お寺と人をつなぐ樹木葬セミナーが名古屋で行われますよ
ほーりーが顧問を務める霊園会社・アンカレッジの『お寺の樹木葬』。今回は名古屋にてセミナーを開催することになりました。
アンカレッジは東京にある道往寺の柏昌宏住職が創業した会社です。道往寺はもともと檀家さんが少なく、本堂も傷みが激しい将来に悲観の漂うお寺でした。そこでこのお寺をどう盛り立てていくかを模索して行きついたのが樹木葬で、道往寺はこの優しい雰囲気のお墓が好評を得たことで立ち直ります。
そしてアンカレッジはこの道往寺が得たノウハウを活用しながら、お寺を支援する会社としてスタート。このような経緯から現在は関東のお寺が中心ですが、京都や大阪、それに福岡のお寺と徐々に輪が広がってきました。
さらに現在は名古屋でも少し話が生まれているため、今後の展開も見据えて名古屋セミナーを企画中。ということで、今回はこの名古屋セミナーと絡めながら、お寺の樹木葬についてまとめていきます。
そもそもアンカレッジはなぜ、樹木葬を選択したのか?
先に述べた道往寺の柏住職。お寺の方向性を考える中で、なぜ樹木葬を選んだのか。これには3つの理由があります。
通常のお墓だと埋没するため
道往寺がお墓を開苑した2013年、樹木葬はまだほとんど見ることがありませんでした。
当然ながらその分、最初に作る上では苦労しています。アンカレッジが創業したのは2009年なので会社を作ってから樹木葬オープンまで4年もかかりました。
しかし石塔型のお墓では、周りとの差別化ができない。道往寺のような大寺院でも名前が知られているわけでもないお寺では、これまでとは異なるお墓だとはっきりと示す必要がある。このような考えのもと、リスクを取りながら作ったのが樹木葬庭苑です。
ちなみに現在は樹木葬の認知度や数も増えてきましたが、それでもまだまだ従来型のお墓よりは圧倒的に少数ですし、注目を集めやすい状況です(口述しますが、名古屋は他地域よりも優位です)。
お寺に提案してくる企業のビジネスが荒っぽかった
樹木葬に行きつくまで、柏住職は様々な石材店や不動産屋、デベロッパーにも相談しています。しかし石を売ることが目標の石材店や、大規模な投資で機械式納骨堂を勧める不動産業界など、今一つお寺と共通して目指せるゴールが見つからなかったとのことです。
もちろんこうした会社が、お寺のことを全く思っていなかったわけではないでしょう。ですが石材店と手を組めば従来型のお墓に近くなりますし、機械式納骨堂を建てようと思えば数億円レベルの莫大な投資が必要になります。
これらの企業と手を組めば、どうしても相手の価値観に寄らざるを得なくなる。細かなお寺のニーズをくみ取るためには自分で会社を興すしかない。そうした想いからアンカレッジが生まれました。
樹木葬は人とお寺をつなぐのに役に立つ
柏住職のビジョンではお墓が売れることはもちろん、それがお寺と人をつなぐ布教に結び付くことも重視していました。
そしてそのために必要なことは、売って終わりではなく繰り返しお参りして頂くことです。そこで周りを見渡すと、従来のお墓には「怖い、暗い、固い」というイメージが付きまとっていました。
花と緑にあふれ、季節ごとに景色も変わる。単純に見た目でもいいなと思い、これならお参りする方も来やすいのではと感じたことが、樹木葬を選択した決定打にもなっています。
お寺の樹木葬は実際に売れているのか?
どれだけ理念があっても、実際にお墓が売れているかどうか。ここは重要なポイントだと思います。はっきり言いましょう。売れています。と、言い切れれば良いですが、これはほとんどのお寺ではしっかり売れているものの、多少苦戦している地域はあります。
それは京都です。京都は樹木葬のニーズがないわけではなく、地域の制度や慣習などで販売手法に制限があり、現時点では手こずっています。
しかしアンカレッジではこの状況を打開するために様々な工夫を凝らしており、少しずつ突破の見込みが立ってきました。
そしてその他の地域では、順調に販売が進んでいます。第一号の道往寺では第一期が1年を待たずに完売し、現在は第5期の区画まで作られています。
また先日、道往寺の次に作られた安詳寺でも1~3区画がほぼ埋まり、第4区画が新たにオープンしました。
92%のお墓が売れた、安詳寺の樹木葬開眼法要に行ってきました
その他のお寺でも想定通り、あるいは想定以上のスピードで販売が進んでいますよ。
お寺の樹木葬の強みは何か?
