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コラボレーションの罠に陥っていないか。自己点検させられた田舎力





 田舎力―ヒト・夢・カネが集まる5つの法則 (生活人新書)

 金丸弘美 著

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「地域のブランドデザイン」をテーマに全国800あまりの農山漁村を取材された、
食環境ジャーナリストの金丸弘美さんの本
です。

宿坊と地域活性をテーマに講演を依頼された時、
私がまず最初に読んだのが本書でした。

副タイトルは「ヒト・夢・カネが集まる5つの法則」。
そのタイトル通り、本書は地域活性に必要な5つの項目から構成されています。

発見力 もとからある地元の良さを見つけ出す力。

ものづくり力 自分たちできちんとしたオリジナル商品を生み出す力。

ブランドデザイン力 明確なビジョンを掲げ、物語を伝える力。

食文化力 食の基礎とも言える知識を整理し、文化にまで高める力。

環境力 安全な食を作り、地域の心をひとつにまとめる自然環境へのアプローチ力。

後ろの2つは食に特化していますが、
文化に昇華できるのは食だけではありませんし、
人と人とがまとまる環境要因も自然だけではないでしょう。
そうした意味でこの5つは様々なことに応用が効きそうです。

そして私が特に刺激を受けたのは、ものづくり力。

これには生産から加工、販売、営業、宣伝まで、
全てを自分(または自組織)で行う覚悟と、
そこから見通した全体像の把握・構築が必要です。

未知の分野をすぐに人に渡していないか。
身に付けられるスキルを、簡単に人に譲り渡していないか。

たとえ短期的には早く上手くいったとしても、そうしたクセは高くつく。
自戒を込めて考えたのは、まずはなんでも自分でやってみるということでした。
(もちろん全てを自分だけで行い、他者を頼らないということではありませんが)

原料を渡すだけなら苦労はないけれど、生き残ることもできない。

本書の中で特に深く心に刺さった言葉です。
これは大手メーカーに加工原料を供給しても有利な方向にはならず、
自分達で商品を作り直接消費者に売るための販路を獲得した農協の方の言葉です。

本書を読んで当初の目的としていた
寺社と地域活性のヒントはたくさん得られましたが、
それよりもまずこの言葉に出会えたことが、
本書を読んだ何よりの収穫でした。

コラボレーションというのはとても大切ですし
私もお坊さん達に推奨していますが、
それがいつの間にかできないことを丸投げする姿勢になってしまうことは、
意外に多いかもしれません。

私もまずは自分でやってみる。
たとえ下手でもやってみる。

これを自分の人生に組み入れていきたいと思います。





 田舎力―ヒト・夢・カネが集まる5つの法則 (生活人新書)

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