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無料で講演依頼する方は、準備にかかる時間とお金を認識すべき

増上寺での講演

先日、久しぶりにお金は払えないけど、講演をしてほしいという依頼が来ました。正確にはメールに講演料の記載がなかったので確認したところ、無料でお願いしますという返事だったわけですが。

講演は10万円(交通費・宿泊費別)でお受けしますと宣言してから、この手の話はだいぶ減っているので、ノーと言うのが苦手なほーりーは助かっていたのですが、それでも時々は来るみたいです。

そしてその方からのメールには、××業界が寺社と一緒にどんなことができるか。その可能性について述べてほしいと、テーマ指定までありました。

別にお呼び頂く以上、聴きたい話もあるでしょうし、内容をリクエストされることは問題ありません。

ですがテーマに細かな指定がある場合、講演はものすごく準備に時間とお金がかかります。

内容を一から練る必要がありますし、資料も作らなければいけません。なので基本的に、無料で受けられる話ではないんですよね。

ということで申し訳ありませんが、今回は速攻でお断りしました。

一つの講演で、スライド資料は何枚必要なのか?

一方でこうした依頼をされる方も、悪気はないのかなと考えています。ただ単純に講演ってどのくらい準備に時間がかかるのか、自分の中で感覚を持っていないのでしょう。

例えば3分に1枚表示させるペースでスライド資料を作るとしたら、90分の講演では30枚になります。ただ、実際に人前に立って話すと分かりますが、1枚のスライドで3分持たせるのは大変です。

私の場合は確認して見たところ、90分で60~90枚くらいになっていました。だいたい1枚につき、2分弱で話している計算になりますね。以下は私の講演ごとのスライド枚数です。

お寺を盛り上げる7つのアクション 70枚/90分
お寺の奥さんの5つのアクション  69枚/90分
檀家数減少時代のお寺の方策    82枚/90分
神社と人をつなぐ7つの要素    76枚/90分
タブーを超える7つのアクション  67枚/90分
宿坊でできる7つの修行      90枚/90分
宗教とビジネスの可能性      40枚/60分
婚活ピラミッドの崩し方      36枚/60分

ついでに言うとほーりーは、文字と写真(あるいは図など)をセットで入れることが多いです。

宿坊の成立

文字だけでスライドを作る人もいますが、私はそれだけだと記憶に残らず流れていく気がするので、「声」と「文字」と「写真」の3要素で伝えられるように時間をかけて作りこんでいます。

まあ、この辺は講師によってやり方が全く変わりますが。私が受けた中では5秒ごとにどんどんスライドを変えていく、ラップみたいなテンポで講演する方もいましたし。あれは、資料作るのがとんでもなく大変そうでした。

講演資料の取材費には、12万円かかっていた

そして講演資料を作るためには、全体の構想を練ったり、情報を集めるなどの下準備も大切です。というよりも、むしろこちらの方が多くの時間を使います。さらに取材費だって馬鹿にはなりません。

ということで、直近で作った新作『神社と人をつなぐ7つの要素』をもとに、準備にどれだけコストがかかっているかを計測してみました。

神社と人をつなぐ7つの要素

まずこの講演。普段はお坊さんの前で話をさせて頂くことが多かったほーりーが、神主さんの研修会で初めて講師を依頼されたものです。その意味では依頼を受けた段階で、ほぼゼロからスタートです。

そして、だいたい以下のタイムスケジュールで、資料を作っています。

2018年1~2月 大まかなアウトライン作成
2018年3月   手元にある材料だけで大ざっぱに資料作り
2018年4~5月 取材やインタビューを重ねながら、資料を作りこむ
2018年6月   全体仕上げ、そして講演

また4~6月の取材では、以下の場所へと足を運んでいます。

○東京都千代田区
○奈良県御所市
○茨城県石岡市
○埼玉県川越市
○埼玉県さいたま市
○神奈川県海老名市
○宮崎県高千穂町
○東京都台東区
○千葉県鴨川市

これらの交通費・宿泊費を合計すると、約12万円かかっていました。あと、取材先へのお土産代とか含めると、もうちょっと膨らむかな。

なんてことだ。取材費だけで赤字ではないか。まあ、他の用事もこなしながらなので、完全に真っ赤ではありませんが。

とは言え、90分の講演を作るためには、このくらいの時間とお金がかかることは、依頼者側も認識しておいた方が良いでしょう。

無料で講演依頼する人は、相手を尊重してこない

そして面白いのは、無料で講演依頼する方と講師料をお支払い頂ける方を比べた場合、後者の方がほーりーのことを尊重して下さる方が多いことです。

これはTwitterで、似たようなことをつぶやいている方がいました。

講演業が本業ではないほーりーは、何が何でもお金を取ってやるぞと思っているわけではありません。

下のリンクにある仕事依頼価格表でも、「いろんな事情でお金はあまり用意できないけど、ほーりーにぜひ来てほしいという方は、その事情と思いのたけをお知らせ頂ければ、たぶんかなり考慮します」と書いていますしね。

ほーりーへのお仕事依頼価格表、2018年版に更新しました

でも、実感値としてお金を払うつもりはないよという方は、そこまでほーりーを必要としているわけでも、講習会やイベント自体に熱い想いを持っているわけでもないんですよ。

ここ1年では1回だけ無料講演を引き受けているので、全員がそうだとまでは言いませんが。でも、だいたいはそんな印象です。

ということで、、、

講演準備は依頼者が考える以上に時間がかかる。逆に言えば、準備不要なトークイベントとかパネルディスカッションなどは、そこまで高くなくても良いとは思っています。

まあ、それでも一日拘束されるので、よっぽど面白そうなものでなければ無料ではお受けしませんが。

これは以下の記事でも語ったことですが、講演料を安売りしないことは、お寺や仏教が広がる上でも大切です。

講演料を赤字にするスター僧侶がお寺の首を真綿で絞める

安売りの弊害を簡単にまとめると、以下の通りです。

○お寺のパイが小さくなる
○安値を当然と思われると、仏教のイメージが不当に下がる
○本人の講演レベルが頭打ちになる

また、当然ながらこれは講演に限りません。ほーりーが勧めている宿坊作りだって同じです。

宿泊価格が不当に低いと、宿坊自体が消えていく

2018年はクローズドなものを含めれば、あと3回講演する予定です(その他に、ミニ講演も少しあります)。そのすべてがお金を払って下さる、ありがたいご依頼です。

ということで、私も目いっぱいご満足いただけるように、資料作りを頑張っていきますよ。講演会場にお越しくださる方々も、よろしくお願いいたします。

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