お寺の樹木葬の強みは大きく分けると3点です。
スモールスタート
お寺の樹木葬の大きな特徴の一つが、最初は小さく作ることです。これはお寺の住職が作った会社だからこその方針で、たとえ思い切り失敗したとしてもお寺自体を傾けないことを意図しています。
機械式納骨堂のように何億円レベルもの巨額な投資をして、それに見合うリターンが戻ってくるのであればウハウハです。
ですが世の中に、絶対成功するものなどありません。なので売れ残りダメージの回避はもちろん、想定外のトラブル発生も見据えて、スモールスタートは大切にしています。
もちろん「スモール」と言っても収益性の高さも大切にしており、1000万円以下の投資から1億円以上の売上も発生(東京の場合)しています。
なお、その他のリスク軽減策は以下にまとめていますので、ご参照ください。
お寺の樹木葬を導入したけど、お墓が売れなかったらどうなるか?
ビジネスと布教が両輪で回る
お寺の樹木葬はお坊さんが「お墓、売っといてね。よろしく☆」と、アンカレッジに丸投げできないシステムです。これは単にお墓を売るだけではなく、お墓の購入を布教の始まりと位置づけ、お坊さんには積極的なコミュニケーションを取って頂くためです。
樹木葬を導入したお寺には、アンカレッジのスタッフが販売員として常駐します(地方部などで難しい場合には、お寺の方が直接販売したり、地域の会社と連携を取ることもあります)。そのために名古屋でも数ヶ寺が導入して下さった方が採用活動やスタッフの配置など利点が多いので、今回のセミナーも企画しています。
しかし仏教(教義やご供養、法要の意義なども含めて)を伝えるのはお坊さんの役割です。そしてここまでお墓を導入して下さったお寺では、お坊さんが一生懸命前に立ってくださっているので、宗旨不問で販売しても購入者の8割以上がそのお寺で葬儀や法要を行っています。
宿坊の場合もそうですが、業者任せではお金は稼げても布教にはつながりません。さらに言えば、「お金を稼げる」という点でも、短期的な話にとどまります。
(実際に葬儀会館に面倒なことをゆだねたことで、葬儀からお坊さんの存在はだんだん軽くなりましたし)
宗教がなければ、ビジネスとしても回らない。お寺の樹木葬で言えば、お坊さんの存在がお墓販売のアピールポイントにならなければ、お寺にお墓を持つ意義も薄れていくでしょう。
独自のマーケティングノウハウがある
アンカレッジは道往寺の柏住職が創業した会社ですが、現在は伊藤照男さんが社長を引き継いでいます(柏住職は顧問になっています)。この伊藤社長はお墓に関するマーケティング業界で長く働かれていた方で、アンカレッジでも様々な試行錯誤を行いながら、販売手法を広げています。
そもそも納骨堂を作ったお寺で、収蔵可能数に対する申込数が20%に満たない(8割以上が売れ残る)割合は5割近くというレポートもあります。
つまりそれだけお墓や納骨堂の販売は簡単ではない(数十万円から百万円を超えるものですし、当然と言えば当然ですが)わけですが、その中でこれだけの結果を出していることは、顧問であるというほーりーの立場を差し引いて見てもすごい話です。
例えば女性目線を強く意識しているなんてことも、その一つです。少し前に伊藤社長から聞いたアンカレッジのデータですが、購入実績の男女比は女性が55%となっています。
しかし1人用のお墓に限れば、71%が女性です。つまり2人用、あるいは4人用のお墓も女性(妻)が選び、男性(夫)が契約していることが伺えます。実質的にお墓を選んでいるのは女性なわけですね。
こんな風に(というか、上記はほんの入り口ですが)お墓を取り巻くニーズや社会情勢の細かな調査が、お寺の樹木葬を支えているわけです。
