1. TOP
  2. 03.寺社旅研究家のアイディア集
  3. 02.生き方全般
  4. 発言に怒る価値はないが、傾向に怒る価値はある

発言に怒る価値はないが、傾向に怒る価値はある

青鬼

先日書いた、『誰かを殴らなければ生きていけないお坊さんに伝えたいこと』が、思ったよりもあちこちで反響あったようです。

で、そうすると、これって誰のことを言っているんだろうとか、俺のことを言っているのかという感想(というか、探り?)も、幾つか目にしました。

なので先に言ってしまいますが、これは特定の誰かの発言を指して、書いたものではありません。そう言い切ってしまうのもちょっと語弊ありますが、様々なお坊さんの書き込みを俯瞰した時に、こうした発言をする人が結構いるなと感じて書いたものです。

発言に怒る価値はないが、傾向に怒る価値はある

それで今回の本題ですが、私はある特定の発言や行動に怒る価値はないが、傾向に怒る価値はあると考えています。

いや、私も人間なので、嫌なこと言われたり、自分の信条から大きく外れた行動を見れば、自分と関係ないことでもムッとします。ですがそれはブログやSNSなどで第三者にまで叩きつけるべきではありません(と、なるべくしないように気をつけてます)。必要であれば、相手に直接言えば済むことです。

一方、こうした人は多い、こんな傾向があるということは、私にとって怒る価値があります。それは誰かを攻撃するのではなく、社会に向けた提言になるからです。

『美坊主コンテストを痛烈に批判する人が見ようとしないもの』は、私にとってこの問題の境界記事です。コンテスト批判という事象までは挙げましたが、誰か個人の発言を取り上げる書き方はしませんでした。

もちろんコンテストを批判した人の中には、「自分のことを言っているのか」と思われた方もいるでしょう。ですがそれは一人ではなく、大勢いました。私はもしもあの時、美坊主コンテスト批判をした人が一人しかいなかったら、あの記事は書いていません。自分に実害がないのなら特殊な誰かの考えをわざわざ批判しても、鬱憤ばらし以上の価値はないからです。

怒りを提言に変えるには、共通項を抜き出すこと

少し前ですが、「保育園落ちた 日本死ね!」というブログが大きな話題となりました。

これはお子さんが保育園に入れず、働きに出ることができなかったお母さんが書かれたもの(匿名なので推定)ですが、国会でも取り上げられるなど波紋が広がっています。

このブログ自体は個人的な発言ですが、ここまで広がったのはこの問題が多くの人にとって他人ごとではなかったからです。この件自体は偶然と言えば偶然ですが、私は怒りを意味ある提言にするには、多くの人に共通した問題でないとダメだと感じています。

今回の『誰かを殴らないと生きていけないお坊さんに伝えたいこと』も、何人かイメージしている方はいますが、その人たちは宗派も立場もバラバラです。

しかしそこには、「正しい仏教を伝えたい」→「自分とは相容れない仏教の解き方が目につく」→「断罪コメントを連発する」→「批判ばかりが目立つ姿からは、仏教者としての姿勢が感じられない」という共通項が見えました。

これは最初の部分に関しては、程度の差はあれお坊さんであれば誰でも持っている感情でしょう。お坊さんでなくても似た感情は様々な業界であるでしょうし、新しいものに対する周りの反応としては普遍的とさえ言えます。

ですが「正しい仏教を伝えたい」→「自分とは相容れない仏教の解き方が目につく」で、終わらせることもできるでしょうし、「自分が正しいと思う方法で、相手に負けないくらい頑張る」という進み方だってあるはずです。怒りをぶちまけるのではなく提言とするのなら、同じ構造を持つ別の事象を複数集めて、「構造」だけを批判することもできます。

なので私は前回、「自分の主張に反するものを、反射的に批判するのはやめよう」というメッセージをまとめました。

もちろん、この考えを支持するかしないかはその人次第です。ですが私は根っこの部分に「正しい仏教を伝えたい」があるのなら、私のブログを見て「確かにそれはあるよな」と感じてくれるお坊さんが増えれば、私の怒りは意味ある提言になったと思います。

そして業界全体にその空気があるかどうかで、変化への受容度が変わってきます。それすなわち寺社旅研究家(=ほーりー)がこの先、生きやすくなるかどうかが変わってくるということです。

\ SNSでシェアしよう! /

ほーりーの旅ブログの注目記事を受け取ろう

青鬼

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ほーりーの旅ブログの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • コロナに横面はたかれたほーりーが行っている危機管理手段

  • 洞察力のない人は、他人の失敗を予言する

  • 企画作りの達人3人が使う、3つの円が重なる図

  • ほーりーの手抜きを見抜かれたので、言い訳を語ってみるよ

  • コラボレーションの罠に陥っていないか。自己点検させられた田舎力

  • 独創性のない名産品をオンリーワンにして、地域起こしをする逆説的な方法