お坊さんが顔と名前を出す『まいてら』の面白さ
10月のお坊さん向け講演が、あと2つ残っている。資料もまだ未完成。やばい。ということで現実逃避にブログ書くことにしました。
しかもネタは1カ月以上前のエンディング産業展。これ以上放っておくと、ほーりーの頭から記憶が失われていくので。
まあ、講演資料はここ数日頑張ったから、あともうちょっとで何とかなるでしょう。
ということで、エンディング産業展で面白かったブースシリーズ最終回(多分)。まいてらのお話です。
『まいてら』がエンディング産業展に出展した経緯
今回のエンディング産業展。最初に出展者一覧を見ていて、ある意味で一番謎だと思ったブースが『まいてら』です。実際問題としてエンディング産業展って、ブースを出すのに50~100万円以上かかるんですよね。
まいてらは全国各地のお寺を検索するサイトです。「未来の住職塾」を運営する一般社団法人お寺の未来が作っていることもあり、私も気になってちょこちょこ見ていました。
サイトを見ると、県別や「法事」「坐禅」「法話会」などの目的ごとに、お寺を探すことができます。とはいえ、ここで何かを売り出しているわけではないので、まいてらさんが多額の費用を払ってブース出展する意義は何だろうと余計なお世話で思ってしまうわけですよ。
しかもこの会場に来る方は、お寺と密接に関わる業者の方が多数です。まいてらとBtoBも合わない気がしますし。いや、そんなこともないのだろうか。そんなわけで、ほーりーの好奇心を開催前から刺激しまくっていました。
が、これについてはとあるお坊さんが去年のエンディング産業展を見て、僧侶のブースがほとんどないことに問題意識を感じ、何を出すかも決めずにブース枠だけ確保していたとのこと。そしてまいてらに話が来て、出展が決まったようです。
なるほど。こういうミラクルを呼び込んでくるのも、まいてらのすごさなんですね~。
お坊さんが顔と名前を出す『まいてら』の面白さ
そんなわけで、当日のまいてらブース。ほーりーも自分のブース(アンカレッジの樹木葬)からふらふら歩いて、3日間遊びに出かけていました。
そして改めてまいてらのビジョンを聞いていたわけですが、やはりここは信頼できるお寺探しができることを強調されています。
「安心のお寺10カ条」に基づく審査を経たお寺のみが登録されていて、お寺と人が気持ちよくつながることを目標に掲げられています。
この10カ条は以下で成り立っています。
(1)確固な理念・方針
(2)仏教・寺院運営に真摯な僧侶・スタッフ
(3)まごころの弔い(葬儀・法事・お墓)
(4)充実したエンディングサポート
(5)仏教の智慧に触れる祈り・体験の場
(6)活発なお寺コミュニティ
(7)慈悲の社会福祉活動
(8)整った施設・設備
(9)財務の安定性
(10)堅実な管理運営(※必須基準)
ざくっとまとめてしまえば、「仏教にふれられる」「ご供養がちゃんとしている」「お寺運営が健全である」「お坊さんやスタッフがいい人」といった感じでしょうか。
そしてこうしたものを打ち出している背景には、現在は当てずっぽうでお寺に相談に行っても、痛い目見る例が後を絶たない背景があるのでしょう。
で、ほーりーがまいてらで、もっとも良いなと思っていることは、それぞれのお寺紹介で必ずお坊さんの顔写真が載っていることです。
まいてらサイトのそれぞれの寺院紹介でもそうですし、今回のまいてらブースに置かれていた登録寺院を紹介したカードにも、必ず顔写真とプロフィールが載っていました。
これね。私が常々、お寺のウェブサイトで問題を感じていた点なんですよ。立派な建物やお寺の歴史は丁寧に説明しても、そこにいる住職がどんな人か紹介されていないサイトが多すぎます。
人の気配がしない写真ばかりが並んでいても、無機質で味気なくて、場合によってはうすら寒さすら感じてしまうんですよね。
私もお坊さんの前でよく講演させて頂く『お寺を盛り上げる7つのアクション』では必ず伝えている話ですし、日蓮宗の総本山・身延山の活性会議にお呼ばれした時にも、これを思いっきり強調させて頂きました。
話はちょっとそれますが、投資の世界だと経営陣が顔と名前をウェブサイトに載せている会社と、それをしていない会社を見比べてみたら、見事に載せている会社の方が業績が良かったなんて話もあります。
私は顔と名前を出すことは、本人の覚悟を作ることと同意義だと考えています。
ということで、、、
まいてらに頑張ってほしいと思うことは他にもいろいろあるのですが、やはり何と言ってもお坊さんのウェブでの顔出し文化を作ってほしいと、ほーりーは考えています。
まいてらさんが目指されている、お寺が信頼される社会を作るためにも、ここは必須だと思いますし。
もちろんまいてらに登録していないお寺も、自分のウェブサイトに載せるだけなら、すぐにでもできることです。
あと、ネット上だけに限らず寺報とかにも、住職の顔を載せてもいいですしね。
プロフィールが充実していたり、住職の想いがしっかりと書かれたサイトを見ると、それだけでも安心感はぐぐっと増します。ぜひぜひ、そうした血の通ったお寺の見える化が進んでいったらいいなと期待しています。