他にもお寺関係の活動者が集まる『お寺の応援団』を立ち上げたり、コミュニティラジオの番組作りやサッカーチームのスポンサーになったりなど、変わった活動もあれこれしていますよ。
愛知県は対人口比で見ても、樹木葬が少ない
これはアンカレッジではなく業界全体の話ですが、愛知県は樹木葬がまだまだ少数です。ここで総務省統計局と樹木葬なびの数値から、関東・関西の人口の多い都府県と比べた樹木葬1件に占める人口の対比表を作ってみました。
上記の表は区画数に関わらず、一つの霊園は1件で数えているため、おおざっぱな概算です。それでも愛知県は兵庫県に次いで、樹木葬の競争率が低いことが伝わってきます。
東京だってまだまだ好調なのに、愛知県はその2.5倍も売れやすいかもしれないわけです。名古屋やその近郊、あるいは愛知県まで含めても、お寺が樹木葬を導入するなら今はチャンスと言えます。
ということで、、、
上で書いたことと共通する部分もありますが、お寺の樹木葬のメリットを箇条書きで10個書くと、
○駐車場3台分ほどのスペースで始める、リスクを抑えた導入計画
○男性に嫌われても女性にターゲットを絞ることで得た需要の広さ
○世界レベルの造園家とコラボして作られたデザインの秀逸性
○安売り競争から脱却して生まれた収益力
○お坊さんがしっかりコミュニケーションを取る布教の足掛かり策
○購入者の8割が葬儀法要を依頼する、新たなお寺サポーター作り
○一定期間で合祀墓に移す土地のサイクル活用
○都心部から離島までお墓を作った経験値
○アンカレッジ独自のマーケティング能力と販売ノウハウ
○ほーりーが顧問を務めることで、なんかいろいろ話題になる
などがあります。
ということで、アンカレッジにとっても名古屋での展開は注力したい事項であり、今回のセミナーには力を入れて準備しています。
ちなみにこのセミナーはほーりーも5回以上聞いていますが、樹木葬のみならずお墓全般の状況や世間一般のニーズ、アンカレッジが工夫してきたことやその事例が満載で、とても分かりやすいお話ですよ。
また樹木葬を導入して頂けたらという想いはありますが、当然ながら聞いたからと言ってそれを無理強いするわけでもありません。
ご興味ありましたら、よろしければぜひ以下のセミナー概要をご覧頂き、お申し込みくださいませ。ほーりーから直接アンカレッジにおつなぎしていきますよ。
ご住職のための永代供養墓セミナー
永代供養墓でお寺の未来を考える住職のための勉強会です。現在進行形で樹木葬墓に取り組み、挙がった成果を取り上げながら学ぶため、実践的な情報が満載です。
○セミナー内容
1.機械式納骨堂? 樹木葬墓? 散骨? 送骨納骨? データで見る最新のお墓事情
2.檀家離れの時代に寺院墓地は売れないのか? データで見る最新の消費者事情
3.永代供養墓でお寺はどう変わる? アンカレッジの事例を交えた懇談
ご参加いただいたお寺様には「とても面白い!」と好評。参加寺院6割から「うちのお寺にも提案がほしい」と無料提案のご依頼が寄せられる好評のセミナーです。
(無料提案は申込順になっておりますのでご了承ください)
日程 : 2018年10月26日(金) 開場:13時 開始:13時30分~16時
会場 : 真宗大谷派名古屋別院・東別院会館(名古屋市営名城線「東別院駅」下車、徒歩5分)
参加費 : 3000円(参加してみて「情報が不十分」と感じたら、参加費はいただきません!)
参加資格 : ご住職、副住職ほか寺院関係者(真宗大谷派以外の方も参加可能です)
【参加者特典】
セミナーご参加の寺院様には、セミナー資料(PDFデータ)と商圏データをプレゼントいたします。さらに、ご希望の寺院様には交通費のみのご負担で、個別にお寺を訪問させていただき、樹木葬墓の無料提案も行っております。
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