ほーりーが講演を10万円で受ける3つの理由
先日、講演料をテーマに、知り合いとまた少しディスカッションをしました。ほーりーは基本的に講演は10万円(+交通費・宿泊費)でお受けしています。
過去の資料を思いっきり使い回せるとか、ほーりーがあまり行かない遠方からの依頼とか、30分以内のミニ講演の場合など、何か理由があるときは(ブログを見て頂いている方には)割引させて頂いていますが。
今年も1つを除いて講演は全て10万円(またはそれ以上)でした。そして来年もまたこの価格で、すでに依頼を頂いています。
そんなわけで、今回はほーりーがなぜ講演料を10万円に設定しているのか、その理由をお話します。
ほーりーが講演を10万円で受ける3つの理由
価格を公開したのはすでにずいぶん前からですが、それ以降ほーりーへの講演依頼はだいぶ減りました。
これって地味に精神にくる(特に最初のうちは)んですよね。いままでたくさんの方から声をかけて頂いていたものが、パタッと途絶えてしまうわけですから。
それでも講演料は10万円ですよと言い続けるには、理由があります。
その方が儲かるから
まずは最も現金な話から。単純に言ってその方が、収入が大きくなるためです。
かけられていた声の大半は、無料から1万円以内の少額依頼です。
もちろんほーりーに無限の時間があれば全部受けても良いのですが、現実の時間は有限です。
以下の記事にも書きましたが、講演準備ってものすごく時間がかかるんですよ。
なのであちこちで安易に受け続けていると、他の作業が何もできなくなるわけです。
ついでに言うと、ほーりーがやっていることはお寺や神社の活性化なんていう、とてもニッチな分野です。
日本に5000万人はいるサラリーマンを対象とした講演ならまだしも、お坊さんと神主さんを合わせても20万人はいない世界で薄利多売をしていたら、あっという間に行き詰ります。
10万円なんて世間一般の講師で言えば、一番安い部類です。逆に言えばそれすらもお支払い頂けない場所で講演していたら、仕事として成り立たないということでもあります。
業界が育つから
先に現金な話をしたので、志も述べておきましょう。
ほーりーは『石垣型モデル』というものを提唱していますが、お坊さんや神主さん、さらには私のように寺社旅活動される方が、その道で食べて生きやすい世の中になっていったらと考えています。
詳細は以下の記事に書いていますが、お寺社会は約8割が檀家さんからのお布施で成り立っています。そしてここまで偏ってしまったのは「金儲けをしてはいけない」という声が強すぎるために、お寺が稼ぐ手段を作れなかったためでもあります。
なのでお寺に関わる方は、何をやってもボランティアやワンコイン程度に流れる傾向が強いです。そこで誰かが自分のやっていることにはこれだけの価値があると、世間に伝えていくことが、大きな意義を持ちます。
実際にほーりーの仕事依頼価格表は、いろんな方が自分の仕事に値段をつけるための参考値にしたとお話されていました。
正直言って旗頭的なポジションに立つのは苦しいのですが、それでも多くの人の役に立つなら一肌脱いじゃいます。
自分のレベル上げを目指せるから
値段を公表することで一番苦しいのは、自分へのプレッシャーが高まることです。「えー、あんなやつに10万円も払うの」とか陰で言われますし。
べーだ。これまで何度もこの価格で依頼を受けてきましたよ! ついでにその倍の価格になったこともあります。
と、子どもみたいな発言は置いといて、外からの圧力が一気に高まるわけです。
さらに言えば、依頼される方も厳しいものを求めてきます。無料で依頼してくる人は遊びの延長でも、10万円で依頼してくる方はプロとして認めて下さっているわけです。
その期待にはこちらも、全力で応えないわけにいきません。なので価格を公開すると、実力を磨くことにも必死になります。
また蛇足で付け加えれば、依頼の数を減らして一件一件の密度を上げると、取材や資料作りに時間をかけることができます。
プロのスポーツ選手がトレーニングせずに試合だけ出ることはあり得ませんし、ミュージシャンがライブしかしないはずもありません。
なのでしっかりと準備にコストをかけることも、自分のレベルを上げるための大きな要素です。
ということで、、、
周りをざくっと見渡しても、自分の講演価格を公開されている方はほとんどいません。なので依頼をされたけど相場が分からず、言われるままに安値で受けてしまっている方も少なくないと思います。
実際にほーりーも、初期の頃はあり得ないほど低価格で仕事を受けていました。そして走り回った割には赤字だったということも、一度や二度ではありません。
そして講演料を10万円に設定しようと考えたのは、尊敬しているとある方から「俺は20万円でうけているよ」とお聞きしたためでもあります。
なので10万円という基準値は、ほーりーがしんどい思いをしながら公開している情報でもあるので、活用したいという方は是非どうぞ。
いろんな方が様々な形でしっかりとした料金を設定し、依頼する側もそれを気持ちよく受け止める土壌が、未来に寺社をつなげる手段にもなっていきます。