宿坊スタートアップミーティングで、暑苦しいほーりーが考えてること
いよいよ今月末。5月30日に東京・道往寺を会場に、『宿坊スタートアップミーティング』を開催します。これまで関西では2回開催しましたが、東京では初めてということもあり、気合いが入っています。今回はいつもより暑苦しくほーりーの想いを書いたので、アイキャッチの写真も暑苦しくしてみました。
それはともかく。
そもそもの発端として、ほーりーは宿坊泊まり歩きの旅から寺社巡りにはまりました。
きっかけは大学時代に古い街を歩くサークルに入り、そこで見つけたガイドブックの「お寺に泊まれる」という一文です。
それまで建物としてのお寺は見ても、中に入って一夜を過ごせるなどとは考えたこともなかったため、好奇心からおっかなびっくり泊まってみたのを覚えています。
しかしそこで過ごした一夜は、想像をはるかに超えるものでした。
寒さに震えて過ごすかと思ったら快適な客室があり、静まり返った夜のお寺は昼の観光とは違った美しさがある。
その時はまだまだ仏様のいる空間で、心を厳粛になどと殊勝なことを考えていたわけではありませんが、それでも凛とした聖域の凄みに衝撃を受けたことを覚えています。
普通のサラリーマン家庭に生まれ、学校でも同級生にお寺の子どもがいたわけでもない人間には、お寺の中は見るもの、ふれるものすべてが新鮮だったわけです。たった一夜の体験でしたが、それはほーりーの人生を全て変えてしまいました。
宿坊は寺社を未来につなげる一助になる
それから20年。まさかこんなに研究が続くとは思ってもみませんでしたが、知れば知るほど、泊まれば泊まるほど、宿坊の奥深さにドはまりしています。
宿坊には日本各地で100軒くらい泊まり、お参りした寺社は5000は軽く超えていると思います(正直、数え切れませんが)。
そしていつの間にか多くのお坊さんや神主さんと知り合い、時には一緒に企画を作ったり、講演などを行わせて頂くうちに、お寺や神社の未来像についても考えるようになりました。
仕事でも遊びでも寺社巡りばかりのほーりーですが、この楽しさや人生に与える影響を、もっとたくさんの方と共有できたら。それが旅活動の根幹をなす大きな要素です。
そしてもう一つ。これから人口が減少していく中、潰れたり放置される寺社が多数出るという予測も、あちこちで語られるようになりました。
大好きな寺社が消えていくのは忍びない。ほーりーの活動でその流れを食い止められるとは思いませんが、それでも何かできることはあるのではないか。
数多ある寺社を全て守ることはできなくても、そのうちのいくつかは次世代につなげていければ、それはほーりー一個分の人生を使っても十分以上に価値がある。そんなことを考えています。
神様や仏様と向き合う空間としても、古建築などの文化財としても、失われれば二度と取り戻せなくなるものは多数あります。
宿坊には寺社を未来につなげる力がある。今はその可能性を全力で切り開きたいと、走り回っている状態です。
宿坊を作るには、多くの専門家の力も必要
一方で、ほーりーだけでできることはめちゃくちゃ限りがあります。
というよりも、宿を作るには様々な知識やノウハウが必要で、チームを組まなければ乗り越えていくことはできません。
実際問題、私は10年以上いろんな企業に宿坊を作るプロジェクトを提案してきましたが、その成果はとあるビジネスコンテストで頂いたプリンター1台のみでした。
しかし、その流れが変わってきたのが3年前です。全国寺社観光協会が宿坊創生プロジェクトをスタートさせ、私もご一緒させて頂くことになりました。
そしてこちらでは法律や建築、税務、広報、保険など、様々な企業や専門家と、宿坊を作るために提携してその知恵を結集しています。
古建築などを活用する上でのリスク対策。宗教法人としての税制や会計面などの複雑さ。単に人を泊めるだけではなく、仏教や神道にふれるための仕組み作りなど、お寺や神社が宿坊を始めるには一般のホテルや旅館とは異なる課題もあります。
宿坊自体は古くからある形式ですが、それでも多くのお坊さんや神主さんには、まったく新しいチャレンジになるでしょう。
訪日旅行者の増加による宿泊需要の増加、民泊制度の解禁など、世の中的には大きな追い風も吹いています。乗り越えなければならない壁も低くはありませんが、宿坊を作って寺社に布教と経済両輪のモデルを作るという意味では、前に進みやすい条件はそろってきています。
そこで今回の宿坊スタートアップミーティングでは、その最前線モデルと言える全国寺社観光協会&株式会社和空で開発している民泊型の宿坊支援『テラハク』の仕組みを中心に、宿坊の導入について考える機会を作ります。
そして何より言うまでもないことですが、宿坊はお寺や神社という場や建物だけではなく、お坊さんや神主さんの力や想いも絶対に必要です。それをみんなで語り合えたらと思いながら、現在は当日の準備を進めています。
ということで、、、
こんなことをめちゃくちゃ熱く考えているほーりーですが、いきなり宿坊やろうよと言っても、そんな簡単に「やりまーす!」と言える方も少ないでしょう。
むしろ、熱すぎて引かれちゃったらどうしようと思っているくらい。
なので『宿坊スタートアップミーティング』には気軽な情報収集で来られても良いですし、宿坊が現在どのような流れにあるのか、ちょこっと頭の片隅に入れることを目的にされてもぜんぜんOKです。
ほーりーが10年以上研究している宿坊の話も、惜しげもなく語る予定ですし。
興味を持って導入を考えるにしても、いや~これは違うなと判断されるにしても、まずは知って頂かなければ話になりません。
なので別に参加されたからといって、宿坊を開くと言うまで帰さないぞなんてつもりはないのでご安心ください。
(もちろん、宿坊を開きたいと積極的に考えている方には、個別相談も含めてとことんお付き合いしますが)
宿坊スタートアップミーティングの当日の流れなどはこちらでも紹介していますので、よろしければご覧くださいね。
ぜひぜひ、当日会場でお会いできることを楽しみにしています。
なお、以下は企画の紹介です。
宿坊スタートアップミーティング3
日程 : 2018年5月30日(水)
時間 : 14:30 ~ 16:30 (開場 14:00)
会場 : 道往寺
アクセス : 都営浅草線・京急本線「泉岳寺駅」A3出口から徒歩1分(お寺に有料駐車場あり)
参加費 : 無料
参加資格 : 宿坊に可能性を感じ、ポジティブに考えられているお寺・神社の方
【会場地図】
【参加申し込みフォーム】
参加をご希望される方は、以下のフォームよりご連絡をお願いします。お申し込み頂いた方には別途、案内メールをお送りします。