瞑想より面白かったです。
波の音をヒーリングミュージックのように流したり、ドシンドシンと響いてくる恐竜の足音に合わせて畳が揺れたりと新鮮な体験でした。
さらにディレクターさんが急遽、般若心経を流して下さったのですが、お経に包まれているような不思議な感覚も味わえましたよ。畳スピーカーは高音より重低音を響かせるほうが得意とのことで、お坊さんの読経をそのまま集音して流しても良いのではなんて話で盛り上がりましたよ。
キャリーバッグを引きずっても傷つきにくい『ReFace』
続いて「日本一、丈夫でお手入れ簡単」という説明が書かれた、傷がつきにくい畳です。ReFace(リフェイス)は美しさと高機能をコンセプトに開発された織物で、従来の畳表を変えるだけで耐久性や耐候性(太陽光や湿気などによる劣化への耐性)が高まります。
このため土足で歩いたりキャリーバッグや車椅子を使用するような場所でも、長期に渡って使用できるとのことでした。
さらに耐水性を付加したAquaタイプもあります。お寺って人が集まって飲食することも多いので、飲み物がこぼれてもこれなら安心ですね。
転んでも骨折しない『ころやわ』
次は転んでも衝撃が吸収されて、骨折しない特殊素材マット『ころやわ』です。畳と言うより、その下に敷く素材です。
クッション性がある普通のマットや床材は、ぐにゃぐにゃと柔らかくて歩きにくいのが難点です。しかしこちらは通常時は固さがあるのに、衝撃がかかった時だけぐにゃっとへこむ不思議な商品です。これは高齢者が転倒しても安心で、病院や介護施設を中心に導入されています。
そしてこちらはお寺にも良いのではと、開発されたMagic Shieldsの下村社長と意見交換する機会がありました。ちょうど会場となった東京の観智院では、五体投地がよく行われています。
お念仏に合わせて床に膝をつく五体投地は、何度も繰り返しているとだんだん膝が痛くなります。しかしこちらを拝敷の下に敷いて使うと楽に行うことができましたよ。
もちろんお寺も高齢者が多く来られるので、段差のある転びやすそうな場所に敷くのもおすすめと仰っていました。なお、上の写真は転んでいるように見えるポーズの指導を受けつつ、写真撮影して頂いたものです。
圧巻のデザイン『すごい畳』
わたしもまだ直接は見たことがないのですが、ネットで見て驚いたのが『すごい畳』です。こちらは岐阜県羽島市の山田一畳店の山田憲司さんが制作されているもので、従来の概念を変えるような、様々なデザインが目を惹きます。
新潟県の本量寺に龍の畳を納品させていただきました🐉 pic.twitter.com/LbOCjGHcSQ
— すごい畳 〜無断転載OK〜🇯🇵 (@tatami1869) January 18, 2022
上の龍とかすごい迫力です。そしてこのすごい畳のメイキング動画も公開されていました。こちらを見ると、よりその素晴らしさが伝わってきますね!
すごい畳の作り方 pic.twitter.com/9UHZ3Ms4Rh
— すごい畳 〜無断転載OK〜🇯🇵 (@tatami1869) March 25, 2025
私の知り合いのある住職さんも、この畳を入れたいなと話されていました。もしお寺に入って龍が描かれた畳を見たら、それだけで忘れられない一日になりそうです。
畳のお風呂
これは宿坊で見かけたものですが、防水加工が施された畳のお風呂がありました。下の写真は長野県・善光寺の門前にある薬王院に宿泊した時に入ったお風呂です。
旅館のお風呂って床がひんやりしていたり、濡れて滑りやすかったりすることが多いです。ですがこの浴室用の畳は温かみがあるし、やわらかくて歩き心地も良く、さらに滑らないのですごく感動したのを覚えています。
また同じ畳かは分かりませんが、高野山の福智院にもお風呂の畳がありました。こちらは(かなり昔に)テレビのガイド役で参加した時に見せて頂いたので、実際には入浴していません。ただ手でさわった時にふかふかしていたのを覚えています。
これから宿坊を始められるお寺や神社は、こんな畳を導入してみるのもよいかもしれませんね!
棺に敷く『おくりたたみ』
葬儀やお墓、終活関連の業者が集まるエンディング産業展では、『おくりたたみ』という商品を見ることができました。
こちらは極東産機株式会社のブースに会ったもので、棺の中に敷くことができる葬祭用の畳です。畳の上で亡くなりたいというのは時々聞くフレーズですが、多くの方が病院のベッドで最期を迎える現代では簡単なことではありません。それをこうした畳を用いることで、温かみのあるお見送りにすることができます。
なお、このおくりたたみは年間に80000枚も採用されている実績があるとのことです。
畳の香りに包まれる『みどりのお棺』
死をテーマにしたイベントのデスフェスでは、い草で作られたお棺もありました。こちらは福岡県大川市の純国産い草を全面に使用し、株式会社doodeが企画・デザインされた製品です。
デザインも様々で、落ち着いた色調から明るめの柄が入ったものまで種類がありました。こちらもお棺自体が畳の香りに包まれるので、お別れの時間を優しく温かみある場にしてくれそうですね。
ということで、、、
畳ってそもそも和室が減っている中で、市場も右肩下がりの厳しい状況です。また使われている畳も国産から安い中国産などにシェアが移り変わっています。
ただやはり温かみのある感触とか、い草の香りなどは日本の風情を感じます。難しい状況の中でも頑張っている畳の生産業者や職人さんはいますので、頑張って頂けたらと思います。
もしも和室を新たに作るとか、そろそろ畳を変えなきゃと考えている方がいたら、ご一考されてみてはいかがでしょうか?