大木であるよりドクダミを目指した向源の新たな挑戦
ほーりーが毎年、趣味でいじくりまわし、、、じゃなくて、取材させて頂いている寺社フェス向源。今年は幕張メッセで行われたニコニコ超会議に登場しました。
『ニコニコ超会議』と言えば、ネット動画サービス『ニコニコ動画』の巨大イベント。去年は2日間でのべ15万人が来場し、今年の入場者数は分かりませんが、同規模だとしても一日で7.5万人が来る途方もない催しとなっています。
なめてたよ。本当にこの来場者数をなめてた。10時に開場して11時から向源のイベントがスタートするので、余裕を持って到着したつもりなのに、入場するだけで40分待ちです。
しかも入場してから向源のブースまで10分強。歩いてじゃないですよ。走ってです。おかげで最初から汗だくになってしまったではないか。幕張メッセ全館貸し切りというのは伊達ではないな。
しかし中学時代にサッカー部で鍛えつつ、学校選抜の駅伝部にも駆り出されていたほーりーのスーパーダッシュで、どうにか10時59分に向源ブースに到着しました。20年以上経って持久力など見る影もないと思っていたけど、まだまだいけるんじゃないかしらん。
ニコニコ超会議では、あのテクノ法要とコラボ!
今回は福井県の照恩寺・朝倉行宣住職が作ったテクノ法要とのコラボです。経緯はよく分かりませんが、テクノ法要はもともとニコニコ動画でも再生数が多い人気コンテンツなので、テクノ法要をメインとしながら向源にも話が来たのかもしれません。
テクノ法要については、こちらをご覧ください。
ということで息を切らせたほーりーの前に現れたのは、テクノ法要・朝倉行宣さんと向源代表・友光雅臣さんのツートップ。視聴者のコメントが背後に流れるのがニコニコ的ですね。
そしてこの日はニコニコ動画でカリスマ的な人気を誇る、リア住(リアル住職)こと蝉丸Pさんも登場しました。
諸行無常は良いことだ。アニメの流行が移り変わっていかなければ、私たちはずっとキテレツ大百科を見続けなくてはいけないなど、キレッキレの法話です。
他にもTARIKI ECHOさんやキッサコさんなど、お坊さんアーティストがそれぞれ素晴らしいパフォーマンスを披露。TARIKI ECHOさんの舞台を生で見たのは初めてなので、こちらも面白かったです。キッサコさんは相変わらずの圧倒的な般若心経クオリティ!
会場には随所に向源らしさも出ていました
さらにステージ上では向源の目玉ともいえる真言・天台声明公演も行われました。ニコニコ超会議では「超歌舞伎」「超笑点」「超コスプレ」など、なんでも「超」が付くのがお約束です。
なのでテクノ法要も「超」が付いているのですが、友光さんの挨拶では特別なアレンジは行わないので、向源には超を付けなかったとのことでした。
そして会場にはいつものお寺体験が登場。お坊さんと話そう、サイレント坐禅、袈裟コレクション、入れる仏壇、仏像製作定点放送など、大勢でにぎわっています。
しかし周りを見ていると、やはり普段の向源とは異なるレイヤーの方がお坊さんの話に耳を傾けていました。こういう風景を見ると、アウェイに出ていく大切さを感じますね。
あ、あと、ついでですが、超テクノ法要×向源とは離れたブースで、ゲーマー僧侶の向井真人さんが奮闘していましたよ。普段は向源でも大活躍されているのですが、今回はボードゲームの体験コーナーでゲーム普及に努めていました。
向井さんの紹介は、こちらをどうぞ。
お坊さんが作った『御朱印あつめ』に見る、ゲームと仏教の可能性
そんでもって2日目は行けなかったけど、ネットで見ちゃってました。どんだけ、好きなんだ。ほーりー。
地を這うドクダミを目指した向源の挑戦
そんなわけで向源を中心に、ほーりーも知らない世界をあちこち探検しながらめちゃくちゃ堪能してきたニコニコ超会議。ですがやはりただ遊んできたわけではなく、いろいろと考えることもありました。
まずは何より一昨年までの急拡大路線が破綻し、方向を大きく転換した去年の向源。この辺のヒストリーは以下の記事をご覧ください。
読むのが面倒くさい方のために、軽ーく記事内容をまとめると
○参加者70人から6年で15000人が来場するイベント(2016年実績)へと成長した向源
○2017年に方針を転換して急縮小させた
○果たしてトップランナーとしての向源は終わってしまうのか?
という感じです。
事情やあれこれは友光さんから私も話を聞いたのですが、2017年は状況が激変したので開催だけで手いっぱいだったとのことでした。
しかしそんな中でも2017年秋に初めて東京以外での開催となる京都向源が行われ、そして今回はニコニコ超会議への殴り込みです。
またこれに付随して、もう一つ興味深い変更がありました。それは東京の向源は嶋田一成さんが代表になったことです。
今年の1月に友光さんがfacebookで発表された内容を抜粋すると
2011年9月に向源を初めてから向源を主催して、いつからか代表をやってきました。向源は8年目になり、今年は国内外5箇所以上で主催したり出展したりという年になりそうで、僕としてはその全てを実現できるように準備と打ち合わせを重ねています。さらっと言ってるけど5箇所以上だよ。海外もだよ。ビビる。早く情報解禁まで話進めたい。
(中略)
羽根を生やす仕事と、向源そのものを作ることを僕が両立することは難しく、東京の代表を誰かに任せたいという悩みを去年の年末にスタッフ内のグループページに投稿しました。
そこに日蓮宗の嶋田君がこんなメールを送ってくれました。『友光さん!あけおめでーす
中目黒の東京向源の代表、やっていいですか?』10秒以内に返信しました。
「いいよー
申し出ありがとう!!!!」
ということで、本丸的な東京での向源は嶋田さんが舵を取り、友光さんは対外的に輪を広げていく総代表的な立場になるようです。
それで思ったことは、向源はこれからドクダミになっていくのだなということです。これまで大きな樹を育て、枝葉を広げてきた向源が、去年はぽっきり折れました。
しかしここから大地に根付いて、しぶとい生命力で地面を覆っていく。ドクダミは地下茎を伸ばし、そのところどころから地上に芽を出し群生する植物です。強烈な臭いと共に、その独特の存在感は誰もが知るところと思います。
ニコニコ超会議の様な場では、お寺に親しみを持っていない方ともたくさん遭遇します。中には鼻をつまんでササっと逃げていく人も出てくるでしょう。
しかし優れた薬効を持ち、昔から治療薬として重宝された点は、ドクダミと仏教との共通項かもしれません。ドクダミ茶も身体にいいですし、花は意外ときれいですし。
友光さんの言葉を読むと、今年はたくさんの向源が地下からにょきにょき顔を出し、その強烈な個性で人を振り向かせる存在になるのではないでしょうか。そして垂直に大きく育つより、横に横にと広がっていく。それがこれからの向源なのでしょう。
おお、なんか今日のほーりーは詩人モードだぞ。
ちなみにドクダミの花言葉は「野生」です。ワイルドな生命力で息を吹き返した今年の向源には勝手に「ドクダミ戦略」と名付けて、新しい一歩をいじり倒して、、、じゃなくて後押ししたいと思います。
ということで、、、
ニコニコ超会議で思いっきり楽しんできたので、すでに終わったかのような記事ですが、向源の本番はこれから(ゴールデンウィーク後半)です。
今回はどのような形になるのか。東京新代表の嶋田さんからも、意気込みをお聞きしたので紹介します。
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9時から21時まで仕事(あるいはそれに準じる拘束時間)で、家には寝に帰る。
職場での私、同窓会での私、ツイッターの私、インスタグラムの私… と複数の私を持っていて、使い分けている私たち。
そうなると、いよいよ見失いやすいのが、“自分“というもの。むしろ「自分を見失った」と言っておかないと、本当に何処かに置き忘れそうになる「自分」。
私が数年前から関わっている寺社フェス「向源」というボランティアで運営するお祭りがあります。自分を見つめ直し、自分の源へ向かう、という忙しさにかまけてやらずにいる事を、体験を通じてやってみよう、というイベントです。
私は主催者の立場で参加します。自分の源というものが、見つかるかもしれないし、結局何もないかも知れない。私もこの原稿を書きながら「いや、見失うという表現は正しくない。もともと手元にあったかどうかあやしい」なんて考えます。
けれど、探すという経験をする。これまでのイベントには無かった体験を、どうぞ向源に探しに来てください。皆さんの参加をお待ちしています。
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今年のテーマは『アイデンティティ』だそうです。新たな自己形態を生み出し始めた向源で、自分を見つめてみるのは面白いかもしれませんよ。
イベント情報は、以下の通りで~す。
【寺社フェス 向源2018】
日程:2018年5月5日(土)~5月6日(日)※5/4には前夜祭もあり
会場:中目黒 正覚寺(5/5)
目黒三ヶ寺 [瀧泉寺(目黒不動)・五百羅漢寺・蟠龍寺] (5/6)
詳細は公式サイトをご覧くださいませ。